メルマガ北海道人

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『メルマガ北海道人』第29号 2007.07.26. ―「北海道人」、ビアガーデンの愉しみ―
 札幌の大通公園では、7月20日からビアガーデンが始まりました。待ちに待ったビアガーデン! 仕事帰りの人びとがどっと押し寄せるので、平日の夜は席を取るのも大変です。首尾よく席を確保し、ビールが手元に運ばれてくるまでは落ち着くことはできません。仕事の延長、いや、それ以上の緊張感があります。そわそわしながら待っているところに、ビールとおつまみが揃ったら「乾杯!」。一口飲めばなんとも幸せな気持ちになります。
 しかし、屋外だとなぜいつもより多く飲めるんでしょう。皆さんはビアガーデンで何リットルくらい飲みますか?
 『メルマガ北海道人』第29号にかんぱ〜い! そして、はいし〜ん!

となりの北海道人 『私のお父さん』




■もくじ

連載【田野城寿男の『楽譜のいらない音楽授業』】

 背が高くて体格の良い田野城さん。小さな頃から、野球にサッカー、バレーボールとスポーツ三昧の生活をしていました。ボストンに留学中、あることがきっかけとなり、基礎体力づくりにと友人が勧めてくれたゴルフ。コースに出て何度目かのある日、一人の男性と出会いますがこの男性が実は……。

連載【岩崎稔の『大陸人の時間』】

 前回、歓迎する人々の波にもまれるサマランチ元五輪委員会会長の姿を見て、「何かあったら大ニュースだ」と、後を追った岩崎さん。その現場、「世界オリンピックコレクター博覧会」で、今回、岩崎さんが見たものは! 摩訶不思議な感性から生み出される、想像絶する北京五輪グッズたち。

連載【大竹正枝の『新・自然真営道』】

 前回までの「園芸療法」に続き、今回からは「森林療法」をテーマに、シリーズでお届けします。第1回目は、森林療法、森林療法先進国ドイツでの取り組み、近年日本の「森林浴」研究などについて大竹女史が語ります。「癒し」といえば森の香り……。森はやっぱりすごいらしいです。

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□連載
【田野城寿男の『楽譜のいらない音楽授業』】 Lesson 11

