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『メルマガ北海道人』第163号 2010.3.25.―「北海道人」、春の嵐―

 3月21日の春分の日、全国的に強風が吹き荒れました。あまりにも荒々しすぎて、これを「春の嵐」と呼びたくない気がするのは私だけでしょうか。
 嵐が過ぎた後、この時期としてはかなりの量の雪が積もりました。景色も気温も冬に逆戻りといった感じです。カラダが厚手のコートを欲する一方で、ココロはすでにパステルカラーの薄いコートに衣替え……。ココロもカラダも同じ自分なのに違う方向を向いていて、それをなんとかまとめようとする自分がさらにいて。ココロとカラダとまとめ役……ううむ、まとめ役の自分は何なんでしょう、どこに所属しているのでしょう。こんなことを考えてしまうのも、春のしるしなんでしょうか。
 『メルマガ北海道人』第163号、3連載の最終回を春の嵐に乗せてびゅーんと配信!

インフォメーション 「北海道人」からのお知らせ

 4月にポータルサイト『北海道人』のリニューアルを予定しています。6名のメルマガ執筆者の新連載は、リニューアル後のホームページに掲載いたしますので、ご期待ください!

もくじ

連載【岩崎稔の『大陸人の時間』】

 「朝目が覚めると薄暗い部屋に、真黄色に染まった光が差していた」――。黄砂の朝、岩崎さんはカメラとパソコンを持って天安門広場に向かいます。「大陸人の時間」最終回は、岩崎さんが連載のこれまでを振り返ります。第81回は「大陸人の時間とは」です。

連載【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】

 今回橋場さんが紹介してくれるアーティストは、北海道出身の姉妹ユニットSOULHEADです。音楽を発表する機会に恵まれなかったという4年の月日を経て、今年2月にリリースしたアルバム『SOULHEAD』に込められた想いとは。札幌でのライブは3月26日、まもなくです!

連載【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】

 40年の月日を編集者という肩書きの仕事をしてきたという和多田進は、「率直に言って、私はなかなかの編集者であった。」と言います。「なかなかの編集者」のわけ、そして編集するということの意味とは。第47回は「この欄の最後に刻むことば」です。ホームページで連載がはじまるまで、しばしお別れです。

【岩崎稔の『大陸人の時間』】第81回(最終回)

大陸人の時間とは?

 先日、朝目が覚めると、薄暗い部屋に真黄色に染まった光が差していた。時計を見ると7時半。「この時間にしては暗い」と寝ぼけた頭でぼんやり考え、“はっ”として蒲団から飛び上がった。窓の外は一面朝日さえ覆い尽くす黄砂である。
 顔を洗い、カメラとパソコンを持って天安門広場に向かった。地下鉄に乗って時計に目をやると7時45分。以前、北京で黄砂を2度ほど体験したことがあるが、どちらも午前中が一番激しかった。のろのろはしていられない。ここ10年、雪や濃い霧などの日は広場に向かう。安易だが北京と分かりやすい場所で写真を撮りたいからである。
 地下鉄に乗ってから自分が迷わず反応できたことに少し“ほっ”とした。写真を毎日仕事としていると、時々撮りたいという気持ちが分からなくなってくる。撮らなければいけないといった義務感が生まれだすと、行動に迷いが生じてくる。そして、いつの間にか写真を撮り逃す。ここ数年、何度か睡魔に負け、写真を撮り逃している。

 話は変わるが、今回で「大陸人の時間」は最終回である。まさか81回もつづけられるとは、思いもよらなかった。国語が苦手で、興味のない本は数ページ読むだけで眠くなり、興味のある本は次のページが待ちきれず、飛ばして読んでしまう私にとって、自分で文章を構築するということは、苦行であった。しかし、最近は本を読むことの楽しみも知り、文章を書くことの楽しさも知った。この機会を与えてくださった和多田進編集長にこの場を借りて感謝します。

北京の黄砂

 「大陸人の時間」では当初、大陸の人、すなわち本土の中国人を紹介できればと考えていた。新聞や雑誌、テレビでは紹介されないような身近な中国人を紹介し、私が接している生の中国人像を伝えられればと考えていた。中国人とひとくくりに言っても、育った生活環境や年齢によって時代背景も違い、色々な人がいて色々な考えがあった。日本の文化や習慣の中で育った私にとっては、接するだれもが新鮮だった。
 何度か紹介した白タクの運転手・段さんや奥さんの張さん。二人と接していると、闇タクシーという仕事をしているにもかかわらず、それがいたって当たり前という感覚にさせらされた。政府が政策を発表しても、すぐにそれに対応して抜け道をさがす国民。その神経の図太さには驚かされた。
 もちろん段さん夫婦には色々助けられることのほうが多く、日ごろから頭が上がらない。その他にもたくさんの身近な大陸人を紹介してきた。
 中盤以降は私の仕事を通した中国を紹介することが多くなり、チベット暴動や四川大地震、北京五輪などの裏話が増えた。私の交友関係が少ないことから、早々と紹介できる大陸人が尽きてしまったことが原因だ。
 そして気がつくと、後半以降は私が大陸人になり、自分の時間を紹介しはじめていた。そう考えると連載内容の変化とともに、私と中国の関係にもなにか変化があったのかもしれない。
 最後に「大陸人の時間」を読んでいただいた方に感謝し、終わりにします。どうもありがとうございました。
 4月からは、ポータルサイト『北海道人』でお会いしましょう。

