第22回 補助金との訣別を!

おまえのかあちゃんデ~ベ~ソ!

第22回 補助金との訣別を!

 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律――という長ったらしい名前の法律がある。名称にわざわざ「適正化」という文言を入れるのは、補助金が不適正に運用されることが多々ある証拠だろう。不適正な運用があるのを防止しなくてはならないので、こんな法律をつくらねばならないのである。
 この法律の第三条に「関係者の責務」が記されている。
 「各省各庁の長は、その所掌の補助金等に係る予算の執行に当たっては、補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに特に留意し、補助金等が法令及び予算で定めるところに従つて公正かつ効率的に使用されるように努めなければならない」
 要するに、出金する側の役所は、補助金が税であることを「特に留意」しろ、というのである。逆に言えば、それを留意しない執行が多いということである。つまり、ズサンな支出が多いということ。

2012年1月1日の富士山 写真:和多田進

2012年1月1日の富士山

 第三条2は、「補助事業者等及び間接補助事業者等は、補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに留意し、法令の定及び補助金等の交付の目的又は間接補助金等の交付若しくは融通の目的に従つて誠実に補助事業等又は間接補助事業等を行うように努めなければならない」と書く。言わずもがなのことを書かねばならぬ法律を必要とする補助金とはいったい何なのか。
 地方自治体と補助金の事業体(民間)は、その身を補助金漬けにしてきたことをかえりみてほしい。補助金ぶん獲り名人がいたり、補助金をめぐる情報交換が仕事の大勢を占めるような社会は健全とは言えぬ。補助金に頼る構造から一刻も早く訣別しなければ、地方の自治は絵空事だ。補助金制度は「毒饅頭」である。諸悪の根源といってもいい。麻薬中毒に匹敵するのが補助金だろう。税を蝕みつつ増税に反対する滑稽は笑えまい。

プロフィール

和多田 進(わただ すすむ)

ジャーナリスト、編集者。1945年北海道生まれ。1976年晩聲社創立。『週刊金曜日』初代編集長兼社長。月刊誌「CHAI」編集長。荒木経惟「日本人ノ顔」プロジェクト代表。日本聞き書き学会理事。著書に『生きてるうちが花なのよ 編集現場で考える』(晩聲社)、『横撮り』(バジリコ)、『ドキュメント帝銀事件』『Story A 天才アラーキーの撮影現場』(いずれも新風舎文庫)など多数。

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