メルマガ北海道人

HOME > 第143回

『メルマガ北海道人』第143号 2009.10.29.―「北海道人」、はらはら―

 ある日の朝、バスを降りて横断歩道を渡っていると、サーッと風が走る音が聞こえ、目の前で信号待ちをしていた女性たちの上に落ち葉が雨のように降りそそぎました。そのなかの一人のご婦人は黒い傘を差していました。まるで落ち葉をよけるために傘を差しているように見えました。雨でも日差しでもなく、落ち葉よけの傘……。はらはらと落ちた広葉樹の葉はやがて舗道に積もり、人が通るたびにかさかさと音を立てます。落ち葉だまりを選んで、わざとかさかさ音をさせて歩いた子どものころを思い出します。
 『メルマガ北海道人』第143号、落ち葉をよけてみたり、落ち葉のなかを歩いてみたり人間って不思議、配信!

もくじ

連載【岩崎稔の『大陸人の時間』】

 いままで一度もカードのポイントを調べたことがなかったという岩崎さんですが、航空会社からポイントについての知らせを受けたのをきっかけに、旅行社や携帯電話などのポイントを調べてみたそうです。すると携帯電話のポイントがものすごいことに! 交換した品物が大きなダンボール箱で届いたのですが……。

連載【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】

 今回橋場さんが紹介してくれるアーティストは、2ヴォーカル、1MCのPRΛTINUMというガールズユニットです。幼稚園のころからの知り合いだったというYUCCOさん、INAさん、wakaさん。YUCCOさんの「世界中の●●●を食べに行こう」という一言で3人に転機が訪れます。さて、PRΛTINUMの音楽とは?

連載【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】

 難解な書物を読むにふさわしいのは静かな秋の夜です。今回の「濡れにぞ濡れし」はまさにこの時期にぴったりの内容です! それまで信じられてきたマルクスの思想のなかに、「新しいマルクス」を発見したというルイ・アルチュセール。彼が編集した『資本論を読む』のなかに『資本論』を「新しい哲学」として読む手がかりがあるそうです。第38回は「マルクス主義を超えていく道」です。アルチュセール、手ごわし!

【岩崎稔の『大陸人の時間』】第71回

中国ポイント事情

 先日、中国国際航空から「飛行機を利用した際に貯まったポイントを年末までに使用してください」という内容のメールが届いた。今年から中国国際航空を利用した際のポイントは全て全日空のポイントカードに貯めていたので、ポイントなどほとんど貯まっていないだろうと思って調べたら、現ポイントで中国国内であればほぼどの路線もただで利用できることを知った。
 私はポイントカードにめっきり弱い。どうせポイントを利用するのが面倒で使うことはないだろうと思い、今まで一度も自分のポイントを調べたことがなかった。これはいい機会だと、いつも利用している旅行社のポイントも調べてみた。この旅行社は“イーロン”と言って中国全土で展開している旅行社だ。携帯電話で簡単に宿や航空券を予約できるので重宝している。ポイントは新型の携帯電話や家電、航空券、ホテルの宿泊などと交換できる。私の現ポイントだと各地の5つ星ホテルに7日間は宿泊できる。ポイントが貯まることなど何も考えずに旅行社を利用していた私にとって、思わぬご褒美だ。しかし、これも年末までに使用しなければならない。
 つづいて携帯電話のポイントを調べてみる。思えば2、3カ月前に電話会社から早くポイントを使わないと無くなってしまうと電話があった。この携帯電話の番号はもう10年も使っているが、ポイントが貯まることなど、その電話が来るまで知らなかった。インターネットで電話会社のホームページを開き、自分のポイントを確認してみると1523420ポイントと表示された。多いのか少ないのかさっぱり分からない。

外灘(バンド)

 早速それを何かと交換してみようと、ホームページを進んでゆく。どうせたいした品物と交換できないだろうと思っていたが、品物はかなり充実している。驚いたのは私のポイントの多さである。高価な商品に位置付けられる任天堂DSでも7個と交換できる。しかし、中国で任天堂DSなど販売されていないはず、少し怪しい。
 結局、フィリップスの掃除機1台、小さめのスピーカー1式、大きめのスピーカー1式、耳で測れる体温計1台、イギリス製湯沸かし器1台、キングサイズの羽毛布団、任天堂DS2台と交換することにした。突然正月とクリスマスが一度にやってきた気分だ。しかし、本当に送ってくるのだろうか……、半信半疑で発注した。
 数日後、巨大な段ボール箱が届いた。たしかに頼んだ品が段ボール箱の中に詰まっている。私は携帯電話を特別頻繁に使うわけではない。それなのにただでこんなに物をもらえるのはどこか腑に落ちない。いったいどんな仕組みなのだろう。
 とりあえず任天堂DSを取り出してみた。箱には任天堂の文字はない。代わりに中国の会社名が記されている。箱を開けてみると、一見全くDSと同じなのだが、やっぱり任天堂の文字はない。ゲームを起動させてみると画面に中国の会社の名前が出てくる。しかし、それ以外は全く任天堂DSと一緒だ。
 小型、大型スピーカーもどこか見たことのある形をしているが、メーカーは聞いたことがない名前だ。音は素晴らしくいい。体温計にはCITIZENと書いてある。計ってみたが34.4度しか出ない。私の体温はそんなに低くはないはずだ……。
 やはりただでもらえるものには、裏があるのであった。

