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『メルマガ北海道人』第137号 2009.9.17.―「北海道人」、秋といえば―

 秋といえば、サンマ、シャケ、イクラ、ブドウ、ジャガイモ、カボチャ、新米、そしてジンギスカン! 
 ♪春は花見でジンギスカン、夏はキャンプでジンギスカン、秋はとにかくジンギスカン、収穫野菜でジンギスカン♪♪
 ほくほくのジャガイモやカボチャ、森の香りがするキノコといっしょに食べるジンギスカンは、秋の味です。皆さんは秋といえば何ですか?
 ♪シルバーウィークの晴天に、秋空の下でジンギスカン、焼き網あればなおグッド、サンマやシャケも焼いちゃって♪♪
 『メルマガ北海道人』第137号、やっぱり秋は食欲ということなんでしょうか配信!

もくじ

連載【岩崎稔の『大陸人の時間』】

 建国60周年の軍事パレードや式典のリハーサルが行われる週末には、ものすごい交通規制がしかれるという北京。普段なら5分の通勤に2時間もかかってしまったという声も聞こえてきます。そんななか、岩崎さんは通勤のために電気自転車を買いました。現在の中国の電気自転車事情とは?

連載【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】

 今回橋場さんが紹介してくれるアーティストは、Ao(アオ)です。札幌在住のバンドraison d’etre(レゾンデートル)が、名前を変えてメジャーデビューしました。Aoという名前の由来は? ミニアルバム『スペースオペラ』に収められているのはどんな曲? ライブは9月と10月にあります!

連載【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】

 「濡れにぞ濡れし」第35回は、「『間』について」です。「あいだ」ではなく「ま」、余白、空白などのことです。柿右衛門の「間」、芭蕉の「間」、相撲の「間」などなど、日本独自の美意識「間」について編集長・和多田進が語ります。

【岩崎稔の『大陸人の時間』】第68回

電動自転車購入

 北京は10月1日に控えた建国60周年の軍事パレードや、祝いの式典のリハーサルで、週末になるとものすごい交通規制がしかれる。市内の中心部を東西に通る大通り、長安街では、リハーサルがはじまるたびに通行止めになる。私の知人は長安街をはさんで職場の真向かいにあるマンションに住んでいるのだが、リハーサルがあった夜は普段なら5分の帰宅路を、2時間かけて迂回して家に辿り着いたといっていた。市中心部に住んでいる人にとっては毎週末、帰宅難民になってしまう心配がある。
 先日、当局は秘密裏に進めている軍事パレードの様子を海外メディアに公開した。といっても戦車やミサイルではなく、北京市郊外に臨時に建てられた閲兵村で行進の訓練をする兵士の様子だった。相変わらずギリギリまでどんな取材ができるか分からない。閲兵村に到着すると、兵士が暮らす部屋や食堂が公開された。だれもいない部屋はガランとしていて何もない。食堂では白衣に身を包んだ兵士たちが直立して我々を迎えてくれた。厨房に入ると白衣を着た大勢の兵士たちが餃子やケーキを人海戦術で作っている。まるでティム・バートン監督の映画『チャーリーとチョコレート工場』を見ているようだ。
 遠くの方で行進の練習をする兵士が見える。近づこうとすると、警備の兵士が道をふさぐ。我々のいる場所から陸海空軍の兵士は確認できたが、女性の兵士はどこにも見当たらない。女性兵士の練習風景を取材させてくれないかと聞くと「それはできない」ときっぱり断られた。これも国家機密なのだろうか。

建国宣言

 話は変わるが、国慶節が近づくにつれ、地下鉄の混雑が激しくなってきた。以前は地下鉄に乗る前にほぼ素通りの荷物検査しかなかったのだが、最近は荷物を念入りに調べたり、身分証の提出まで求めてくることがある。そのお陰で地下鉄駅は大混雑になる。ただでさえ新種のインフルエンザの流行が懸念される昨今、人の多いところには行きたくないのに、毎朝のラッシュは病弱な私にとって不安なことである。
 そこで先日、通勤のための自転車を購入することにした。中国は自転車王国である。私がはじめて中国を訪れた90年代中盤には、朝の通勤時は自転車が洪水のように走っていた。ここ十数年で地下鉄が発達し、マイカーが増えたため、自転車通勤はだいぶ減った。
 どんな自転車を購入しようか、インターネットで調べてみる。最近人気があるのは折りたたみ自転車のようだ。たしかに疲れたらタクシーに乗せて自宅まで帰れるから便利だ。街に出てどんな自転車が主流か見ていると、驚くことに半分の人は電動自転車に乗っていた。しかもものすごいスピードで走り抜けて行く。見た目も日本のスクーターのようで、バイクとほとんど区別がつかない。
 私はプランを変更し、電動自転車を購入することにした。専門店に行くとずらりと色々な電動自転車が並ぶ。私は2,000元(約2万6,000円)の小さめの電動自転車を購入した。自転車にはバイクと同じでアクセルとブレーキがついている。一応ペダルもついているが、電動自転車はとても重く、ペダルだけでこぐことはできない。飾りのようなものだ。早速試乗してみると、思った以上に早い。説明書には最高時速30キロから40キロと書いてある。私のイメージする自転車の粋を越えている……。
 電動自転車で通勤するようになって、こんなに環境にやさしい乗り物が北京でひそかに流行っていたのかと驚いた。日本で流行っていないのが不思議だ。しかし、時速30キロ以上で走る自転車など、日本では認めてくれないだろう。

