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『メルマガ北海道人』第125号 2009.6.18.―「北海道人」、天使のはしごはどこに−

 ジメジメジーメージーメー♪ 最近思わずこんな歌詞を口ずさんでしまいました。詞はオリジナルですがメロディーは「ドナドナ」です。6月に入り、雨がちの日がつづきました。とくに週末の天気予報では傘マークが目立ち、いじわるされてる? と被害妄想に陥るほど。空いっぱいに広がる雲に念力で穴を……。念力が本物だったのか、今日は久々に晴れ間が見えています。雲間から射し込む帯のような光は、天使のはしごと言うそうです。これからは衛星画像の雲の動きからはしごが現われる場所を予測したいと思います。はしごを昇りきったらそこはいつも晴れですよね?
 『メルマガ北海道人』第125号、天使のはしごはどこに? 求む光、配信!

もくじ

連載【岩崎稔の『大陸人の時間』】

 6月4日で天安門事件から20年が経ちました。海外メディアの注目が集まる中、岩崎さんは天安門事件で息子を亡くした女性の取材に向かいます。また別な日は、近所の知り合いのところにジャージャー麺の作り方を習いに行きます。北京在住岩崎カメラマンの日常が垣間見える「大陸人の時間」第62回です。

連載【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】

 橋場さんが今回紹介するのは、SATOMI’(サトミ)さんです。もともと人前で歌うことが苦手だったというSATOMI’さんが、シンガーとしてデビューするまでの驚きのストーリーとは。彼女の素晴らしいヴォーカルが聴けるのは、7月5日の札幌でのイベントです。

連載【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】

 「人間の一生――ということ、その意味を頻繁に考えるようになった。」死がリアルな現実となりつつある、と語る和多田進が『茶湯一会』(井伊掃部=直弼)にある「深切実意」の「実意」という言葉に思いをかりたてられます。「濡れにぞ濡れし」第29回のタイトルは「一期一会と実意ということ」です。

【岩崎稔の『大陸人の時間』】第62回

日傘攻撃とジャージャー麺

 今年、中国は建国60周年を迎える節目の年である。その他にもダライ・ラマ亡命50周年などがあり、政府が神経をとがらせる年でもある。6月4日、その中でも海外メディアが最も注目する天安門事件20周年を迎えた。
 6月3日、天安門事件で息子を亡くした女性のマンションへ向かう。数日前に彼女を取材した際、「命日の3日は天安門広場近くの息子が殺害された場所へ追悼に行く」と語っていたが、朝から警察らにマンションを囲まれて軟禁状態にあるとの情報が入った。
 彼女のマンションの敷地に入る東、南、西すべての入り口で警備員が厳しい検査をしている。周りの道路にも公安車両が数台ずつ囲むように警備に当たっていた。敷地の周りを歩いていると敷地内に通り抜けられるパン屋を見つけた。パン屋を抜けて芝生を超えると敷地の中に入ることができた。しかし、すぐに私服警察とマンションの警備員に囲まれる。
 「どこから入ってきたんだ!」
 「パン屋から」
 「だれに会うんだ」
 「あなたには関係ないでしょう」
 やりとりをつづけていると、彼らの通報により制服を着た警察が現れ、マンションの管理室で取り調べがはじまる。警察の話では、私が敷地に入る際に住民が大切にしている敷地内の緑を踏みつぶしたという。謝罪文を書かされ、マンションを後にする。
 3日夜、息子を亡くした女性が訪れようとしていた場所に向かうと、すでに外国メディアと警察関係者らが押し問答をしている。かなり大きな声を上げ、私服の警察が退散をせまる。