終わり

著者近影

いわさき・みのる…写真家。1974年、宮崎県生まれ。東京工芸短期大学写真学科卒業、中国人民大学法学部卒業。95年から北京市に暮らし、同市を拠点に活動を続けるかたわら、アジアのフォトグラファーネットワークづくりなどに尽力している。
*現在ANAの機内誌「翼の王国」で、作家の原口純子さんと「中国万事通」を連載中です。

ホームページ:http://www.minoruphoto.com/japanesemainpage.htm

【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】 第25回

「定められた運命」に導かれた3人が放つPLΛTINUMな輝き

 「メルマガ北海道人」をご覧の皆さん、こんにちは。今回も【SAPPORO MUSIC LETTER】では素敵なミュージシャンの魅力をお伝えしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 このメルマガをご覧の方の中で、小学校に上がる前からの友だちとお付き合いがある方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。今日ご紹介するPLΛTINUMというガールズユニットの出会いは、彼女たちの幼稚園時代に遡ります。
 PLΛTINUMはヴォーカルのYUCCOさん、INAさん、MCのwakaさんの3人組です。3人は幼稚園時代からの知り合いで、同じ小学校に通っていました。共通の趣味は歌うことで、カラオケにもよく出掛けていたそうです。
 そんな3人に転機が訪れたのがYUCCOさんの「世界中の●●●(某有名ファストフード店)を食べに行こう」という一言でした。冗談か本気かわからないこの一言でしたが、INAさんもwakaさんも3日後には「一緒に行く」と決意して、音楽をするために貯めていたお金でチケットを購入。アメリカ本土・ハワイ・アジアを旅すること2年半、海外のクラブで歌うこともしばしばあったという3人は絆を深めていきました。
 帰国後は右も左もわからないままライブハウスに連絡をし、出演させてもらうお願いの電話をする日々がつづきます。

PLΛTINUMのwakaさん、YUCCOさん、INAさん

 「日本のクラブは……最初の反応はシビアでしたね(苦笑)」(waka)
 ヒップホップ全盛のクラブで、ヴォーカルをしっかり聴かせるスタイルは最初は馴染まなかったようですが、徐々にそのパフォーマンスが浸透していきます。その中で2ヴォーカル1MCという現在のスタイルが確立、今年4月にシングル「DEDICATED TO YOU」でメジャーデビューしました。
 「最初は自分の居場所……だれがハモリが上手くてだれがラップが得意なのかもわからなかったんですが、クラブで1年以上歌っている間にわかってきて今のスタイルになったんです」(YUCCO)
 作詞・作曲を担当しているYUCCOさんは、INAさんとwakaさんの得意領域を考慮しながら曲作りをしているといいます。その結晶が8月にリリースされた「サダメラレタウンメイ 〜Predestine 19〜」、この曲で「メロディアスで感動的なヴォーカル」と「凄まじい速さのラップ」の融合という、PLΛTINUMの独自性・本領が発揮されました。特にラップでは3つの展開が待っているというこれまでの常識を覆す構成で、すぐさま【SAPPORO MUSIC NAKED】の8月の推薦曲に決めてしまいました。そんなPLΛTINUMの新曲「LOVE」が11月4日にリリースされます。これまでにないしっとりとしたラヴバラード……このコラムで彼女たちに興味を持ったという方に、秋の夜長のお供にお薦めさせていただきます。
 3人の深い絆は定められた運命だったのでしょう。その絆・運命が作り出す楽曲からはPLΛTINUMな輝きが感じられるのです。

【PLΛTINUM ライブ情報】
・4pla Thanks LIVE
 2009.11.22(日) 
 札幌・cube garden 開場17:00/開演18:00
 ※完全招待制

 (HP)http://www.platinum39.com/

著者近影

橋場了吾…1975年札幌市生まれ。1998年同志社大学卒業後、札幌テレビ放送入社。ラジオディレクターとして「日高晤郎ショー」「ライブスピカ」等を担当。2005年同社を退社。以後広告制作プロダクションなどを経て、2008年株式会社アールアンドアールを設立し、札幌発の音楽情報WEBマガジン「SAPPORO MUSIC NAKED」を立ち上げる。「音楽で北海道を元気にする」を信条に、札幌にやって来たミュージシャンの取材を続けている。