終わり

著者近影

いわさき・みのる…写真家。1974年、宮崎県生まれ。東京工芸短期大学写真学科卒業、中国人民大学法学部卒業。95年から北京市に暮らし、同市を拠点に活動を続けるかたわら、アジアのフォトグラファーネットワークづくりなどに尽力している。
*現在ANAの機内誌「翼の王国」で、作家の原口純子さんと「中国万事通」を連載中です。

ホームページ:http://www.minoruphoto.com/japanesemainpage.htm

【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】 第35回(最終回)

「音楽が好き」という原点に立ち戻った大切な時間

 「メルマガ北海道人」をご覧の皆さん、こんにちは。今回も【SAPPORO MUSIC LETTER】では素敵なミュージシャンの魅力をお伝えしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 皆さんにとって過去4年間というのはどのような時間でしたか?
 これまで頑張ってきた仕事が順調に進んでいる方、もしくは転職をした方、独立をした方、引っ越した方……色々あると思いますが、この4年という長い期間、自分たちの思いを伝える場所がなかったとしたらどうしたでしょうか?
 今日ご紹介するSOULHEADという姉妹ユニットはこの4年間、CDをリリースする機会・ライブをする機会になかなか恵まれませんでした。曲はある、でも披露できない、ファンの方に伝えることもできない……そんな時間を過ごしているうちに彼女たちはあることに気がつきました。
 SOULHEADはYOSHIKAさんとTSUGUMIさんの二人が結成した姉妹ユニットで、札幌を中心に活動した後2002年にメジャーデビューを果たしました。学生時代に二人別々に留学していたのですが、帰国してみると似たようなサウンドのCDを買ってきていました。実は二人ともブラックミュージックが好きだった……それを知った二人はユニットを結成し、自分たちで曲を書き、ライブ活動をはじめました。
 その音楽が東京の事務所の耳に留まり、二人は上京、間もなくデビューしました。ブラックミュージックをベースにした姉妹ならではの息ピッタリの音楽は、たちまち人気を博し、リスナーのみならずミュージシャン仲間からも高い評価を受けていました。

左からYOSHIKAさんとTSUGUMIさん

 しかし2006年以降、順調に事が運ばなくなってしまいました。それから4年、彼女たちは「ブラックミュージックがベースにありながらも、音楽そのものが大好きなんだ」ということに気がつきました。そこでポップス、ソウル、ロック、ハウスといった違うジャンルの音楽を大胆に取り込んだサウンドを再構築し、今年2月に4年ぶりとなるアルバムをリリースしました。
 そのアルバムタイトルは「SOULHEAD」。そう、ユニット名がそのままタイトルになっています。
「つけるなら今しかないと思ったんです。このアルバムの次では意味が変わってきてしまいますし」(YOSHIKAさん)
「伝えたい事が1曲ではなくて、このアルバムに収録されている曲全てを感じてほしいと思って。それがテーマなので」(TSUGUMI)
 4年という月日はムダではなかった、むしろ収穫がたくさんあったことの証明となったアルバム「SOULHEAD」。東京では早速ライブを行い、大好評を得たとのこと。地元・北海道でそのリアルな思いが解き放たれるのは3月26日です。

 1年半近くにわたってお送りしてきた【SAPPORO MUSIC LETTER】も今回で最終回となりました。4月以降はリニューアルされる『北海道人』のホームページで情報を発信していく予定となっておりますのでお楽しみに! ご愛読ありがとうございました。

【SOULHEAD ライブ情報】
・CLUB BANGERZ
 SOULHEAD Brand New Album 「SOULHEAD」 Release Party!!