「一期一会 ―プロゴルファー田野城―」

 ここ10年間位、楽器を持たずにスタジオに入ると、格闘技家やプロレスラーに間違われる事がある。
 職業を問われると私もつい調子にのって、「ええ、実は覆面をつけてリングに上がることが多いんですよ…」と。
 すると、私の髪型や体型を見て、大体の方が信じてしまう。……嬉しくない。
 私は子供の時から、野球やサッカーを、そして、中学生で既に175cmあったので、バレーボール部ではエースアタッカー。球技を中心に、スポーツ三昧の生活。運動が大好きだった。
 こんな私が、サックス初心者で無謀にもアメリカボストンの音大に進学した。
 たしか2年目だったと思う。大学の個人練習室に毎日8時間立てこもり、休みなく約3ヶ月間サックスを猛練習した。
 この8時間を3ヶ月続けた結果、どういう現象が体に起こったか?
 私の場合は、真っすぐ歩いているつもりが電信柱や人にぶつかってしまったり、極度の言語障害に陥ってしまった。
 それでも上手くなりたい一心で、練習を続けた結果、3ヶ月も過ぎようとした頃、ある出来事が起こり、私の練習は途絶えてしまう。
 その原因というのが、ギックリ腰。
 楽器の後片付けをしていて、重い楽器を持ち上げた瞬間、“バキッズキッ!”と。
 余りの激痛にそのまま倒れて、目の前が真っ暗になった。
 当時、ボストンマラソンへの参加や車でのアメリカ横断を密かに夢見ていた体力旺盛の私にとって、このギックリ腰との出会いは、私の生活スタイルや体型だけではなく、その後の人生を大きく変えた。ですから、皆さんには、極度のストレスを体や精神にかけ続ける事を決してお勧めしません。
 話は変わりますが、パワフルが売り物でスポーツ好きの私。前々回のコラムで親知らずを抜いた事を話しましたが、その続編が今回の本題。楽器練習ができず、手を持て余していた私が初めてゴルフクラブを握る。
 “基礎体力作りに”と、友人が勧めてくれたのがきっかけ。
 “野球と似たようなものだろう”と私も気楽に彼の誘いにのった。
 日本と違い、アメリカのパブリックコースはせいぜい20〜30ドルくらい。日本の打ちっぱなしのような施設はなく、いきなりコースへ出される。言ってみれば、ボーゲンすら知らない初心者がいきなりスキーをする為に、リフトに乗せられて、山頂まで行ってしまったようなもの。
 体力作りを目的に、何度かコースに足を運び続けたある日、友人と僕は、50代位のアメリカ人男性と一緒にコースを回る事となった。パブリックコースは混雑すると、最低3人一組で回らなければならないルールがあるからだ。
 超初心者の私は、相変わらずティーショットもまともに飛ばす事ができず、グリーンにボールをのせても、そこからホールに入れるまで最低5回は打っていた。このあまりにもゴルフの知識と技術のなさを見るに見かねた彼が、とうとう口を挟み始めた。
 姿勢やクラブの持ち方、そしてボールの打ち方など、それこそ一から本格的なマンツーマンレッスンがコースで始まった。
 「この人、一体何の仕事をしているのだろう?」
 そう思いながらも、超初心者の私は、何の疑いも持たず純粋に、彼の言う通りにラウンドを重ねていった。
 こうしてレッスンも最終段階。迎えるは、パーファイブのストレートコース。私は彼のアドバイスをイメージし、レッスンの集大成として思いっきりスィングした。
 ……驚いた。飛んでいくボールを自分の目で全く見る事ができなかった。決してバンカーや池に落ちたわけではない。真っすぐ驚くほどはるか遠くまで飛んで行ったのだ。
 それを眺めていた彼の目つきが変わった。
 無事コースを終えると、彼は私に尋ねた。
 「ボストンで何をしているんだい?」
 当時、長髪で背が高く、学校では“インディアン”と呼ばれていた私。
 「バークリーに通って、サックスを学んでいます」
 そう返事をすると彼は笑顔で、
 「君の風貌からは、ジャズは想像つかないね」と言いながら、自己紹介をし始めた。
 彼は、レッスンプロゴルファーだった。ロサンゼルスで後進の育成に力を入れ、数々のプロゴルファーを育ててきたと言う。レッスンプロをリタイアした現在、悠々自適な暮らしをするために故郷ボストンに戻ってきたそうだ。
 「もう誰も育てるつもりはなかったが、君の最後のショットを見て凄いパワーを感じた。君とならもう一回、チャレンジしたくなった。必ずプロゴルファーにさせる自信がある! ゴルフの最高峰に向かって一緒に僕とゴルフをやらないか。全て僕が指導するから」と彼は言った。
 30年前、私の記憶によると、当時アメリカで活躍する日本人ゴルファーは誰もいなかったと思う。正直言って、スポーツ好きの私は、彼の誘いに心が揺れたのを覚えている。
 念のため付け加えるが、私の自慢話をしているのではない。伝えたい事はただ一つ。
 生きていれば、信じがたい出会いに巡り会う事がある…という事。
 人生は、まんざら捨てたものじゃないのだ。

写真:田野城寿男氏

たのしろ・ひさお…1958年広島市生まれ。サックス奏者。78年バークリー音楽院入学。在学中から精力的に活動し、帰国後の87年サリナ・ジョーンズの日本ツアーにソロ奏者として参加。91年「25周年記念」のモントルー・ジャズフェスティバルに出演。音楽家はもちろん、多彩なジャンルの表現者たちとのコラボレートを積極的に実践、近年は「音楽教育」の必要性を重視し、広い層の若者たちに個性的な指導を続けている。

