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『メルマガ北海道人』第117号 2009.4.23.―「北海道人」、鼻先のにんじんは―

 来週には桜前線が北海道に上陸しそうです。札幌での開花観測日は、2008年が4月21日、2007年は5月4日でした。今年はその間くらいの開花になるのでしょうか。桜の花を思い浮かべると、心までピンク色になりそうなこのごろ。ゴールデンウィークを思えば、特別な計画がなくてもなんとなくウキウキしてしまいます。自分で選んだとっておきのにんじんを鼻先にぶらさげて、春風に誘われれば、駿馬のようにパカラッと駆け出したくなります。ああ、どこかから馬糞風――。
 『メルマガ北海道人』第117号、パカラッ、パカラッ、ブルルッ配信!

もくじ

連載【岩崎稔の『大陸人の時間』】

 ここ数回は、危険な体験談がつづいていた岩崎さんですが、今回は安心安全な一泊二日上海の旅です。中国各地への出張が多い中、上海に行く機会は意外と少なかったそうです。上海万博予定地の様子、コンビニやトイレ事情、世界第二位の高層ビルから見える夜景。北京に暮らす岩崎さんが感じたものは……。

連載【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】

 今回橋場さんが紹介するアーティストは、ソウルフルな歌声を聴かせてくれるシンガーソングライター・中澤信栄(なかざわのぶよし)さんです。GATZ(ガッツ)という名で音楽活動をつづけていましたが、本名にもどして4年半ぶりに新曲をリリース。日本人離れした規格外の大きさと橋場さんが語る彼のライブは6月です!

連載【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】

 前回、和多田進は、見るということには「目」で見るということと「脳味噌」で見るということの2つの意味があると書きました。今回、「他人に見せられなければ写真は写真になり得ない」と語るその本意は? 誕生のときからの写真の宿命とは? 4月11日に出した写真集「続 写真、えっ!」を見れば、「写真機携帯症患者」和多田進の病状がわかるかも……。

【岩崎稔の『大陸人の時間』】第58回

一泊二日上海の旅

 ここ数年、中国各地にやたら多く出張しているのだが、上海に行く機会が意外と少ない。上海に出張したとしても日帰りや一泊二日が多く、知り合いに会うことも、オシャレなレストランに行くこともほとんどない。もっとも北京でもオシャレなレストランにはなかなか行かないのだが……。
 先日、開幕まであと一年に近づいた上海万博の建設地を見学することができた。一泊二日ではあったが、街の様子などを写真に収める必要があり、久しぶりに上海の街を回った。そして、その変貌ぶりに驚かされた。
 上海万博の予定地はまだ工事中で、中国舘は形がハッキリ分かるまで骨組みができていたが、日本舘は下地ができた程度で外観はまだできあがっていなかった。なにより驚かされたのは警備員の数だった。二人一組の警棒を持った人たちが、あちらこちらにいる。まるで映画「マトリックス」にでてくる黒い服の悪者のようだ。テロの警戒なのか、抗議活動でもあるのか、工事現場をこれほどの人たちが警備しなければいけない訳は最後まで分からなかった。
 市内へ戻るタクシーの中で、運転手に上海万博について聞いてみる。
 「いやー、来年はお客が増えて助かる。自分の街で開催されるんだ、そりゃ嬉しいよ」
 ごもっともな意見だ。ほんの少し万博の盛り上がりを運転手から感じた。

夜景

 市内を歩いていて驚いたのがコンビニの多さだ。上海には日系のコンビニが多い。北京にもセブンイレブンがあるが、売っている品物が意外と中国風である。上海のローソンに入って驚かされたのは無糖のウーロン茶だ。中国では冷たいウーロン茶や緑茶は甘い味がして、日本のウーロン茶とは少し違う。何でこんなに甘いものを飲むのだろうと不思議に思っていたが、今回訪れた上海のコンビニでは無糖ウーロン茶が幅を利かせている。やっぱり中国人もあの甘いウーロン茶を本当は美味しいと思っていなかったのだろうか……。また、上海のローソンでは北京にはないコロッケなどの揚げ物類まで充実していた。
 毎回上海に来ると驚かされるのがトイレだ。今回もオフィスビルのトイレに行こうとすると、パスワードが必要だと言われた。何だか恥ずかしいが、しかたなく女性のスタッフにトイレの番号を尋ねる。トイレの扉には暗証番号を押す所があり、ピッポッパと番号を押すと扉が開く。緊急にもよおしたらどうするのだろう……。都会は恐ろしい。
 夜に訪れたのが昨年完成した「上海環球金融中心」である。日本の森ビルグループのプロジェクトで、地上101階、高さ492mは今のところ世界で二位の高層ビルだそうだ。以前、その隣に建つ金茂大廈には上ったことがあったのだが、いつの間にかそれを越える巨大なビルが完成していた。150元(約2000円)という中国では少し高い入場券を買ってエレベーターで一挙に94階まで上る。94階でエレベーターを乗り換え、100階に到着するとガラスの向こうに上海の夜景が広がる。まさに私は田舎から出てきたお上りさん状態だ……。「隣の金茂大廈は、昨年までは中国一高い高層ビルとして持てはやされてきたのに、きっと入場券を買って上る人は減っただろなー」などと考えながら隣の高層ビルをしみじみ眺める。上海の夜景は北京で暮らす私にとって、同じ中国の風景とは思えないぐらい、煌びやかであった。

