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100の物語[自然] 小清水原生花園

青き山なみを背に花の咲く小清水原生花園
 北海道の原生花園と聞いて、多くの人がまず思い浮かべるのが小清水(こしみず)原生花園でしょう。5月下旬から8月下旬まで、さまざまな花が咲き乱れる小清水原生花園はオホーツク海とトーフツ湖に挟まれた細長い砂丘にあり、その長さは約8キロにおよびます。
 花々が咲く小高い砂丘の上からは、斜里岳(しゃりだけ)と知床連山(しれとこれんざん)、藻琴山(もことやま)、能取岬(のとろみさき)などが見渡せます。数多くの花の種類と広大なお花畑、美しい周囲の景観が小清水原生花園を北海道の代表的な原生花園とする理由です。

小清水原生花園
(写真提供:小清水町)
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代表的な花/エゾスカシユリ/エゾキスゲ/ハマナス/クロユリ
 小清水原生花園では6月から8月にかけて約40種類の花が咲きますが、最も美しい時期はエゾスカシユリ、エゾキスゲ、ハマナス、クロユリなどが一斉に咲く、6月から7月です。
エゾスカシユリ
■エゾスカシユリ
小清水町の「町花」でもあるエゾスカシユリは小清水原生花園を代表する花。6月下旬から7月下旬にかけて咲く花は鮮やかなオレンジ色。その色はオホーツク海沿岸に短くも美しい夏の到来を伝えます。花は上を向いて咲き、よく見ると花びらの付け根にすき間があり、下が透けて見えることからエゾスカシユリと呼ばれるようになったといわれる。

エゾキスゲ
■エゾキスゲ
ユリ科に属し、花の色はレモンイエロー。開花の時期がエゾスカシユリとほぼ同じで、小清水原生花園はオレンジとイエロー、草や葉の緑、空と海の青というカラフルな色合いに包まれる。(写真提供:小清水町)
ハマナス
■ハマナス
バラ科のハマナスは花の時期が長く、6月中旬から8月上旬まで見られる。花は濃いピンク色。花が終わった後も赤い実をつけ、しばらくの間は小清水原生花園に彩を残す。冬、雪の中にポツンと残っている赤い実が見られる場合もある。
クロユリ
■クロユリ
ユリ科の多年草で、草たけは10〜50センチほど。小清水原生花園では、最近数が少なくなっている。6月から8月ごろまで、黒褐色の花を咲かせます。

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春先の野焼き
 長い冬が終わり、雪が平地で消えたころ、小清水原生花園では「野焼き」が行われます。花の時期の前に火を放ち、人為的に野火を起こすのです。これにより堆積した枯れ草が燃え、花々の繁殖や開花が促進されます。
 1980年代に入り、小清水原生花園の花々は減少し、お花畑の荒廃が目立つようになりました。この原因は、1978(昭和48)年に火の粉により時々野火を発生させていた原生花園の中を走る蒸気機関車が廃止され、花の成長を邪魔する雑草を食べていた牛馬の放牧もやめられたためと考えられています。
 現在では野焼きやトーフツ湖畔での馬の放牧再開、手作業による帰化植物の除去などの保護活動によって、本来の原始の姿を取り戻しつつあります。
野焼き風景
■野焼き風景
小清水原生花園で毎年行われている野焼き。(写真提供:小清水町)
その他の原生花園
 オホーツク海沿岸には斜里町の以久科(いくしな)原生花園、サロマ湖の砂州にある常呂(ところ)町のワッカ原生花園、紋別市のコムケ湖原生花園とオムサロ原生花園、浜頓別(はまとんべつ)町のベニヤ原生花園といった規模の大きな原生花園が点在しています。花を追いかけて、オホーツク海沿岸を北上、または南下する初夏の旅も面白いかもしれません。
ワッカ原生花園
■ワッカ原生花園
サロマ湖とオホーツク海を隔てた細長い砂州にあるお花畑。海水に囲まれていながら真水が湧き草原が広がり、「竜宮街道」と呼ばれている。

オムサロ原生花園
■オムサロ原生花園
渚滑(しょこつ)川河口に広がる砂丘地帯のお花畑。夏はハマナスの群落、冬は間近に流氷を見ることができる。
ベニヤ原生花園
■ベニヤ原生花園
オホーツク海沿いに広がる、草原と湿原からなるお花畑。クッチャロ湖とともに北オホーツク道立自然公園に指定されている。
 
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