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100の物語[歴史] 探検家

未踏の地を歩いた探検家
 18世紀にロシアが南下しはじめ、やがて千島や樺太に達するとともに、日本国内で北辺防備の声が高まりました。そのころは、松前藩の領地や沿岸の漁場を除いて、蝦夷地の地理はよく分かっていません。幕府は蝦夷地を松前藩から取り上げるとともに、探検隊をつぎつぎに送り込み、調査を進めました。そのほか自分の意志で、蝦夷地に乗り込んだ探検家もいます。これらの探検家に共通しているのは、数学や暦学に造詣が深く、しかも体力に恵まれていたことです。そしてなによりも、彼らには未踏の地に分け入ってゆく勇気がありました。これらの探検家たちの報告によって、しだいに北海道の全貌が明らかにされていったのです。
一人でロシア人たちに退去を命じる/最上徳内
 北海道探検の先駆者となったのは、最上徳内です。1785(天明5)年、老中・田沼意次の命を受けた調査団が蝦夷地へ派遣されたとき、徳内もその一行に加わっています。翌年の千島渡航では、アイヌの通訳とともに先発しました。択捉(えとろふ)島でロシア人と遭遇した徳内は、彼らに一人で堂々と退去を命じています。その後、近藤重蔵(こんどう・じゅうぞう)を案内してふたたび択捉島に渡ったり、斜里に行って北方の防備にあたっていた津軽藩兵を監督しました。江戸に戻ってからは、それまでの探検の成果をまとめ、多くの地図と地誌、アイヌ語辞典などを著しています。

関連する100の物語
測量により明らかになった北海道の形/伊能忠敬
 下総(千葉県)の名主として資産を残した伊能忠敬は、引退してから私費で蝦夷地測量を行いました。箱館に着いた忠敬は、歩数で距離を測定し、羅針で方位を調べながら、毎日20〜30キロの行程で、東南海岸に沿って進みました。こうして山越内〜室蘭〜三石〜幌泉〜大津〜釧路などを経て、途中船便も利用しながら西別に到着しました。箱館出発以来、105日をかけて沿道を測量しおえたのです。江戸からの足数で測定した距離は、約1700キロにも及びます。後に間宮林蔵らの協力により、「大日本沿海輿地図」が完成し、これにより、はじめて北海道の正確な形が明らかにされました。

関連するデータベース

蝦夷地沿海実測図
■蝦夷地沿海実測図/伊能忠敬(1821年ころ)(*1)
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伊能忠敬肖像画
■伊能忠敬
(写真提供:伊能忠敬記念館)
樺太が大きな島であることを発見した/間宮林蔵
 間宮林蔵がはじめて蝦夷地に姿を見せたのは、1799(寛政11)年4月。林蔵は蝦夷地東部を踏査し、翌年には蝦夷地御用掛雇にとりたてられました。そして、そこで思いもかけぬ人物に会います。かねてより尊敬していた伊能忠敬です。その後、林蔵は忠敬を師と仰ぎ、多くの実測データを送っています。
 1804(享和4)年、林蔵は樺太探検に向かいました。小さな丸木船で未踏の地に入っていくのですから、決死の旅だったにちがいありません。そこで林蔵は、樺太が半島ではなく大きな島であることを発見しました。後に、樺太と大陸の間の海峡は、間宮海峡と呼ばれることになります。

間宮林蔵
■間宮林蔵
(写真提供:間宮林蔵記念館)
内陸部を含めて蝦夷地を縦横に踏査/松浦武四郎
 松浦武四郎は伊勢国(三重県)の生まれ。国内各地を遍歴した後、まだ行ったことのない蝦夷地探検をめざし、1845(弘化2)年春に松前の土を踏みました。小さな羅針(磁石)を手に、東蝦夷地の探検をはじめたのです。これ以降、数度にわたって、武四郎は蝦夷地を内陸部を含めて縦横に踏査します。探検を重ねるごとに、アイヌの人々の生活や風俗についての観察も鋭くなっていきました。やがて江戸に戻った彼は、探検日誌と地図の完成に専念し、多くの優れた著作を残しました。後に、蝦夷地を北海道と名づけたのも、武四郎にほかなりません。

東西蝦夷山川地理取調図
■東西蝦夷山川地理取調図(1859年)(*3)
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松浦武四郎
■松浦武四郎(*2)
関連リンク
*写真提供:北海道大学付属図書館[北方資料データベース]
 写真キャプション文責:北海道庁
*1 蝦夷地沿海実測図/伊能忠敬 請求記号:軸物94 北方資料データベースレコードID: 0D001350000000
*2 松浦武四郎 請求番号:S(b) 58 北方資料データベースコードID: 0B033430000000
*3 東西蝦夷山川地理取調図 首・1〜26・尾 / 松浦竹四郎 凡例 番合之図 請求記号:図類1028(1)-2 北方資料データベースレコードID: 0D001840000001
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