終わり

著者近影

いわさき・みのる…写真家。1974年、宮崎県生まれ。東京工芸短期大学写真学科卒業、中国人民大学法学部卒業。95年から北京市に暮らし、同市を拠点に活動を続けるかたわら、アジアのフォトグラファーネットワークづくりなどに尽力している。
*現在ANAの機内誌「翼の王国」で、作家の原口純子さんと「中国万事通」を連載中です。

ホームページ:http://www.minoruphoto.com/japanesemainpage.htm

【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】 第12回

規格外の音楽センスが手繰り寄せた「夢物語」のつづき

 「メルマガ北海道人」をご覧の皆さん、こんにちは。今回も【SAPPORO MUSIC LETTER】では素敵なミュージシャンの魅力をお伝えしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 今日はソウルフルな歌声を聴かせてくれるシンガーソングライター・中澤信栄(なかざわのぶよし)さんをご紹介します。3月18日にファーストシングルとなる「夢物語」をリリースしたのですが、その歌声を聴いて「どこかで聴いたことがあるかも?」と思う方も多いと思います。
 中澤信栄さんは“GATZ(ガッツ)”という名で、日本のR&B界に彗星の如く現れたシンガーソングライターでした。その恵まれた体躯から繰り出される、日本人離れした力強い歌声とリズム感が話題を呼び、ここ北海道でも多くのライブを行っています。その彼が本名の中澤信栄として、CDをリリースしました。
 中澤さんはGATZとしての音楽活動を10年近くつづけてきましたが、2007年に転機が訪れます。それがDreams Come True(以後DCT)が主宰する「ドリカムワンダーランド」のバッキングヴォーカルのオーディションです。知人の誘いで受けてみたところ、3000人を超す応募者の中から見事合格し、DCTとともに全国を回るようになりました。
 「『ドリカムワンダーランド』で行った場所は全部、GATZとしてソロでライブを行ったことのある場所だったんです。自分が弾き語りで回ったときはお客さんが少ない場所もあったんですが、『ドリカムワンダーランド』で行ったときにバックの僕に『GATZ!』と声をかけてくれる人がいて……。正直、嬉しくて涙が出ました」

 そんな中澤さんが本名に戻してリリースした「夢物語」は、GATZ時代も含めて4年半ぶりのリリースになります。リフレッシュした気持ちで歌を届けたいということで本名にしたそうです。その「夢物語」ですが、イントロのギターのカッティング、そこに絡む中澤さんのシャウト、印象的なサビのメロディ、ファンキーでロックなサウンド……すべてにおいてGATZ時代の雰囲気をそのままに、かつさらに上質な楽曲として完成した1曲です。カップリングにはミドルテンポの曲、ラブバラードと「夢物語」とは違った一面を見せる2曲を収録。中澤さんのミュージシャンとしての幅の広さを感じさせてくれる1枚になっています。
 実は中澤さんとはかつて、一緒にラジオ番組をつくり、私が担当していたライブイベントにも出てもらった仲。その時に感じた、日本人離れした規格外の大きさ……これは体格だけでなく(笑)、ミュージシャンとしての才能に感じたものです。
 「30歳を過ぎてまたイチからリリースして……こうやって昔から応援してくれる人が、今も応援してくれることに本当に感謝しています」
 DCT以外にも佐藤竹善さん(SING LIKE TALKING)やSKOOP ON SOMEBODYのライブやレコーディングにも参加している中澤さん。彼はホンモノのミュージシャンが認める「ミュージシャン・オブ・ミュージシャンズ」です。これからは中澤信栄として、その無限大の可能性を「夢物語」ではなく現実にしていってくれることでしょう。