終わり

著者近影

いわさき・みのる…写真家。1974年、宮崎県生まれ。東京工芸短期大学写真学科卒業、中国人民大学法学部卒業。95年から北京市に暮らし、同市を拠点に活動を続けるかたわら、アジアのフォトグラファーネットワークづくりなどに尽力している。
*現在ANAの機内誌「翼の王国」で、作家の原口純子さんと「中国万事通」を連載中です。

ホームページ:http://www.minoruphoto.com/japanesemainpage.htm

【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】 第22回

北の大地から幕を開ける壮大なる「宇宙歌劇」

 「メルマガ北海道人」をご覧の皆さん、こんにちは。今回も【SAPPORO MUSIC LETTER】では素敵なミュージシャンの魅力をお伝えしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 皆さんは札幌在住のraison d’etre(レゾンデートル)というバンドの名前を聞いたことはあるでしょうか? 2003年に結成し、2005年にリリースしたインディーズアルバム「セフィロト」が北海道内の多くのCD店でインディーズチャート1位を記録したバンドです。そのバンドがAo(アオ)と名前を変えてメジャーデビューを果たしました。
 Aoのメンバーはヴォーカル&ギターの安田貴広さん、ギターの長谷川聡さん、ベースの錦織勇気さん、ドラムの西佑太さんの4人。結成当初からのメンバーは安田さんのみで、他のメンバーは活動の途中で加わっていきました。
 まずは長谷川さん。安田さんが大ファンだったというギタリストで、長谷川さんのバンドが活動休止になったタイミングで声をかけ、加入することになりました。そして、次に加入したのが錦織さん。実は安田さんが遊びでやろうとしていたバンドで顔を合わせたのがきっかけでした。スタジオで錦織さんのプレイを見て気に入ってしまった安田さんは、バンド本体に錦織さんを勧誘、加入してもらうことになりました。最後に加入した西さんはraison d’etreのファンだったそうで、西さんの猛烈なアタックの末に加入することに。こうしてメジャーデビューへの地盤は固まっていきました。

安田さん(Vo&G)と錦織さん(B)

 メジャーデビューするタイミングでの改名は「元の名前が難しい」との理由で行われました。せっかくなのでものすごく簡単で覚えやすい名前にしようという4人の共通認識のもと、Aoというバンド名になりました。「Ao=アオ=青」というのは彼らの音楽性を色に例えたら何だろうという発想から生まれたそうです。
 Aoの奥行きのあるサウンドからはまず宇宙が思い起こされます。宇宙といえば地球の青、そして空の青……たしかに「名は音を表す」バンド名です。Aoのメジャーデビュー第1弾としてリリースされたのが6曲入りミニアルバム「スペースオペラ」です。
 「スペースオペラ」にはAoの音楽の幅を示すかのように様々なタイプの曲が収録されていますが、リードトラックとなっている「スペースオペラ」は彼らが目指している「年齢を問わず受け入れられるキャッチーなメロディ」が「奥行きのあるスペイシーなサウンド」で彩られた名刺代わりの1曲です。
 レコーディング作業などで半年近くライブから遠ざかっていた彼らが久々にライブを行います。
 「半年振りで相当なエネルギーが溜まっているのでこの想いをライブにぶつけます」(安田さん)
 このような素晴らしいサウンドを生み出した土壌が北海道にあることを、私たち北海道の音楽ファンは素直に誇っていいと思うのです。Aoというバンドの「宇宙歌劇」は、幕を開けたばかり……!