「SAPPORO MUSIC NAKED」:http://www.sapporo-mn.com/

【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】 第38回

マルクス主義を超えていく道

 それまで「これがマルクスだ」と信じられてきた思想のなかに、まったく「新しいマルクス」を発見したのはルイ・アルチュセールだった。と、まあこれは大方の認めるところだろう。しかし、その「新しいマルクス」とは何かということになると、「これだ」ということが私にはできない。ひとことで言うにむつかし過ぎるということもあるが、マルクスの経済学批判もふくめて、その主著たる『資本論』を哲学として、それも「新しい哲学」として読む方法をアルチュセールは示したのだった言うことはできる。アルチュセールが編集した『資本論を読む』を読むとそういうことが分かる。
 たとえばその序文「『資本論』からマルクスの哲学へ」には以下のような叙述がある。この叙述は、さしずめ『資本論』を「新しい哲学」として読む手がかりになるに違いないと私は考える。
 「フロイト以降、われわれは、聞くとは、したがって話す(そして沈黙する)とはどう言う意味する]ことであるのかを洞察しはじめている。すなわち、話すことと聞くことの「言おうとすること」は、話し聞くという無邪気な姿の下に、無意識の語りの「言おう=とすること」といった二重底[新版――第二の、まったく別の語り、無意識の語り]のはっきりした深部を露呈させる。現代言語学は、言語活動のメカニズムのなかで、この二重底の形式的な効果と条件を考察している。私はあえて言いたい、マルクス以降、われわれは、少なくとも論理上は読むこと、したがって書くことが何を意味するのかを洞察しはじめなくてはならなかったのだと」
 さらにアルチュセールはこうも書いている。

千代田区('09.3月)

 「読むことの問題、したがって書くことの問題をはじめて提起したスピノザが、世界ではじめて歴史の理論と直接的なものの不透明性の哲学を同時に提起したひとであったこと、スピノザが世界ではじめて読むことの本質と歴史の本質を、想像的なものと真実のものとの差異の理論のなかに結合したこと、――この先例に照らして見れば、われわれは、マルクスが歴史の理論ならびにイデオロギーと科学の歴史的区別の哲学を創設することではじめて、マルクスになりえたことは必然的理由があったことが理解できるし、結局のところ、この創設が読むことの宗教的神話を払拭することで完成されることも理解できる」と。
 マルクスが『経済学批判』の序文で描いた図式――階級闘争をアウフヘーベンした結果新しい社会が生まれるという弁証法的図式が必ずしも現実にならないということ、これこそがアルチュセールの指摘する重層的決定の問題なのだろう。マルクスの描いた図式通りにコトは運ばないということをマルクスは知っていたに違いなく、そのことが『資本論』を未完にさせたとも考えられるのだが。階級対立を外部の要因によって説明すること、つまりスピノザ的論理によって説明することによってアルチュセールはマルクスの読み方を変えたのだった。
 しかし、その読み方の変更こそ、マルクスの意味に革命をもたらしたと私は考える。その後の哲学に新しい地平を切り拓いたのだから。アルチュセールによるマルクスの読み方の革命的変更がなかったならば、1960年代半ば以降の哲学はどんなにヤセ細ったものになったことかと思わざるを得ない。
 人間には本質などというものはない、もしあるとすれば、それぞれの時代における人間同士の関係だけがあるにすぎない――という間主観的人間という概念も、アルチュセールの読み方革命がなかったならばたどり着きはしなかったのであるまいか。
 もちろん廣松渉の功績もあった。マルクス主義を踏み越えていく展望は、おそらく廣松によって切り拓かれたとも思う。
 そういうことを考えていると、いつの間にかに夜は深くなり、もうしばらくは生きていたい気分になったりもするのである。

次号予告

 次号の配信は11月5日(木)です。昨年、手稲山に初冠雪が観測されたのは10月27日。次のメルマガが配信されるまでには札幌にも雪だよりが届くかもしれませんね。
 さて、次号のメルマガラインナップは、上林早苗の「上海日記」、「とろんのPAI通信」、若月元樹の「南の島から――沖縄県黒島の日々」です。
 お楽しみに!

※インターネットに接続するとメルマガ上の画像をご覧になれます。

メルマガに対するご意見・ご質問などはこちらまで
メルマガ執筆者へのメッセージもお待ちしております!
mailmag@prc.hokkaido-jin.jp

ポータルサイト『北海道人』
http://www.hokkaido-jin.jp/

※登録(または解除)は、こちら
http://www.hokkaido-jin.jp/mailmagazine/index.html

このページの先頭へ

バックナンバー

最新のメルマガ
第160回までのメルマガ
第140回までのメルマガ
第120回までのメルマガ
第100回までのメルマガ
第80回までのメルマガ
第60回までのメルマガ
第40回までのメルマガ
第20回までのメルマガ