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『メルマガ北海道人』第109号 2009.2.26.―「北海道人」、ふんわり雪に梅の花―

 ふんわりと雪が積もったある日、道の端っこに、ぽつぽつと梅の花が咲いていました。梅の花は家の庭を横断し、雪の山の向こうへつづいていました。これは! と思い、かつお節ごはんを入れた皿を通り道に置いてみたところ、翌日、皿のまわりにたくさんの梅の花が咲いていました。梅とかつお! かつお節風味の梅があるくらいですから、引かれ合って当然なのでしょう。梅の花見たさに毎日かつお節を置いても、主の姿を見ることはなく、ごちそうさまがわりに梅の花がぽつぽつあるだけ。なんだかつれない。でも置かずにいられない……。
 『メルマガ北海道人』第109号、梅の花の主は、黒・白・茶、それとも梅色?配信!

ポータルサイト『北海道人』で、しみずあきこさんの「恋愛運アップの風水術『桃花風水』」がスタートしました。3月の「桃花風水」はこちらから! 3月の「桃花風水」

もくじ

連載【岩崎稔の『大陸人の時間』】

 岩崎さんが日本代表に選ばれました。何の代表かというと、チベットのラサを取材するメディアの日本代表です。昨年の暴動で記者としてのチベット訪問をあきらめていたという岩崎さんにチャンスが訪れます。「大陸人の時間」第54回のタイトルは「ミステリーツアー・イン・チベット(上)」です。

連載【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】

 今回橋場さんがピックアップするアーティストは、ラップユニット、エイジアエンジニアです。ユニークな名前にこめられた彼らの思いとは? 環境問題に熱心に取り組んでいるというエイジアエンジニアの音楽、活動などについて紹介します。3月8日(日)に札幌でライブが行われます!

連載【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】

 前回、写真家が写真を撮ったり、彫刻家が塑像を作ったりするわけは、対象となるそれに触りたい、それを保存したいからではないか、と語った和多田進は今回、「それでは、いったい『写真家』は何を見ているのだろうか?」という問いを立てます。見つめられた被写体に穴があきそうな……、その穴に何かひそんでいそうな……。

【岩崎稔の『大陸人の時間』】第54回

ミステリーツアー・イン・チベット(上)

 チベットをはじめて訪れたのは1996年の夏だった。パキスタンの北部にあるフンザを目指して北京を出発、新疆(しんきょう)のトルファンにたどり着いたところで、大雨で道が水没し、足止めを食らってパキスタンに入ることを断念した。小さな中国製の地図を眺めているうちに、北京から北上してチベットを通過し、ネパール・インドと経由すればパキスタンまで行ける……という途方もない計画を思いつき、甘粛省のゴルムドからヒッチハイクでラサに向かったのが最初のチベット旅行だった。
 はじめてラサのポタラ宮を目にしたときは、高山病の苦しみと、たどり着くまでの道のりの険しさから、涙が出たのをいまでも鮮明に覚えている。見るものすべてが新鮮で、海抜3700メートルに位置する街を、息を切らしながら朝から晩まで歩いた。毎日坊さんたちと睨めっこしたり、曼荼羅を眺めたり……。思いつきで訪れた街に一気に魅了された。それから数度チベットを訪れていたが、昨年起きたラサでの暴動で、もう記者の身分ではチベットを訪れることができないだろうと諦めていた。
 ところが突然、ラサに行くチャンスが舞い降りてきた。日本代表として、私の契約している通信社から二名、中国政府の招待でラサに入れることになった。まさに棚からぼた餅、そのチャンスが私のような契約カメラマンに回ってきてしまったのだ。とりあえず引き受けたが何の取材をするのか、どこに取材に行くのか、何も教えてくれない。明後日出発、明日午後5時に指定された場所で説明を受けてくれとのことだった。

2006年ポタラ宮の夜景

 翌日、私と記者は指定された場所に説明を受けに向かう。部屋に入ると椅子が十数脚、円を描くように置かれている。
 「好きな席に座って下さい」と受付嬢にいわれ、一番乗りの我々はとりあえず席に着く。あまりにも不確定要素が多く、不安を感じるが、いったい何がはじまるのか興味もわく。徐々に各国を代表するジャーナリストが入ってくる。イギリスの通信社、アメリカのテレビ局、フランスの新聞社、韓国のテレビ局、ロシアの通信社、イタリアのテレビ局、シンガポールの新聞記者、総勢12人の外国人ジャーナリストがそろうと、政府の関係者が現れ、説明会がはじまった。
 「あなたたちは運良く今回のツアーに選ばれました。おめでとうございます」
 温泉旅行にでも当たったような挨拶だ。
 「主な取材内容は『チベットの民主化50周年』と、『農業奴隷開放50周年』です。細かい予定は現地に行ってから教えます」
 とても漠然とした話だ。
 「この時期、ラサは酸素が薄いので、水をいっぱいとって、無理をせずゆっくり休んで、お風呂に入るのはやめましょう」
 実用的な話だがそんなことより気になることはいっぱいある。
 「では、明日7時に空港集合でお願いします」
 結局何を取材するかは一切分からないまま我々は解散した。突然のミステリーツアーに私は不安ばかりが募るのであった。

