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『メルマガ北海道人』第113号 2009.3.26.配信 ―「北海道人」、北国の春は―

 ぽかぽか陽気の日がつづいたので、そろそろ春物コートの準備をしようと思っていたら、次の日は「寒のもどり」でしょうか、雪と寒さで厚手のコートのお世話になりました。こんなことを何度か繰り返しながらジワジワと春に近づいていくものだとはわかっているのですが――。気持ちはウサギのようにスタスタ先に進み、足取りはカメのようにのんびり。北国の春はじれったい、でも待ちわびて待ちわびて、格別な味わいになるのかもしれません。
 『メルマガ北海道人』第113号、週一回配信はウサギのペース? それともカメのペース? 配信!

しみずあきこさんの「恋愛運アップの風水術『桃花風水』」4月 4月の「桃花風水」

もくじ

連載【岩崎稔の『大陸人の時間』】

 今回の出張は忘れられないものとなったという岩崎さんですが、忘れられない理由とはいったい? チベット族の街を目指したその途中で、街で、岩崎さんを待ち構えていたのは……見知らぬ女性からの不思議な電話、おびえる運転手、小銃を抱えた警察。第56回のタイトルは「恐怖の出張」です。

連載【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】

 今回登場するアーティストは、北海道出身のバンド・TRIPLANEです。かつて担当していたライブイベント番組で、彼らのファーストライブに立ち会ったという橋場さんの思い入れのあるバンドです。成長した姿は、4月18日にZepp Sapporoで見られます!

連載【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】

 「現実」を「写真」に、三次元を二次元にするという写真行為を楽しむ私――この不思議な存在について、ヘーゲルの『精神哲学』の言葉を用いて考察していく和多田進ですが、謎はさらに深まってしまうような。ヘーゲルの登場で今回の「濡れにぞ濡れし」の難易度は5段階評価でいうところの「6!」 です。

【岩崎稔の『大陸人の時間』】第56回

恐怖の出張

 先日の出張は私にとって忘れられないものとなった。
 3月10日でダライ・ラマ14世がインドに亡命した「チベット動乱」から50年目、3月14日で昨年ラサで起きた僧侶や市民の暴動から1年を迎えた緊張の高まるチベット自治区周辺の街へ向かった。
 厳しい検問は予想していたが、行く先々でことごとく公安関係者に追い返された。街に入れない理由は、決まって“外国人の安全を守るため”とマニュアル通りの答えだが、“街は安全ではないのか”と聞くと、“いたって安全だ”と言う。
 四川省でもチベット族の住む街を目指した。すでに夜の10時を回っていたが現地で車をチャーターして目的地へ向かう。チベット族の住む街は標高の高い山奥にある。真っ暗な山道を4時間走ったところで運転手が突然車を止めた。
 私はすっかり眠っていて気づかなかったのだが、道中いくつも検問があり、なんとか通り抜けてここまで来たらしい。他の運転手から、目的地の街に入る最後の検問はものすごく厳しいので外国人は入ることはできない、と聞いたらしく、彼はひどく怯えている。ここで降りるわけにはいかないので、とりあえず他の車が見つかる場所まで連れて行ってくれないかとお願いする。すると運転手の携帯電話が鳴った。
 「いまどこですか?」
 「○○街に向かっているところですが、あなたはだれですか?」
 「………」
 「あなたはだれですか?」と言って運転手は電話を切った。
 「知らない人だ、女性だった」と怯えながら話す。

街角

 彼の車に外国人が乗っていることを当局が察知したらしく、公安関係者が運転手の電話番号を洗い出し、電話をしてきたようだった。
 真っ暗闇の山道で運転手の携帯電話が何度も鳴る。しかも着信音はテレビドラマ『世にも奇妙な物語』のテーマソングにそっくりで、よけいに恐怖心をあおられる。夜中の1時すぎ、重たい空気が車内を包む。運転手は震えた声で「もう金は要らないから降りてくれ」とまで言い出した。
 私は次の車を見つけ、近くの町で宿を探すことにした。小さな町を一周し、開いている宿を探していると、突然前に車がつけられ、小銃を抱えた10人ほどの警察官にあっという間に取り囲まれてしまった。
 「車から降りろ、身分証明書を出せ!」
 小銃を抱えた警察は暗闇の中で威嚇するように怒鳴る。身分証を確認後、さらに2時間外国人担当の役人が来るのを待たされる。
 「ここから先は雪もあり道が危険です、今すぐ帰ってください」
 相変わらず取ってつけたような理由だが、既に明け方4時、とにかくこの町に泊まると言って宿に向かう。タクシーを捕まえようとすると、公安関係者に阻止され、乗せてもらえない。宿に着いて少しすると受付の電話が鳴った。宿の女性は、先ほどまで部屋はあると言っていたのに、電話に出た後、部屋はないと急に態度を変えた。
 その後、なんとか見つけた宿で数時間睡眠をとった。翌朝9時、大勢の客が入ってくるから今すぐチェックアウトしてくれと係員に言われる。12時まで待ってくれないかと言うと、警察が乗り込んできて、不法にホテルに泊まった、と今度は因縁をつけられる。
 最終的には、当局の用意した車で成都まで送り返されることになった。

