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『メルマガ北海道人』第123号 2009.6.4.―「北海道人」、歌いだしたくなる♪−

 セミ=夏、というイメージがありますが、初夏になったばかりのこのごろ、山からセミの大合唱が聞こえてくるようになりました。他のセミに先駆けて鳴いているのはエゾハルゼミです。この声を聞くと、体感温度が3度くらい上昇するような気がします。アツイ……。木々にはこんもり葉が茂り、気温が上がると、思わず歌いだしたくなるんでしょうか。そういえば春を過ぎてから「フンフン♪」と鼻歌を歌っている自分に気がつくことが何度かありました。歌っている人も見かけました。セミもヒトも思わず歌いだしたくなる、そんな季節なんですね。みなさんはもう歌いましたか?
 『メルマガ北海道人』第123号、本日は『オー・ソレ・ミオ』を熱唱しながら配信!

もくじ

連載【岩崎稔の『大陸人の時間』】

 中国に暮らして十数年、隣国や大陸全土を旅してきた岩崎さんですが、行っていない意外な場所があったそうです。台湾です。今回、馬英九総統の記者会見の取材などで台湾に行く機会が訪れました。そこで岩崎さんが体験したこととはいったい? 第61回のタイトルは「台湾カルチャーショック」です。

連載【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】

 今回橋場さんが紹介してくれるアーティストは、Nothing’s Carved In Stone(NCIS)です。元ELLEGARDENのギタリスト・生形真一さんが結成したNCISの音楽とは、ライブへの思いとは! RISING SUN ROCK FESTIVALへの参加が決定! 一足早く6月28日に札幌でライブがあります。

連載【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】

 文筆家が「なぜ書くか」という問題を自分につきつけるように、「なぜ撮るか」を問いつづけていくのが写真家の第一の条件だと考える、と和多田進は言います。「なぜ撮るか」――、その問いの答えは? 今回で「写真機携帯症患者の病状報告」はいったん終了し、次回からは本来の「濡れにぞ濡れし」にもどります。“本来”のです。

【岩崎稔の『大陸人の時間』】第61回

台湾カルチャーショック

 中国で暮らしはじめて早十数年、隣国や大陸全土を旅してきたが意外にも訪れたことのない場所があった。台湾である。以前は政治的に微妙な関係にある台湾には大陸からの直通の飛行機は無く、香港や九州、ソウルを経由しなければならなかった。ところが馬英九政権になり中台関係が回復すると、大陸の主要都市から直通便が飛ぶようになった。
 「いつか見てみたい」と思っていた台湾を訪れるチャンスが突然舞い降りてきた。台湾では昨年、8年ぶりに民進党から国民党に政権が変わった。一周年の節目に馬総統が海外メディア向けに開く記者会見やその他もろもろの取材もあり、なんとか台湾出張となった。
 北京から台湾系のエバー航空で台北へ向かう。中国では香港やマカオは国際線扱いで、もちろん台湾も国際線乗り場から搭乗する。はじめての街はいつも緊張するものだが、空港の雰囲気はどこか日本の地方空港のようでのんびりしている。
 タクシーに乗りこむと運転手が日本語で「こんにちは」と話しかけてきた。大陸では日本語で話しかてくる運転手は少ない。いたとしても「メシメシ」(ご飯のこと)「馬か野郎」など抗日映画で覚えた、中国人が演じる日本兵の言葉が多い。タクシーに乗っていきなり丁寧な日本語で話しかけられ、おもわず引いてしまう。たたみかけるようにタクシーに付いた小型テレビから日本の演歌がガンガン流れる。私も知らない昔の歌にびっくりしていると今度は運転手が歌い出す。
 ホテルのロビーでチェックインの手続きをする。受付の従業員3人とも日本語が堪能だ。笑顔で対応され、日本語で説明を受ける。大陸ではホテルの受付のなどはものすごく機械的であるか不機嫌かのどちらかだ。到着早々カルチャーショックを受ける。

儀仗兵と観光客

 街を歩いてみる。どこか日本の地方都市のようなつくりだ。モスバーガーやロイヤルホスト、セブン‐イレブンなど日系のレストランやコンビニが多い。なにより北京と比べてヒューマンスケールの街づくりがされていて歩きやすい。
 翌日、総統府で開かれる馬英九総統の記者会見に向かう。簡単な荷物の検査とパスポートの提出で記者証をもらい中にはいることができた。もちろん事前に登録をしておいたのだが、あまりにもすんなり中に入れ、取材場所にたどり着けたのでビックリした。
 台湾メディアの噂は聞いていたが、たしかに数が多い。とくにテレビ局が多く、どんな取材に行ってもテレビカメラがズラリと並ぶ。また、ニュースの専門チャンネルも多く、取材現場に行くと中継車が2、3台は止まっている。国民党系と民進党系のテレビ局に分かれているため、ニュースの切り口も極端に違う。中立なテレビ局は今のところまだ無いそうだ。
 数日後、台北市内で開かれた「国際人権フォーラム」に参加する。台湾で起きた228事件や北京の天安門事件、チベット族やウイグル族の人権に対して討論される。大陸では実現不可能なフォーラム、そして発言者の顔ぶれだ。
 最終日に台北の紀伊國屋書店によってみる。北京でも日本の書物が売られている本屋はあるが、台北の紀伊國屋は日本の本屋をそのまま移してきたような規模だ。しかも北京では手に入らない書物がずらりと並ぶ。何かとせわしくあっと言う間に過ぎてしまった出張だったが、ぜひまた訪れてみたいと思った。