続く

著者近影

いわさき・みのる…写真家。1974年、宮崎県生まれ。東京工芸短期大学写真学科卒業、中国人民大学法学部卒業。95年から北京市に暮らし、同市を拠点に活動を続けるかたわら、アジアのフォトグラファーネットワークづくりなどに尽力している。
*現在ANAの機内誌「翼の王国」で、作家の原口純子さんと「中国万事通」を連載中です。

ホームページ:http://www.minoruphoto.com/japanesemainpage.htm

【橋場了吾の『SAPPORO MUSIC LETTER』】 第8回

ポジティブラップでHAPPYを届ける職人集団

 「メルマガ北海道人」をご覧の皆さん、こんにちは。今回も【SAPPORO MUSIC LETTER】では素敵なミュージシャンの魅力をお伝えしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 先日、環境省で「チーム・マイナス6%」を担当している方とお話をしました。「チーム・マイナス6%」というのはご存知の方も多いと思いますが、日本が世界に約束した「温室効果ガスを1990年に比べて6%削減する」という目標からついた名前です。
 その担当者から「北海道に住んでいて、昔に比べて温暖化が進んだと実感することはありませんか?」と訊かれて思いついたのが「雪まつりシーズンの雪の量が減ったこと」「深夜放送で水道凍結の注意が減ったこと」のふたつです。皆さんもそれぞれの生活の中で温暖化を感じていると思います。
 実は音楽業界でも、そのような環境問題に対して熱心に取り組んでいるミュージシャンがいます。今日ご紹介するラップユニット、エイジアエンジニア(以後AE)もその一組です。
 AEは1998年に東京で結成され、昨年10周年を迎えました。“エイジアエンジニア”という名前は「アジアに進出したい」「楽しいことを創り出したい」というふたつの思いが込められているそうです。
 メンバーの一人ZROさんがAEで環境問題に取り組むきっかけになったのが、身に染みて地球温暖化を感じたことでした。
 「僕が10年前に犬を飼いはじめたときは、夏場は6時に起きれば散歩に行けたし夕方でも散歩に行けたんですが、最近の東京は猛暑が激しくて朝5時に起きても暑い、夜12時になっても暑い……暑さでペットを亡くしてしまった人もいるくらいなんです。これって本当に異常だなと思って、ヒートアイランド現象の勉強もしてみたら、今後ますます危ない時代になるんだろうと思って何とかしないと、という気持ちが大きくなってきたんです」

代表してYOPPYさんとZROさんのお二人が来札しました

 2007年にリリースしたアルバム「ああ素晴ら四季 日々」では、日本の四季の素晴らしさを歌い、2008年にリリースしたシングル「HAPPY」のカップリング曲「気楽に。」は「チーム・マイナス6%」の応援ソングにもなっています。そして、最新アルバム「Our time is coming」はカーボンオフセットCDと呼ばれる、再生紙をジャケットにすることと売上の一部を植林に回す方法で、CDの製造過程で排出された二酸化炭素を相殺するスタイルを採っています。また、ごみ拾いを積極的に呼びかけるなど、音楽以外でも環境問題に取り組んでいます。
 10年間活動をつづける中で、AEは「楽しいことを創り出すユニット」から「地球を守りながら楽しいことを創り出すユニット」へと変化していました。彼らは「気楽に。」の中でこう歌っています。  
 「♪忙しい毎日の中で気づけなかった ゆっくりと自然の中でじっくりと自分を定め
 穏やかな気持ちになれた そうだっ!明日になって頑張れそうな気がした」
 先が見えない時代だからこそポジティブに生きたい……彼らの音楽にはそんな前向きなパワーが溢れています。札幌でのツアーは3年ぶり……相当な気合でやって来てくれるそうなので、AEからHAPPYを受け取りに、より多くの方にライブに参加してもらいたいと思います!