ホームページ:http://www.tanoshiro.com

携帯サイト:http://www.tanoshiro.com/m/

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□連載
【岩崎稔の『大陸人の時間』】第14回

「恐ろしき五輪熱2」

 サマランチ元五輪委員会会長を追って、「世界オリンピックコレクター博覧会」の会場へ入ろうとした。入り口には数十人の警備員と警察が、なだれ込んで来る人々を何とか押さえ込もうとしていた。何人かプレスパスを掲げながら入ろうとする記者がいたが、問答無用ではじき飛ばされている。それはまるで国に革命が起きて何とか大使館に逃げ込もうとする人々のようで、どこかで見た映画のシーンにそっくりだ。私はうまいこと中に入ったが、人がもみ合うように右に左に動いている。どうやらサマランチ元会長が中央にいるようだが、何も見えない。それどころかまたもや押し寄せてくる人の塊に押し潰されそうになる始末だ。そんな状態が数十分続いたが、元会長はどうやら無事に会場を離れたらしく、博覧会場は凪のように静かになった。せっかくなので会場を見学していくことにした。

写真
夜道

 会場には世界から集まったオリンピックグッズのコレクター達がいた。それぞれブースを構え、持参した過去の五輪バッチや記念切手・帽子・Tシャツなど五輪関連のグッズを展示していた。よくもまあ遥々こんな所まで集まったものだと感心しながら、中国人ブースに目をやった。そのブースには五輪開催が決定した日の号外など、まともなものもあるが、権利の問題にはならないのだろうかと首をかしげるような北京五輪のマスコットをビーズで手作りした人形なども売っている。このくらいのコピー商品は中国では当たり前だが、マスコミが集まる公の場所に晒してよいものなのだろうか。
 さらに奥に行くと、1メートルはあろう巨大な金色の親指のトロフィーが売られていた。この見る人をすくませる金色の親指と五輪とどんな関連があるのだろうかと思って凝視すると、トロフィーには五輪の種目がそれぞれ描かれている。なるほど。聞けば、北京五輪に便乗して売り出したと言う。どうしてこういうものを造るアイディアが生まれるのだろう。地味な見た目からは計り知れない摩訶不思議な感性を有する人をこの国でまた見つけてしまった。いったい誰が買うのだろうと思ったが、この人に共感し、このトロフィーに価値を見出す人も存在しているのかもしれない。
 もう帰ろうと、出口の方に向かう途中、またもや怪しいマスコット人形に目を奪われた。なかなか退場できない。北京五輪の公式マスコットは聖火・パンダ・チベットカモシカ・魚・ツバメをモチーフにした5体である。それは、その中のどれでもないまるで5つのマスコットが一つに合体したキメラのような人形だった。
 「これはいったい何の人形なんですか?」
 「世界平和と北京五輪のために私が作ったマスコット人形です」
 まじめな顔でブースの主は答えた。目を転じると、そのブースには北京五輪のコピーまがいの帽子やTシャツが並んでいる。さらに問う。
 「これって、コピー商品じゃないんですか?」
 「これはちゃんと私が作った作品です。権利も全部登録してあります」
 と、ぬけぬけと言う。たしかによく見ると五輪マークの上にもう一つハートの輪がかかっている。安易な発想だが、これが世界平和を象徴しているようだ。果たしてオリンピックで世界平和は構築できるのだろうか、オリンピックなんてなくてもいいんじゃないだろうか、と思う今日このごろ。他のものも本物と大変酷似しているが、一つひとつに独自の発想が取り入れられている。いつものことだが聞いているうちに私の軸もずれてきて、現代アートと言い切ってしまえば、これもありかなという気がしてきた。もうコピーを越えているかも。こんなものを考えて作ってしまう人は他にいまい。
 北京五輪まで8月8日で一年を切る。段さんや張さんのようにかなり冷めた目でとらえる人たちもいれば、この博覧会に集まった人のように便乗して儲けよう、いや儲けようというだけではなく、いてもたってもいられず、何でもいいから自分も北京五輪にからんでいこうという市民もいることがこの一日でよく分かった。

 終わり


写真:岩崎稔氏 いわさき・みのる…1974年、宮崎県生まれ。東京工芸短期大学写真学科卒業、中国人民大学法学部卒業。95年から北京市に暮らし、同市を拠点に活動を続けるかたわら、アジアのフォトグラファーネットワークづくりなどに尽力している。

