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100の物語[歴史] 時代のリーダー

時代を切り開いたリーダーたち
 1869(明治2)年7月、明治新政府は開拓使を設置。蝦夷地を「北海道」と名づけることにし、11ヵ国86郡に分けました。この時をもって北海道は新政府のもとに組み入れられ、いよいよ本格的な開拓がはじまることになります。新政府は続々と、時代のリーダーとなるべき人物を、北海道へ送り込みました。勝ち組だった薩摩・長州を中心に、全国から幅広く人材が集められています。
 たとえば、黒田清隆は薩摩藩(鹿児島)、島義勇は肥前藩(佐賀)、岩村通俊は土佐藩(高知)の出身です。北海道への赴任当時、黒田は29歳、島は46歳、岩村は28歳。それぞれ、旧幕府軍との戦いである戊辰の役では、軍人として活躍してきました。彼らのおおらかな構想力と剛胆な実行力が、まだ混沌とした時代には必要だったのかもしれません。白紙にデッサンを描くように、彼らは新しい世界をつくってゆきました。
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蝦夷共和国への夢/榎本武揚
 明治元年10月20日未明、榎本武揚が率いる開陽丸以下7隻の艦船が、内浦湾鷲ノ木沖に現れました。そして五稜郭を占拠し、北海道に「事実上の政権」を打ち立てます。政府軍に破れるまでのわずか7カ月間の支配でしたが、ここに『蝦夷共和国』という夢が芽生えたことは確かです。榎本は降伏した後、黒田清隆の奔走で罪を許され、開拓使のために働きました。樺太をめぐるロシアとの交渉でみせた外交手腕などは、高く評価されています。

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榎本武揚
■榎本武揚
(写真提供:市立函館図書館)
開陽丸青少年センター
■開陽丸青少年センター
江差港に復元された開陽丸は、歴史や引き揚げ遺物を展示する博物館となっている。
(写真提供:インテリジェント・リンク)
開陽丸
■開陽丸
幕府軍艦としてオランダで作られた開陽丸は、大砲など最新の兵器を備えていた。
(写真提供:江差町教育委員会)
五稜郭
■五稜郭
ヨーロッパをお手本に作った、日本初の西洋式城郭。
北海道開拓の方向を定める/黒田清隆
 西郷隆盛の使者として坂本竜馬に会い、薩長連合を成功に導いたのが黒田清隆です。旧幕府軍との戦いでは、鳥羽伏見の後、奥州を平定し、五稜郭を占領していた榎本武揚を攻めました。根っからの軍人でしたが、開拓使次官に就任すると、一転してすぐれた行政手腕を発揮します。ケプロンと相談しながら「開拓使十年計画」を定めると、札幌本道を開き、札幌に官庁、学校、工場を建て、西洋作物、家畜などを移し、各地から移民を招きました。そのやり方は時にあまりに強引でしたが、彼によって北海道開拓の方向が定められたといっていいのです。

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黒田清隆
■黒田清隆
(写真提供:国立国会図書館)
札幌をつくった雄大な構想力 島義勇
 1869(明治2)年11月、島義勇は札幌本府建設の大任を受け、函館から文字どおり道なき道を進んで、札幌に到着しました。このころの札幌に住んでいた和人は、豊平川の渡し守をしていた2家族しかありません。島はまず、街の中心をいまの創成橋(南1条西1丁目)付近とし、南北は大通公園を基線に、東西は創成川を基線として、碁盤の目状に区画することにしました。そして、雪の中で地割りを行い、役所を建て、農商民を募りました。島の雄大な構想力が、現在の札幌の発展につながったといえるでしょう。
島義勇銅像/「石狩国本府指図」
■島義勇銅像
札幌市役所のロビーに建つ銅像。台座には、まちの発展を願って詠んだ漢詩が刻まれている。
(写真提供:インテリジェント・リンク)
■「石狩国本府指図」(*1)
島が札幌本府構想のため作成したまちの見込図。

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関連するデータベース
島義勇
■島義勇
(写真提供:札幌市教育委員会 文化資料室)
殖民地選定事業で移民を増やす/岩村通俊
 岩村通俊は、1886(明治19)年に北海道庁が設置されると、その長官に就任しました。岩村はただちに思い切った行政の簡素化を図り、赤煉瓦庁舎を建設しました。とくに大きな業績として残るのは、殖民地選定事業です。道庁は、内地資本の北海道への土地投資を容易にし、内地からの北海道移民を収容するために、開拓適地を全道的に調査したうえで、区画割りを行いました。これにより、大土地所有という弊害は生みながらも、北海道の開拓は飛躍的に進むことになったのです。
岩村通俊
■岩村通俊
(写真提供:札幌市教育委員会 文化資料室)
旧道庁庁舎
■旧道庁庁舎
明治21年に完成した北海道庁。
一度火災にあったが復元され、今も当時と変わらない姿で親しまれている。 写真は明治23年ごろ。
(写真提供:札幌市教育委員会 文化資料室)
関連リンク
*写真提供:北海道大学付属図書館[北方資料データベース]
 写真キャプション文責:北海道庁
*1 [石狩国本府指図] / 島義勇 請求記号:軸物116 北方資料データベースレコードID:0D010660000000
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