著者近影

いわさき・みのる…写真家。1974年、宮崎県生まれ。東京工芸短期大学写真学科卒業、中国人民大学法学部卒業。95年から北京市に暮らし、同市を拠点に活動を続けるかたわら、アジアのフォトグラファーネットワークづくりなどに尽力している。
*現在ANAの機内誌「翼の王国」で、作家の原口純子さんと「中国万事通」を連載中です。

ホームページ:http://www.minoruphoto.com/japanesemainpage.htm

【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】 第15回

まっさらな石版に刻まれる「音楽」「ライブ」への熱き想い

 「メルマガ北海道人」をご覧の皆さん、こんにちは。今回も【SAPPORO MUSIC LETTER】では素敵なミュージシャンの魅力をお伝えしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 前回の【SAPPORO MUSIC LETTER】では北海道の夏の風物詩、「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2009 IN EZO」(以後RSR)の出演アーティスト「勝手にしやがれ」をご紹介しましたが、今回もRSR出場アーティストをご紹介します。それが元ELLEGARDENのギタリスト・生形真一さんが結成したNothing’s Carved In Stone(以後NCIS)です。
 NCISのメンバーは生形さんのほか、ヴォーカルの村松拓さん、ベースの日向秀和さん、ドラムの大喜多崇規さんです。それぞれ他のバンドで実績を残してきているメンバーが集結して結成されました。
 英語詞と日本語詞のバランス、激しいサウンドに乗るキャッチーなメロディで人気を博したELLEGARDENが活動休止を発表したのが昨年の夏。「バンドを形にするには時間がかかる」と感じていた生形さんはすぐに心当たりのあるミュージシャンに声をかけます。それがストレイテナーでも活動中の日向さんでした。
 「ストレイテナーでのベースも凄いんですけど、他のバンドでやっているベースも凄い。新しいバンドをやるなら彼と、と決めていました」
 その心意気を感じた日向さんはすぐに大喜多さんを紹介し、スタジオで曲作りをはじめます。思いのほか順調だったというスタジオでのセッションで、さっそく2曲が完成しました。
 「最初は不安でした。10年間同じバンドにいて、他のミュージシャンと波長が合うのかと……」

Nothing’s Carved In Stoneのギタリスト、生形真一さん

 その後ヴォーカルの村松さんを加え、NCISは正式に活動をスタート。5月6日に1stアルバムとなる「PARALLEL LIVES」をリリースしました。そこに詰め込まれている音楽はELLEGARDEN時代とは明らかに異質なもの……よりダークで、よりヘヴィで、よりテクニカル……しかしながらこれらの点について生形さんは特に意識はしなかったそうです。
 「メンバーが変わることで僕の内側から出てくる音が自然に変わったんだと思います。このバンドはライブで成長していく予感がしています」
 RSRへ出演するためにはライブの凄さが要求されます。はじめてのライブで関係者の目に留まり、RSRへの出演が決定したのはNCISのライブへの熱い思いが伝わったからなのでしょう。
 「ライブは凄く特殊な空間……ライブハウスで共有する1曲目の音を出した瞬間に感動する感覚が好きなんです。そういう経験をNCISでしてくれると、こんなに嬉しいことはないですね」
 バンド名のNCISを直訳すると「何も刻まれていない石版」。これはモーセの十戒から来ているのですが、その石版には「してはいけないこと」が刻まれていたといいます。その「してはいけないこと」が何も刻まれていないということは「何をしてもいい」ということ。音楽の無限の可能性を追求するNCISがこれからどのようなサウンドを石版に刻んでいくのか、期待は膨らむばかりです。

【Nothing’s Carved In Stone ライブ情報】
(1)2009.6.28(日)
札幌・ベッシーホール(札幌市中央区南4西6)
開場17:30 開演18:00
(2)RISING SUN ROCK FESTIVAL 2009 IN EZO
2009.8.15(土)
石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ(出演時間は後日発表)
(HP)http://www.ncis.jp/

