北海道人 ゆく年くる年

 2010年も残りわずかとなりました。ゆく年を振り返る時間がないほど、忙しい師走を過ごしている方もいらっしゃると思います。2010年最後の特集は、今年北海道で活躍した忙しいかたがたをつかまえて、ゆく年を振り返るとともにくる年への思いを語っていただきました。みなさんのゆく年はどんな年でしたか? くる年、2011年が良い年でありますように……。

文/杉本真沙彌 写真/杉本真沙彌、しn


石栗麻衣(いしぐり・まい)さん
洋菓子工房べんべや・パティシエール、1982年生まれ、札幌市出身、札幌市在住

洋菓子工房べんべやのパティシエール・石栗麻衣さんは、とうもろこしを使ったスイーツ「さっぽろコーンヴェリーヌ」で、さっぽろスイーツ2010「生洋菓子部門」のグランプリを受賞しました。コンテストへのチャレンジは今回で4回目、パティシエールとしては同コンテスト初のグランプリ受賞となりました。石栗麻衣さんにとって2010年はどんな年だったのでしょう。そして、2011年に向けて思うことは……。

学生のころはいつも2番とか10位以内とか。1番になったのははじめてです


<ゆく年を振り返って>

 コンクールには2種類のスイーツを出品しました。時間をかけたほうは、審査を通らず、受賞したさっぽろコーンヴェリーヌは、書類選考の応募締め切りの1週間に思いついたものなんです。野菜のスイーツということもあり、まったくのチャレンジでした。札幌ならとうもろこしがいいな、と思いました。大通公園のとうきびワゴンとか、幼いときに大通公園で遊んで楽しかったことなどのイメージがあります。
 書類選考を通ってからは、どうやったら野菜のおいしさが伝えられるか……あまいだけではなく、塩加減、チーズとの相性、酸味のあるルバーブのコンポートとの組み合わせなど、味、食感、色などについて試行錯誤を繰り返しました。
 ただ、自分が納得できるものを作りたい、コーンのおいしさをどうやったら一番ひきだせるかということを考えて作りました。ですから、受賞の連絡をいただいたときは、本当に驚いて……まず店の代表である土井シェフに報告すると、信じられないといった感じでした。でも、試作品を食べてもらったときに、「いつもよりおいしい、これはいけるんじゃないかと思っていた」と、あとからききました。
 自分にとって今年は、飛躍の年というのでしょうか。学生のときは1番をとったことがなかったんです。2番とか10位以内とか……。1番に選んでいただくのは、はじめてでした。まわりのいろいろなことに影響が出ました。取材を受ける機会もたくさんありました。文字になった記事を読むと、話すこともそうですが、もっとちゃんとしたものを作らなくちゃとか、今まで以上に気配りも必要だなとか。自分がこれまでしてきたことを今までと違う目線で考えられるようになった一年でした。


<くる年に思うこと>

 お菓子作りの基本的なことはいつになっても変えずに、もっとおいしいものを作れるように素材の使い方を極めていきたいです。素材をどのように使ったらおいしくなるとか、これとこれを組み合わせたらおいしいとか、バリエーションも増やしていきたいですね。


【Data】

洋菓子工房べんべや 本店
 住所 札幌市手稲区星置3条9丁目10-7 TEL 0120-773310
 営業時間 10:00~20:00
http://www.benbeya.jp/


鯨森惣七(くじらもり・そうしち)さん
イラストレーター、エッセイスト、1948年生まれ、室蘭市出身、札幌市在住

ポータルサイト『北海道人』の連載「コレは、まちのゲー術だ。と叫びつつ、ちょっとずつ歩きまわる旅。」でもおなじみの鯨森惣七さんが、2010年の5月に絵本『ペ・リスボーの旅・ダラララー』を出版しました。10歳のリスボーが旅をして、生きる勇気を学ぶ物語は完成までに2年をかけた94ページの大作です。念願の絵本を産み落とした2010年は鯨森さんにとってどんな年だったのでしょう。そして、来年の抱負は……。