*現在ANAの機内誌「翼の王国」で、作家の原口純子さんと「中国万事通」を連載中です。

ホームページ:http://www.minoruphoto.com/japanesemainpage.htm

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□連載
【大竹正枝の『新・自然真営道』】第17回

「植物からパワーをもらえ!〜森林療法(1)」

写真
ストレス社会の現代だからこそ
森林療法が期待されている
 「園芸療法」という言葉があるのだから、「森林療法」という言葉が存在するのではないか? 読者の中にはそう考えたことのある人もいるのではないだろうか。ご推察の通りである。実は森林療法の方が園芸療法より1歩も2歩も進展しているのかもしれない。
 日本で言う「森林療法」は、ドイツの「クナイプ療法」に由来している。ドイツでは各地に国の公認保養地があり、その一つであるバート・ウェーリスホーフェンで、このクナイプ療法が取り入れられている。クナイプ療法は、温冷水を使った「水療法」、アロマテラピーなどの「植物療法」、バランスのとれた食事を摂取する「食事療法」、体と心の調和をはかる「調和療法」、そして、森林を歩くなどの「運動療法」を取り入れた自然療法である。ここでは通常の医療業務も行われていて、訪れた人は約2〜3週間ほど滞在し、のんびりと治療を受けるのだそうだ。澄んだ空気の中でバランスの取れた美味しい食事が摂取できるとなれば、否が応でも心身ともにリラックスでき、疾病予防や病気の改善に役立つこと間違いなしだ。かつて日本でも、結核をわずらうと、“サナトリウム”と呼ばれた空気の澄んだ場所にある施設で静養するのが一般的だった。我々は何となく森林が人間に良い効果をもたらしてくれると認めていたのだと思う。
 それでは、森林療法とはどういうものなのだろうか? ドイツのバート・ウェーリスホーフェンでは、専門指導員による「森林中での呼吸循環器系のエクスサイズやリハビリ」が患者に対して行われている。体操することで清澄な空気を体内に循環させ、新陳代謝を高めるのが目的だ。また、「森林散策」も患者に促している。森林内には距離やアップダウンによって7つにレベル分けされた散策コースがあり、どのコースも消費カロリーが計算できるように設計されている。そのため患者は、自分の体力と目的に合わせて散策できる。まさに「森林浴」を最大限に享受できるような計らいになっている。
 日本には残念なことに、ドイツほどしっかりとした保養地や森林療法を行う専門員はいないが、森林浴による効果については「自然」「環境」そして「癒し」をキーワードに近年盛んに研究が行われるようになってきている。先駆けとなったのは、フィトンチッドの効果を提唱した神山恵三氏だろう。彼が樹木から発散される化学物質“フィトンチッド”について述べ、森林散策が健康に良いことを科学的に裏付けた。また、宮崎良文氏は著書『木と森の快適さを科学する』の中で、森林浴によって被験者の唾液中のコルチゾール(ストレスホルモンの一種)が低下することを示し、被験者が森林浴を快適に感じていることを示した。その他では、森林作業を知的障害者に適用するユニークな事例を上原巌氏が報告している。
 このように、私たちが直感的に捉えていた森林の良い効果は、科学的に少しずつ解明されてきているのだ。

おおたけ・まさえ…1965年生まれ、千葉県出身。現在、北海道大学農学研究科に在籍。植物が人間に与える不思議なパワーに興味を持ち、主に園芸療法について研究するかたわら、ガーデニング、環境保全、そして地域・農村活性化など幅広く関心を持つ。

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■次号予告
 次号の配信は、8月です。読者の皆様、海水浴には行きましたか、花火は観ましたか、スイカは食べましたか。まだなら、早めに計画を立ててください。夏は意外に足が速いのです。
 次号のメルマガラインナップは、上林早苗の「上海日記」、「とろんのPAI通信」、「危機の時代に―鈴木邦男・和多田進 10年目の往復書簡」です。
 『メルマガ北海道人』第30号の配信は、8月2日(木)です。
 
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