著者近影

橋場了吾…1975年札幌市生まれ。1998年同志社大学卒業後、札幌テレビ放送入社。ラジオディレクターとして「日高晤郎ショー」「ライブスピカ」等を担当。2005年同社を退社。以後広告制作プロダクションなどを経て、2008年株式会社アールアンドアールを設立し、札幌発の音楽情報WEBマガジン「SAPPORO MUSIC NAKED」を立ち上げる。「音楽で北海道を元気にする」を信条に、札幌にやって来たミュージシャンの取材を続けている。

「SAPPORO MUSIC NAKED」:http://www.sapporo-mn.com/

【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】 第28回

写真機携帯症患者の病状報告(24)

 文章を書く人にとっての大問題は「なぜ書くか」だろう。職業としての文筆家で、その問題に直面しない人はいないのではあるまいか。記憶に間違いがなければ、サルトルにも吉本隆明にも大江健三郎にもそういう標題の文章があった。「なぜ書くか」――。
 写真家もまた文筆家と同じ問題を自分につきつけざるを得ないのに違いない。なぜ、自分は写真を撮るのか、撮りつづけるのか、撮らねばならぬのか――。そういう問いを自分に発しつつ生きていかねばならぬのが写真家だろうと思う。もっとも、名刺に「写真家」と印刷していても、そういう問いとは無縁に生きている人もあるいはいるのかもしれない。もしそういう「写真家」が存在するとすれば、それは私が考える写真家とは無関係、想像の埒外の人だという他ない。逆に言えば、「なぜ撮るか」を考えつづけている人が写真家なのだと言ってもいいと思う。上手とか下手とかの前に、まずそれが写真家であるか否かの分岐点、試金石、第一の条件だと私は考える。いろんな写真集を見たり、いろんな写真展を見たりしていると、なぜ撮っているのだろう、と。
 私の結論を言ってしまうと、それは、「なぜ撮るか」「なぜ書くか」の問題は、それぞれの人生の問題に収斂してしまうということだ。この問いは、なぜ生きるのか、どう生きるのかという問いと同義だということになるのである。

山口県萩市('09.3月)

 写真の場合で言えば、シャッターを一回押すごとに、それが自身の問いとなり、回答になってしまうということになるだろう。人間の悲しみや怒り、喜びや愛を「私」がどう感じているか、どう理解したか、それを撮るのが写真の行為なのではあるまいか。だから、写真における技術というのは、煎じ詰めればそれらを表現するのに必要な技術ということになる。そして、その技術は機械の進歩によってだんだん不必要になってもきている。写真を写す技術や知識がほとんどなくたって、それはほとんど写るような事態になってきているのである。
 この事態が良いとか悪いと言ってみたところで意味はない。銀塩写真が良くてデジタル写真が悪いとはいえないのである。もしそうなら、機械技術の進歩のうえに成り立ってきた写真そのものの否定になってしまうだろう。簡単に言って、ダゲレオタイプの撮影がいちばん良いということになってしまうのではあるまいか。もちろん、さまざまな技術の進展は、さまざまに人間の大切なあるものを失わせてしまうことがある。しかし、人間がその技術によってなにを失いなにを獲得したかという問題意識もなくてはならないだろう。なにも失わずに、人間の存続が保証されるというわけにはいかないのである。
 ともかく、「なぜ撮るか」を自らに問いつつ、私はまだまだ写真を撮りつづけていくはずである。それは、繰り返すが、なぜ生きるか、どう生きるかを問わないで生きていくことができないからである。それを問うこと、それが私の生そのものに違いないと思うからである。写真は私に人生の意味を少しずつだけれど教えてくれているらしい。
 ということで、とにかくいったん写真の話は終わりにしたい。次回からは自由に悪口雑言を書きつける本来の「濡れにぞ濡れし」にもどるとしよう。

インフォメーション ポータルサイト「北海道人」更新情報

<WEB絵本・鯨森惣七さんの「コレは、まちのゲー術だ。と叫びつつ、ちょっとずつ歩きまわる旅。」を更新しました!>

裕次郎きどりその8
 鯨森惣七さんが旅先で見て感じたことをイラストとエッセイで紹介します。ちょっとずつ歩きまわって今回たどり着いたのは石原裕次郎記念館のあたりです。裕次郎に憧れた少年時代に鯨森さんがタイムスリップ。旅の覗き見はクジラをクリック!

コレは、まちのゲー術だ。と叫びつつ、ちょっとずつ歩きまわる旅

次号予告

 次号の配信は6月11日(木)です。雑節では「入梅」にあたり、全国雨漏検査協会が制定した「雨漏りの点検の日」でもあるそうです。エゾ梅雨はいつころからなんでしょう。
 さて、次号のメルマガラインナップは、上林早苗の「上海日記」、「とろんのPAI通信」、若月元樹の「南の島から――沖縄県黒島の日々」です。
 お楽しみに!

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