【中澤信栄 ライブ情報】
中澤信栄アコースティックツアー「NAKAZAWA!!2009」
2009.6.15(月)
くう(札幌市中央区南1西20/詳細後日発表)
(HP)http://www.nakazawanobuyoshi.com/

著者近影

橋場了吾…1975年札幌市生まれ。1998年同志社大学卒業後、札幌テレビ放送入社。ラジオディレクターとして「日高晤郎ショー」「ライブスピカ」等を担当。2005年同社を退社。以後広告制作プロダクションなどを経て、2008年株式会社アールアンドアールを設立し、札幌発の音楽情報WEBマガジン「SAPPORO MUSIC NAKED」を立ち上げる。「音楽で北海道を元気にする」を信条に、札幌にやって来たミュージシャンの取材を続けている。

「SAPPORO MUSIC NAKED」:http://www.sapporo-mn.com/

【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】 第25回

写真機携帯症患者の病状報告(21)

 ここまでの話は、見るということには二つの意味があるということであった。それをふまえたうえで、少し話しの方角を変えよう。
 「写真」というとき、ひとは一枚の紙焼き、オリジナルプリントをまず思い浮かべるに違いない。これまでの叙述も、それを念頭に論じてきた。しかし、写真というとき、私たちは一枚のオリジナルプリントだけをイメージしているのではないだろう。もちろん、(1)オリジナルプリント一枚を写真という。しかし、(2)写真展に展示されている写真群も写真だし、(3)写真集として編まれた写真も写真だというのではないか。
 つまり、「写真」は以上のような見せられ方をして私たちに見られ、「写真」となるのである。(2)と(3)はなんらかの意図をもって編(集)まれたものであり、(3)は写真もどきの印刷物であって真正の「写真」ではない。写真のようなものを写真に見立てさせ、何ごとかを伝えようとするのが(3)の写真集なのである。
 以前も書いたことだが、写真は、まず撮影され、撮影されたもののなかから選ばれて人々に見せられて写真となる。それが一枚のこともあれば複数枚(写真展)になる場合もあり、印刷物にされて流布する(写真集)ということもある。つまり、写真はその誕生のときから選ばれるという宿命にある。選ばれる写真の側から言えば、「選ばれてあることの 恍惚と不安と 二つわれにあり」(ヴェルレーヌ)ということになるのだろうか。

東京・江東区北砂('09.2月)

 撮影され、選ばれ、見せられて、それでようやく写真の運命が完成するというわけだ。ということは、他人に見せられなければ写真は写真になり得ないということでもある。小説も絵画も、書かれ描かれただけでは無いのと同じだろう。相撲をとらない相撲取りは相撲取りとは言えまい。ドロボーをしないドロボーはドロボーじゃないのと同じことである。写真も、他者の眼に触れてはじめて写真となるのである。
 さてそこで、一枚の写真、オリジナルプリント一枚のことから考えてみよう。一枚の写真は、この広い宇宙、地球上のある一点を切り取ったものである。科学用の撮影(写真)のことはいま考えないにしても、写真はある空間(三次元世界)を切り取って写す。ということは、切り取られた以外のところは写らないということでもある。撮影者は、広大無辺の空間から、切り取る空間を選んだということになる。選んだ、ということは、撮影者がそのように意志したということと同義でもある。
 理由はどうあれ、彼は広大な空間からその空間、撮影すべき空間を選んでシャッターを切ったのである。そして、シャッターを切ったその時、彼はその空間のその時、要するに時間をも切り取ったのである。写真機は、その空間のその時を撮影し、フィルムなりメディアなりに記録したということである。
 このとき、脳味噌が働いたということである。目と脳の視覚が、ほとんど遅滞なく働いたということなのである。

■ポータルサイト『北海道人』更新情報

「私の好きな店」File.No.08

「Sagra(サグラ)」―イタリアン―

第8回目は「DINING SPACE TAKU」の店主・渡邉さんの「私の好きな店」をご紹介します。

「私の好きな店」File.No.08

次号予告

 次号の配信は、4月30日(木)です。桜の開花ウエーブはどこまで押し寄せているでしょうか。まさに桜ウェーブのなかにいるかもしれませんね。
 さて、次号のメルマガラインナップは、上林早苗の「上海日記」、「とろんのPAI通信」、若月元樹の「南の島から――沖縄県黒島の日々」です。
 お楽しみに!

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