日傘と天安門広場

 6月4日、朝から天安門広場へ向かう。すでに広場に入るための荷物検査を待つ旅行客らで列ができている。中に入ると警察と武装警察、私服を着た関係者らで広場は埋め尽くされている。しかも当局が要請したボランティアが日傘をさして広場に腰を下ろし、怪しい人物がいないか目を光らせる。写真を撮影していると警察官に職務質問される。私がジャーナリストであることを確認すると、「広場での取材・撮影は管理部門の許可がなくてはできない」と早く退場するよう迫る。写真はもう撮らないと告げ、広場を歩いていると日傘をさした警察官が数名私の後を付いてくる。数時間が過ぎるといらだった私服の警察関係者らが傘で私を追い払おうとわざとぶつかってくる。朝の新聞に最高気温37度と書いてあったが、たしかに熱い一日だった。
 某日、近所の知り合いのところに前から頼んでいたジャージャー麺の作り方を習いに行く。ジャージャー麺は北京の有名な家庭料理で、麺の上にキュウリや赤カブなどの生野菜とお湯に通した白菜、もやし、大豆などをのせて味噌を絡めて食べる。この料理は味噌の良し悪しで味が決まる。脂の乗った豚をたっぷりの落花生油でいためる。きざんだ生姜を入れて秘伝の味噌を数種類混ぜ合わせ、1時間火を通す。意外と大変な作業だ。仕事を抜けてきてくれた近所のおじさんはかなりの料理通で作業しはじめると止まらない。「私は麺も作ることができる」と中華包丁でキュウリを刻みながら語る。私は「麺の作り方はまた次回にお願いします」とジャージャー麺を試食して退散した。
 ジャージャー麺は味噌の程よいコクと塩加減で絶品だったが、なによりおじさんの優しさが感じられる、おいしい麺だった。

著者近影

いわさき・みのる…写真家。1974年、宮崎県生まれ。東京工芸短期大学写真学科卒業、中国人民大学法学部卒業。95年から北京市に暮らし、同市を拠点に活動を続けるかたわら、アジアのフォトグラファーネットワークづくりなどに尽力している。
*現在ANAの機内誌「翼の王国」で、作家の原口純子さんと「中国万事通」を連載中です。

ホームページ:http://www.minoruphoto.com/japanesemainpage.htm

【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】 第16回

感謝を伝えたい全ての人に贈る10代の集大成

 「メルマガ北海道人」をご覧の皆さん、こんにちは。今回も【SAPPORO MUSIC LETTER】では素敵なミュージシャンの魅力をお伝えしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 皆さんは学生時代、音楽の時間をどのように過ごされていましたか? 歌が好きで合唱でも大声で歌ってしまうタイプ、楽器の時には俄然やる気を出して張り切ってしまうタイプ、それから音楽に対しての苦手意識がありいつもうつむいているタイプ……いろいろあるかと思いますが、今日ご紹介するSATOMI’(サトミ)さんは「人前で歌うことが苦手なタイプ」だったそうです。
 SATOMI’さんは山口県出身の20歳。もともとはダンススクールに通っていて、人前で踊ることは好きでも歌うことは大の苦手にしていたといいます。ダンスレッスン中、そのSATOMI’さんに転機が訪れます。ある講師に「ちょっと歌ってみてよ」と言われて仕方なく収録した音源が、フランス・カンヌで毎年開催される世界最大級の音楽ビジネス国際見本市「MIDEM」の審査を通過、そこでライブパフォーマンスをすることになったのです。そのときが初のライブ体験となったSATOMI’さん、大勢のお客さんと拍手・照明の虜になってしまい、以後シンガーとしての道を歩みはじめます。
 その後は日本・イギリス両国でメジャーデビューを果たし、5月20日に10代に収録した音源をまとめた「The Best」をリリースしました。

 「The Best」を聴いていただければわかるのですが、とても人前で歌うことを苦手にしていたとは思えない堂々とした歌いっぷり、そして地声とファルセット(意識的に出す裏声)の声量が変わらないという素晴らしいヴォーカルパフォーマンスを聴かせてくれています。デビューしてから4年、歌声がどんどん深みを増し、立体的になっているのもわかると思います。
 「デビューしてから今まで濃い日々を送らせてもらったので、その分自然に声や感情の込め方が深くなっていったように思います。歌い方を変えようと思ったことはないんですが、レコーディングの時に曲の主人公になりきるための集中する時間がだんだん長くなってきましたね」
 そして全14曲中5曲に「You(もしくはU)」という“二人称”が使われています。
 「ここまで来られたのも皆さんのおかげだし、一人では無理だったことなので、『The Best』というのは感謝でできたアルバムです。その気持ちを伝えるために『あなた』という表現が多くなったと思います」
 そう、この「The Best」はSATOMI’さんが「感謝を伝えたい全ての人に贈る」アルバムなのです。
 先日20歳の誕生日を迎え、また一つ大人の階段を登ったSATOMI’さん。7月5日には注目の女性シンガーが集まったイベントに登場します。しっとりと聴かせるライブにしたいと語るSATOMI’さんがどのような歌声を聴かせてくれるのか、大変楽しみです。