【エイジアエンジニア イベント情報】
Our time is coming Tour@札幌
2009.3.8(日) Sound Lab mole
(札幌市中央区南3西2/開場17:00・開演18:00)
(HP)http://asiaengineer.syncl.jp/

著者近影

橋場了吾…1975年札幌市生まれ。1998年同志社大学卒業後、札幌テレビ放送入社。ラジオディレクターとして「日高晤郎ショー」「ライブスピカ」等を担当。2005年同社を退社。以後広告制作プロダクションなどを経て、2008年株式会社アールアンドアールを設立し、札幌発の音楽情報WEBマガジン「SAPPORO MUSIC NAKED」を立ち上げる。「音楽で北海道を元気にする」を信条に、札幌にやって来たミュージシャンの取材を続けている。

「SAPPORO MUSIC NAKED」:http://www.sapporo-mn.com/

【和多田進の『濡れにぞ濡れし』】 第21回

写真機携帯症患者の病状報告(17)

 それでは、いったい「写真家」は何を見ているのだろうか?
 いま、写し撮ろうとしている雨降る街、雑踏の街、ポーズするモデルを、写真にするために、撮るために、彼が見ていることは確かである。しかし問題は、それら「被写体」を彼は単に見ている、見つめているだけなのだろうか。画像になるはずの全てが、勝手気ままに動いているその「見える」ものたちの一瞬の総合の中に、写真家は別の何かを見ているのではないのか。そしてその「別の何か」は、実は肉眼では決して見ることのできない「何か」であるだろうと私は考える。それは、写される対象としての「風景」や「情景」、「光景」そのものであると同時に、それらのもっとずっと先、ずっとずっと奥にあるはずの「何か」なのである。つまり、それはそれを撮ろうとしている写真家自身、写真家「私」の内部を見るのと同義であるだろう。
 目に見える現実、実在のように見える現実を通して写真家が見ているのは、現実よりもさらにいっそう現実的な「現実」なのである。それを「現実」と呼んだり名づけたりしてよいものかどうか私は迷うのだが、写真家が見ているものは、そういうもの(こと)に違いない。それが見えたそのとき、彼は意を決してシャッターを押す。言うまでもなく、そのとき彼の頭の中は沸騰している。

新潟('03.7)

 たとえば、100人の人間が同時に同じ映画を観たとして、各人がその映画について語ることは等しくはない。あるいは、100人が同じ場所で絵を描いたとして、一枚も同じ絵が出来上がることはあるまい。さらに言えば、同じモデルを前にして100人の彫刻家が一斉に塑像を制作したとして、ひとつとして同じものは作られまい。ピカソありジャコメッティあり、ブールデルありロダンあり佐藤忠良あり、ということになるだろう。
 写真もまた同じである。100人の人間に写真機を持たせて同じ場所で一時間の持ち時間を与えたとして、その100人が同じ写真を撮ることなどあり得ない。このことは、写真家が被写体ではなく写真家自身、要するに写真家「私」の意志に忠実であることを実証していることにならないか。表現者は、だれもが見ている対象ではなく表現者自身を見ているのだ、ということの証にならないか。
 どんなにリアルに対象をトレースしようと、それは対象とは似て非なるものにならざるを得ないというのが表現するコトの宿命なのである。三次元世界を二次元世界に移す場合は言うまでもないが、三次元世界を三次元世界に、二次元世界を二次元世界に移し変える場合でさえ、二つは似て非なるものにならざるを得ないだろう。そして、その似て非なるものになることこそが「作品」であることを保証するのである。コピー機が生みだすコピーが「作品」になりにくいのは、似て非なるものではなくて、それらが似て似たるものであるからなのである。
 写真家は、対象の中に内なる自分、「私」を見ているのである。その「私」が、彼の撮る写真をかろうじて「作品」にしているのに違いない、と私は考えるのである。

ポータルサイト『北海道人』連載
和多田進の「ときどき北海道」

インフォメーション ポータルサイト「北海道人」更新情報

<WEB絵本・鯨森惣七さんの「コレは、まちのゲー術だ。と叫びつつ、ちょっとずつ歩きまわる旅。」を更新しました!>

天女さまその7
鯨森惣七さんが旅先で見て感じたことをイラストとエッセイで紹介します。ちょっとずつ歩きまわって今回は南小樽駅あたりにたどり着きました。天女を捜してちょっと寄り道の旅です。ふらふらっと寄り道したい方は、クジラをクリック!

コレは、まちのゲー術だ。と叫びつつ、ちょっとずつ歩きまわる旅

次号予告

 次号の配信日、3月5日(木)は二十四節気の啓蟄で、冬ごもりしていた虫がぞろぞろと出てくるころです。ハロー、虫さんたち、お久しぶりです……。
 さて、次号のメルマガラインナップは、上林早苗の「上海日記」、「とろんのPAI通信」、若月元樹の「南の島から――沖縄県黒島の日々」です。
 お楽しみに!

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