 2010.3.26(金) 札幌・acid room 開場・開演/22:00

(HP)http://www.soulhead.info/

著者近影

橋場了吾…1975年札幌市生まれ。1998年同志社大学卒業後、札幌テレビ放送入社。ラジオディレクターとして「日高晤郎ショー」「ライブスピカ」等を担当。2005年同社を退社。以後広告制作プロダクションなどを経て、2008年株式会社アールアンドアールを設立し、札幌発の音楽情報WEBマガジン「SAPPORO MUSIC NAKED」を立ち上げる。「音楽で北海道を元気にする」を信条に、札幌にやって来たミュージシャンの取材を続けている。

「SAPPORO MUSIC NAKED」:http://www.sapporo-mn.com/

【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】 第47回(最終回)

この欄の最後に刻むことば

 指折り数える、ということがあるけれど、両手の指を使っても足りない40年ほどの年月、編集者という肩書きの仕事を私はしてきた。もちろん、肩書きにまったく意味はない。どういう中身の仕事をしてきたかが問題であることは言うまでもないだろう。
 率直に言って、私はなかなかの編集者であった。かなり控えめに、謙遜の気持ちを込めて言っても、やはり答えは同じことで、なかなかの編集者であったと言うほかはない。
 どうしてそんなことが言えるかと問う人がいるかもしれない。その問いに答えるとすれば、他を見てそう思うということになる。他がひどすぎるため、相対的に私がなかなかに思えるだけなのかもしれないと思うのだ。いや、おそらくそうなのだろう。名刺の肩書きだけの編集者があまりに多すぎる。
 これはなにも編集者にかぎったことではないようである。社長という肩書きの人にも、先生とか部長とか大工、記者、ダンサー、ホステスというような職業の人にも、ピンとキリとがあるということなのだろう。ピンとキリとの間に、私のようななかなか組が存在するのに違いない。細かく言えば、なかなか組にもまたピンとキリがあるのであろうが。
 世の中のことは、すべて編集されているから、あらためて編集ということを考えない人がいるかもしれない。なにしろ、この世に編集されざるものはただのひとつもないのであるから、人が編集を空気のように意識しないのは当然といえば当然のことなのだ。自分が自分自身を編集しているということに気づいている人は案外少ない。 
 あなたは、あなた自身を着衣で編集している。あなたは、ことばや身振り、仕草でもって、つまりは言語でもってあなた自身を編集しているのである。あなたがあなたらしく、私が私らしいのはその結果であるのだ。

東京・目白('09.8月)

 新聞はもちろん、テレビも雑誌も、私たちが見る一切のメディアは、さまざまな意図のものとに編集された結果なのである。だれかからもらった手紙も、そのだれかが自分の脳味噌のなかを編集した結果である。どんなに長い手紙を書いても、脳味噌の中身ぜんぶを記録できっこない以上、人はそれを編集せざるを得ない。
 写真もそうだ。どんなにへたくそに写真を撮るやつでも、編集なしの写真は撮れない。なぜなら、構図のない写真、フレーミングのない写真というものなど存在しないからである。構図もフレーミングも、みな編集というものの一部であり、編集そのものなのである。
 もちろん、いま述べたことが編集のすべてでないことは明らかであるけれど、編集の概念、概略であることに間違いはなかろう。
 人々はまず私たちの暮らし、人生が、このように編集されつくしているということ、編集まみれの世界に生きているということをはっきり認識すべきなのだ。そのことが自らを深く疑うことに道を拓かせる。もちろん、そこから世界への疑いの道もはじまる。すべてを疑え、自分を例外とせずに――、と言ったのはマルクスだった。私がマルクスの思想の普遍性を信ずる根拠のひとつがここにある。
 編集者への道は険しい。どの道であれ、道を極めることなどまったく不可能事なのだが。名刺の肩書きとしてならともかく、何ごとかを職業とすることはただならぬ覚悟を要する。だから、思いつきと企画の違いなど考えたこともない「編集者」には、肩書きさえもったいないと私は思う。なかなか組を私が自負する所以は、かろうじてその区別、思いつきと企画の区別がつけられることによるのでもある。
以上のことを記してこの欄を去る私の最後の思い出としたい。「死を想え(メメントモリ)」という言葉もあえてこの欄に刻みつけておくことにしよう。この語の意味を解してこその人生だということも心に刻んでおきたい。
読者のみなさん、それではしばしサヨウナラ。そして、再見!

インフォメーション ポータルサイト「北海道人」更新情報

<WEB絵本・鯨森惣七さんの「コレは、まちのゲー術だ。と叫びつつ、ちょっとずつ歩きまわる旅。」を更新しました!>

ポーその13
鯨森惣七さんが旅先で見て感じたことをイラストとエッセイで紹介するコーナーです。ちょっとずつ歩き回った小樽の旅も今回で終わりです。小樽駅に向かう途中で顔見知りのゲー術家にバッタリ会った今回の旅にトリップしたい方はクジラをクリック!

コレは、まちのゲー術だ。と叫びつつ、ちょっとずつ歩きまわる旅

 旅はまだまだつづきます。さて、次に鯨森さんが現れるのはどこの街?

次号予告

 次号の配信は4月です。次号からは、ポータルサイトの更新情報、イベント情報、取材のこぼれ話などをそのときどきの季節のつぶやきとともにお届けします。ひきつづき、『メルマガ北海道人』をよろしくお願いいたします。

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