【SATOMI’ライブ情報】
2009.7.5(日)
札幌・Sound Lab mole(札幌市中央区南3西2)
開場17:00 開演17:30
(HP)http://www.satton.jp/

著者近影

橋場了吾…1975年札幌市生まれ。1998年同志社大学卒業後、札幌テレビ放送入社。ラジオディレクターとして「日高晤郎ショー」「ライブスピカ」等を担当。2005年同社を退社。以後広告制作プロダクションなどを経て、2008年株式会社アールアンドアールを設立し、札幌発の音楽情報WEBマガジン「SAPPORO MUSIC NAKED」を立ち上げる。「音楽で北海道を元気にする」を信条に、札幌にやって来たミュージシャンの取材を続けている。

「SAPPORO MUSIC NAKED」:http://www.sapporo-mn.com/

【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】 第29回

一期一会と実意ということ

 人間の一生――ということ、その意味を頻繁に考えるようになった。ずーっとむかしから考えないわけではなかったが、六十歳を過ぎたころから、その頻度が増したように思う。死が、遠い彼方のことでなくなったという事情がそこにあるからに違いない。「いずれ」とか、「そのうち」とかといった抽象的な事実ではなく、死が私の身に切迫したものとして感じられるようになってしまったということである。つまり、それは私にとってリアルな現実となりつつあるということでもある。
 しかし、そうは言っても、過去のどのときよりもそうだということであって、まだそれは現実ではない。なにがしかの余裕がある。あるいは、それが動かぬ現実となるほとんどその一瞬前まで、この余裕はあるのかもしれないとも思う。どうだろう?
 考えても分からない。なにしろ、それは人生ただ一度の体験であるはずであり、伝承不能の事態なのだから。
 こう考えてくると、人生――、要するに生きていることの不思議なり意味なりに思いをめぐらすことは、そのまま死の不思議なり意味なりに思いをめぐらすことと同義であることに気づかざるを得ない。生と死は、まったく別の現象に見えるが、実は同じことなのではないかというふうに思えてくる。生は死とともにあり、死は生とともにあるのではないのか。ジャンケヴィッチだったと思うが、彼が「生と同時に死もまた終わる」と言ったのは、まことに至当であった。

新潟県十日町('03.7月)

  『茶湯一会集』(井伊掃部(いいかもん)=直弼)に以下の文言がある。

『茶湯一会集』(井伊掃部(いいかもん)=直弼)より

 「深切実意」の「実意」の語が私を切実な思いにかりたてる。この「いま」は、二度とふたたび存在するはずのない「いま」だという思いがあれば、それまで見えていた世界は変わるだろうと考えるのである。一期一会の認識は実意を呼び起こすに違いなく、実意なしに一期一会を知ることはできないだろう。一期一会は実意なしに体現できもしないはずなのである。
 いま私が吐いた息をつぎの瞬間に吸うことができるかどうか。いま吸った息をつぎに吐くことができるかどうかはだれも分からないのである。生と死の関係はそのようなものであり、そうであれば、私はどのように生きねばならぬのか――。
 一期一会の認識と実意ということ、それがいまのところの自分なりの人生に対する答えなのである。

インフォメーション ポータルサイト「北海道人」更新情報

e-道産品「逸品誕生秘話」―<株式会社MOVEの鶏醤らーめん>

今回『北海道人』が選んだこだわりの逸品は、株式会社MOVEの「鶏醤らーめん」です。逸品が誕生するまでの物語をご紹介します。

新しくて懐かしい――素材はすべて北海道産の「鶏醤らーめん」

鶏醤らーめん いままでにない北海道のラーメンができた。大豆粉入りの麺と鶏醤(けいしょう)を使ったスープの北海道ラーメンなんて聞いたことがないだろう。しかし、このラーメンはどこか懐かしい味がするのだ。

つづきはこちらから
e-道産品 北海道物産店こだわりの品

次号予告

 次号の配信は6月25日(木)です。1978年のこの日、サザンオールスターズが「勝手にシンドバッド」でメジャーデビューしました。来週こそはジメジメから開放されてサザンの曲を聴きたいですっ! シャラーラー♪
 さて、次号のメルマガラインナップは、上林早苗の「上海日記」、「とろんのPAI通信」、若月元樹の「南の島から――沖縄県黒島の日々」です。
 お楽しみに!

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