【Ao ライブ情報】
・夢チカLIVE VOL.54
 2009.9.26 (土) 
 札幌・KRAPS HALL 開場17:00/開演17:30
・レコ発ライブ
 2009.10.17 (土)
 札幌・ペニーレーン24 開場18:00/開演19:00

 (HP)http://www.sambafree.com/ao

著者近影

橋場了吾…1975年札幌市生まれ。1998年同志社大学卒業後、札幌テレビ放送入社。ラジオディレクターとして「日高晤郎ショー」「ライブスピカ」等を担当。2005年同社を退社。以後広告制作プロダクションなどを経て、2008年株式会社アールアンドアールを設立し、札幌発の音楽情報WEBマガジン「SAPPORO MUSIC NAKED」を立ち上げる。「音楽で北海道を元気にする」を信条に、札幌にやって来たミュージシャンの取材を続けている。

「SAPPORO MUSIC NAKED」:http://www.sapporo-mn.com/

【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】 第35回

「間」について

 十四代酒井田柿右衛門に『余白の美』(集英社新書)という著作がある。この標題になっている「余白」というのは、別の日本語で言えば「間」のことである。たとえば、話の「間」というときの「間」である。俳句で言えば「間」は切字だろう。イボ痔でなく切字である。
 「古池や/蛙飛びこむ水のおと」の「や」を切字という。「や」と「蛙…」との間には断絶があることが分かる。つまり、その断絶が「間」である。「夏草や兵共がゆめの跡」の「や」も当然のことながら切字で、「や」と「兵…」の間に断絶がある。「間」だ。
 柿右衛門様式といわれる焼物に描かれる絵では、「余白」が重要な役割をはたしている。丸い皿なり、梅なりなんなりには花と枝が描かれているようなことが多いのだが、図柄は決してシンメトリーにはなっていない。絵には大きな空白が用意されていて、その空白と描かれている花や枝は一体となって絵を作りあげている。空白が絶妙のバランスで「絵」を形成する役割を果たしているのである。
 「空白」「余白」「間」が柿右衛門にとって必要だということは、そこに描ききれないほどの事柄、意味が隠されているということなのである。だから、それらの空白はなにも無い「空白」とは違うのだ。描かれていてだれの眼にも見える花や枝を越える何か、描かれているもの眼に見えるものに匹敵するような何かが「空白」「余白」「間」にはたしかに存在しているはずなのである。

ロンドン('09.5月)

 相撲の立ち合いにも「間」がある。その「間」が駆け引きと勝負を決める大きな意味をもっていることは、日本人ならだれもが感じとっているはずなのだ。落語はもちろん、日常会話でも「間」はさまざまな意味・役割を内包している。「間」(沈黙)が会話の意味を変えてしまうことさえあるのは日常茶飯事だろう。それで誤解が生じて関係が断絶することもめずらしいことじゃないように思う。
 先ほどの俳句、「古池や蛙飛びこむ水のおと」で言えば、切字による心理的断絶は深く、その断絶(間)をどう感じとるかによって句の意味は違うものになってしまう。「間」を軽んじて受け取れば、カエルが古池に飛び込んで水の音がしたという、ほとんど意味のない、馬鹿じゃなかろうかという句意になってしまうのである。だからなんなんだ! という、名句でもなんでもない句になってしまうだろう。
 ところが、「や」の切字を十分に意識し、その前後の断絶を深く感知することができれば、カエルが池に飛び込む音を聞いたことによって、その音を聞いた人間の心の内になんらかの心理的な作用が起こったという句意になってくる。そう味わってはじめて芭蕉のこの句は名句となるだろう。だからこの句が俳句に革命を起こした句とされるのである。なにしろ、この句が現われるまで人間の生死や心理は俳句に登場することなどなかったのだから――。西洋絵画や西洋音楽に生身の人間が描き込まれる時代がやってきたのと同等の意味を芭蕉のこの句はもっているのである。この句の切字は芭蕉を今日まで俳人として残したとも言えるのだ。
 私たち日本人にとって、「間」は大きな財産だと思う。西洋的な美意識で言えばまったくバランスを欠いた「間」による私たちの美意識は、世界に誇るものだと考えなければならないだろう。茶室にも華道にも、もちろん「間」の美は生きている。つまり、一輪の花ははたして空間をうめるものなのか、それとも空間を空間として生かすために花は生けられるのか。茶も花も、そういう思想のうえに成立する美学なのである。
 「余白の美」に、私は改めて心から親近を感じる日々なのだ。

次号予告

 次号の配信は、9月24日(木)です。秋分の日の翌日、シルバーウィーク明けです。メルマガが配信される以外に、特別なことがない日ということでしょうか……。
 さて、次号のメルマガラインナップは、上林早苗の「上海日記」、「とろんのPAI通信」、若月元樹の「南の島から――沖縄県黒島の日々」です。
 お楽しみに!

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