こんなに頭を使ったことがなかったよ、国語2だったからね リスボーで自分のエネルギーの半分がなくなっちゃった


<ゆく年を振り返って>

 絵本を描かないかって声がかかったのが、2008年の10月ぐらいだったかな。その1カ月前くらいに、デザイン学校で講義をするんだけど、最初に予定してたテーマが「広告について」。どんな人たちの前でやるのかなと思って下見に行ったら、無理だなと思った。学生がぺろぺろしてふにゃふにゃしてたから、お互いに解りあえない時間を過ごすことになるような予感がした。広告のことより、もっと基本的な、生きることについて話そうと思った。それでテーマを「人間はあほやなぁ」に変えて、地球の話、親子の話、自然から生物が生まれてきて、そこに社会的に大事な物があるという内容にして、教科書を作った。イラスト入れてね。
 終わってからアンケートを読んだら、もっと親と話してみるとか、自然のことがわかった、興味を持ったとか書かれていて、伝わったと思った。うれしかった。
 いまの若い人にはこういうのが必要なんだと思った。だから、絵本の話がきたときには、描きたいことがあったんだね。この絵本は、15歳くらいとか、これから子どもを産む若い奥さんとかに読んでほしいと思って描いたんだよね。
 描くことが決まってプランを練らなきゃならない時期に、まったく何にもしてなくて、そのうち痛風で入院して、そこにスケッチブックが届いた。病院のベッドの上で絵本がスタートしたんだよ。
 はじまってからは、絵はどんどん生まれてくるし、文章もそんなに苦労しなかった。よく“書かされている”っていうけど、そんな感じ。気がついたら94ページになっていた。
 絵本が発売になってからは、ふわふわしてた。ほぼ2年の間、ひとつのことに集中してたってことがそれまでなかった。こんなに長い文章もはじめて書いたし。正直、そんなに考えたことがないって話。描き終わったときには7キロやせてた。いまは半分ぐらいエネルギーがなくなっちゃったから、これから補充しなくちゃいけない、ぼろぼろですね。


<くる年に思うこと>

 リスボーの第二弾を書きたいね。じっくり時間をかけてやりたい。子ども用の絵本も書きたいね。小学校4年生ぐらいまでの子ども向けの話を書きたい。それから、絵本を外国の人にも見てもらいたい。それを支援してくれる方やスポンサーが現れるとうれしいです。


【Data】

「ぺ・リスボーの旅・ダラララー」はこちらから購入できます
『コレは、まちのゲー術だ。と叫びつつ、ちょっとずつ歩きまわる旅。』
鯨森惣七さんへのメールはこちら

北海道人アンケート ☆あなたのゆく年くる年を聞かせてください! 女性編
  • 2010年は小波が立つ海の上の小船みたいな感じ、ゆらゆらしていてちょっと船酔いしました。
    2011年は大波も小波もなんのその、大型クルーザーで驀進します! みたいな感じで。(20代、主婦)
  • 今年は娘の高校受験に始まり、自分の資格取得のための準備などバタバタとしていましたが、年末になって希望通りの就職先が決まり、大変意義のある一年となりました。
    2011年は新たな職場で新たな出会いを期待しつつ、心機一転がんばります。(40代、福祉施設職員)
  • 2010年は「旅」の年でした。5月に明治神宮、浅草、横浜&中華街、鎌倉、茅ヶ崎、箱根へ。11月には福岡、長崎、大分などへ。北海道には無い空気、色、建造物……素晴らしいモノがたくさん観られた2010年でした。
    2011年は「変化」でしょうか……。環境の変化がありそうな年。期待と不安が6対4ぐらいで押し寄せます。自分のペースで進んで行けたらOKな2011年。(30代、会社員)
  • 今年は勤めていた会社が倒産したり、しっちゃかめっちゃかだった。なんとか生きてはいるけどね。
    2011年は痩せる算段などをしつつ、健康に過ごせるようがんばりがんばりたいな。(70代、主婦)
  • 2010年は苦しまぎれで前に進めたって感じかな。
    2011年は日常と少し違うことをすると、次の展開が見えてくるかも。(40代、ライター)
  • 今年は、娘の幼稚園行事、息子の学校行事、自分の仕事などで、気がついたらあっという間に1年経っていた。旦那や子どもたちと休みが合わず、家族との時間があまりとれなかった。
    2011年は家族との時間も、自分の時間も、もう少し、ゆったりもちたい。携帯やパソコンもいいけど、もっと本を読みたい。(30代、パートタイマー)
男性編
  • 2010年は、責任分解点という言葉では人間は割り切れませんね、という年でした。
    1950年~2050年の間になくなるものをまとめた「絶滅年表」というものがあるのですが、2011年は10年スパンでものごとを考えるきっかけになるいい年だと思います。(40代、会社役員)
  • 2010年は、もの凄い「のぼり坂」と、もの凄い「くだり坂」の出現。つまり激しいアップダウン……両方キツイ。
    2011年は、「新たな坂」の出現に備えた準備運動期。(30代、会社員)
  • 2010年は長い講習会(滋賀県で開催)がようやく終わった年でした。
    2011年はまた新しい勉強をはじめたいですね。(30代、理学療法士)
  • 今年は小学校に入って、仲のいい友だちができてすごく楽しかった。
    2011年は、秋に腕の骨にひびが入って、体育やおにごっこができなかったから、たくさん走ったりして遊びたい。(7歳、小学生)
  • 漢字一文字でいうと、今年は「」ですね。色々な事がありましたので。
    2011年は「」です。気負わず、力を抜いて過ごしたいものです。(30代、僧侶)

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