終わり

著者近影

いわさき・みのる…写真家。1974年、宮崎県生まれ。東京工芸短期大学写真学科卒業、中国人民大学法学部卒業。95年から北京市に暮らし、同市を拠点に活動を続けるかたわら、アジアのフォトグラファーネットワークづくりなどに尽力している。
*現在ANAの機内誌「翼の王国」で、作家の原口純子さんと「中国万事通」を連載中です。

ホームページ:http://www.minoruphoto.com/japanesemainpage.htm

【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】 第10回

「アイデンティティ」を体現した楽曲に込められた7年越しの想い

 「メルマガ北海道人」をご覧の皆さん、こんにちは。今回も【SAPPORO MUSIC LETTER】では素敵なミュージシャンの魅力をお伝えしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 卒業シーズンも終了し、今は新生活への準備を進めている方も多いと思います。中には北海道外での新生活がスタートする方もいらっしゃることでしょう。そういえば、私が大学進学のために北海道から京都へ引っ越したのも15年前の今ごろでした。
 その時に北海道を離れてみて改めて思ったことは「北海道は何と住みやすい場所なのだろう」「自分は北海道が大好きなんだ」ということでした。もちろん故郷ということもあり住み慣れているという部分もあったと思いますが、離れてみてはじめてそれらに気づいたように思います。
 今日ご紹介するTRIPLANEというバンドは2002年に札幌で結成された、北海道出身ということを誇りにして頑張っているバンドです。メンバーは同級生でもある3人……江畑兵衛さん(ヴォーカル&ギター)、武田和也さん(ベース)、広田周さん(ドラム)、そして川村健司さん(ギター)です。
 2002年のある日(当時私はSTVラジオで「ライブスピカ」というアマチュアミュージシャンのライブイベント・番組を担当していたのですが)、1本のテープが届きました。録音状態も悪く何を歌っているのかわからない……残念ながらそのテープでは審査に通らずイベントへの出場は見送ることとなりました。しかし、数日経って再び同じ送り主からテープが送られてきました。録音状態もよくなっており、歌詞も鮮明に聴こえます。しかも何より素晴らしい歌声とメロディ……何百本というオーディションテープを聴いてきた中でも白眉だったため、すぐに電話をしました。

実は筆者が教育実習生時代の教え子だった江畑兵衛さん

 「実は僕たちライブの経験がないんですが、それでもいいんですか?」
 送り主はこう言いました。でもこれも何かの縁だと思い、イベントに出てもらうことにしました。それがTRIPLANEのファーストライブだったのです。
 そのファーストライブから7年……彼らはワンマンライブとしては初となるZepp Sapporoのステージに立ちます。デビューする前には数十人しかいないお客さんにお手製のCDを配っていたバンドがオリコンの常連になり、ペニーレーン24でのライブをSOLD OUTにするくらいに成長し、そして北海道のバンドの聖地Zepp Sapporoに辿り着いた……この時間をずっと見てこられたことを大変光栄に思います。
 先日、作詞・作曲を担当している江畑さんにこんなお話を伺いました。
 「最近いろいろなところで『TRIPLANEにとって北海道とは何ですか?』と聴かれるんですが、これほど『アイデンティティ』という言葉の意味がわかるものはないんですよ。自分の『アイデンティティ』を象徴しているもの、自分が自分である、自分の存在を確認する場所。それが僕にとっての北海道なんです」
 北海道の空気を吸って育ったバンドが北海道のことを歌った曲で全国のファンに支持され、ライブで揉まれ、成長した姿でZepp Sapporoのステージに立ちます。TRIPLANE(「三翼機」という意味)のフライトは、さらに大きな翼とともにずっとつづいていくことでしょう。

【TRIPLANE ライブ情報】
TRIPLANEワンマンLIVE TOUR2009“君に咲くうた”
2009.4.18(土)
Zepp Sapporo(札幌市中央区南9西4/開場17:00・開演18:00)
(HP)http://www.triplane.jp/index.html

著者近影

橋場了吾…1975年札幌市生まれ。1998年同志社大学卒業後、札幌テレビ放送入社。ラジオディレクターとして「日高晤郎ショー」「ライブスピカ」等を担当。2005年同社を退社。以後広告制作プロダクションなどを経て、2008年株式会社アールアンドアールを設立し、札幌発の音楽情報WEBマガジン「SAPPORO MUSIC NAKED」を立ち上げる。「音楽で北海道を元気にする」を信条に、札幌にやって来たミュージシャンの取材を続けている。

「SAPPORO MUSIC NAKED」:http://www.sapporo-mn.com/

【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】 第23回

写真機携帯症患者の病状報告(19)

 写真を撮りながら、「これは単なる移し替え作業なのではないか」と思うことがある。「現実」(三次元)を「写真」(二次元)に移し替えるという意味だが、どうすれば「現実」は「写真」になるかということを考えつつ写真を撮っているわけだ。ほとんど無意識に「現実」を「写真」にする作業を楽しんでいるように思う。
 ヘーゲルは、「感覚は精神が意識も悟性ももたない自分の個体性のなかで行うおぼろげな営為の形態である」(『精神哲学』)と言った。そう言われてみると、感覚はたしかにそういうものだろうという気がしないわけでもない。
 ヘーゲルは「五感」についても言う。結局のところ、それら「感官の概念の契機は単に三つあるにすぎ」ないのだと。「自然的に三種類の感官に還元される」(同前)のだと。ひとつは「物理的観念性の諸器官によって」、ひとつは「実在的差異によって」、ひとつは「地上的全体性」の感官である。
 「物理的観念性の諸器官」によるのは視覚や聴覚などであり、「実在的差異」によるのは臭覚と味覚、「地上的全体性」の感官とヘーゲルが言うのは感情(触覚)ということである。要するに、いろいろ端折って言えば、「感ずる心」が「五感」を考える重要ポイントだと言っているのらしい。
 私の問題意識にこれらのことを引き寄せて言えば、「現実」を「写真」に移し替える作業の契機は「感ずる心」だということになる。ヘーゲルは「感ずる固体は感覚作用の単純な観念性であり、主観性である」(同前)とも言っている。では、彼の言う観念性とはどういうことだろうか。

東海道新幹線('03.7)

 「観念性は実在的なものの否定である。しかし実在的なものは、たとい実在していないにしても、同時に保管され、潜在的に維持されている。これが観念性の規定である。そしてこの規定は、他のどこにおいてよりも心の理解のために、且つなおいっそう多くの精神の理解のために、最も本質的に固持されるべきである。(略)各個人はもろもろの感覚規定・もろもろの表象・もろもろの知識・もろもろの思想から成っている無限な富である。しかし私はそれにもかかわらず一つの全く単純な私である。――いいかえれば私は、これらすべてのものを実在させないで自分のなかに保管しているところの、規定をもたない一つの堅坑である。私は、私が或る表象を想起するとき始めて、その表象をあの内面から引き出して意識の前に実存させる」(同前)
 「私」は「観念性」によって出来上がっている。そして、そういう「私」が、「現実」を「写真」に移し替えるのである。要するに、三次元世界を二次元世界に移植するのである。しかし、「私」はどうしてそんなことをしたいのだろうか? どうしてそんなことをしようと考えるのだろうか?
 あるいはまた、「私」でない他者(他者自身もまた見方を変えれば「私」であるのだが)は、それを、移し替えられた結果を見たいと望んだりするのだろうか。
 これは実に、私にとって謎という他ない事態ではある。

ポータルサイト『北海道人』連載
和多田進の「ときどき北海道」

ポータルサイト北海道人更新情報

北海道人「食のサポーターがゆく!」を更新しました。

<「第3回 北海道食のブランドフェスタ」09年3月2日>

不況に光る北海道の食の魅力を再発見
―北海道洞爺湖サミットの追い風を商機に―

 『北海道食のブランドフェスタ』は、2006年度から道内各地で展開された「食のブランド発見交流会」の拡大版としてはじまり、今年で3回目を迎える。首都圏で活躍する北海道出身の人気シェフたち総勢11名の“食のサポーター”や全道各地の生産者がこの日のために駆けつけた。

つづきはこちら
食のサポーターがゆく!「第3回 北海道食のブランドフェスタ」

次号予告

 次号の配信は、4月2日(木)です。新年度のはじまり、入学式間近の期待と不安が入り混じったなんともいえない4月の上旬です。
 さて、次号のメルマガラインナップは、上林早苗の「上海日記」、「とろんのPAI通信」、若月元樹の「南の島から――沖縄県黒島の日々」です。
 お楽しみに!

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