メルマガ北海道人

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『メルマガ北海道人』第14号 2007.04.12. ―「北海道人」、まかなう(北海道弁)―

 北海道弁で「まかなう」といえば、「服を着る」という意味の動詞です。たいてい、「ちゃっちゃとまかなう」ことになっています。ほれ、ちゃっちゃとまかなわないば。そんなわけで、いつもだらだら連ねる世迷い言も今回はちゃっちゃと終わらせることにします。
 第14号だもんさ。読まないばさ。

となりの北海道人『私のお父さん』




■もくじ

連載「上海日記」
 謎の友人チャンインの人となりを探る旅が始まりました。なんとまあ、3代も溯って「ひいじいちゃん」の話なのです。中華人民共和国の成立前です。歴史絵巻です。大河ドラマです。なんだかとってもチャンインです。

連載「おわびの極意」
 わずか1週間で17本もの「おわび」「訂正」! これを読むためにメルマガを購読している人もいるそうです。今回はきっと満腹でございましょう。

連載「どうでもいい話」
 どうでもよいこと山の如し。人類は、なんかいろいろ語ってるようで案外なんにも語っていないのですな。それはともかく、いきなり「人類は」って。

連載「NEWSぱくりんこZ」
 ぱくりンカー山崎達之は、これまでに2度ほど速度超過で捕まったことがあります。「速く帰宅して、好きなテレビ番組を観たかった」のだそうです。

連載「危機の時代に―鈴木邦男・和多田進 10年目の往復書簡」
 編集長・和多田進が挑撥的な問題提起。鈴木邦男さんの問いに応えて自らの《民主主義》観を語ってたと思ったら、末尾で「真剣なやり取り」を呼びかけてるじゃありませんか。その思惑、那辺にありや。ありゃりゃのりゃ。

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□連載

【上林早苗の『上海日記』】第四回

「ひいじいちゃんの危機」

写真
平日午後2時の大人トランプ―上海市馬当路

 上海市内の西部、普陀区に位置する集合住宅団地。その2階にチャンインの自宅はある。
 その間取りは実にシンプルである。ドアを入ってすぐ右手が台所で、左手に浴室兼洗面所。2歩ほど進むともう「居間」だ。冷蔵庫、食卓、椅子、ソファのほかにダンボールなどが置かれていて、人ひとり通るのがやっとである。窓がないためか、ひんやりとして薄暗く、食事の時しか使われていない。
 二つの寝室はその奥にある。小さいほうの一室は84歳の母親と中学3年生になる長女の共用部屋だ。家具らしい物はパソコン机とベッドだけで、床には本・雑誌類が積み上げられている。新婚夫婦はまあいいとして、祖母と孫娘はこの小さなベッド一つでどうやって眠るのだろう…と、私はいつも気になってしかたがない。
 もう一つの日当たりのいい部屋が夫妻の寝室だ。ベッド、テレビ、洋服ダンスと一見、何でもないが、壁を見回すと額入りの巨大な結婚写真や、つい数ヶ月前に撮ったハネムーン写真、チャンインがパソコンで作成したという「愛してる」のメッセージなど、二人の愛の記念品がずらりと飾られていて、これはもっと気になっている。
 土曜の午後になると、チャンインと私がこもるのがこの夫妻の寝室だ。目的は言うまでもなく「取材」である。安楽椅子にゆったりと寝そべったパジャマ姿の彼から何が語られるのか。その第1話はなんと彼自身、祖父から聞かされてきた120年前の物語であった―。
 黄海を東に臨み、大河・長江が横たわる江蘇省。その北部にある興化という町にチャンインの母方の祖先は暮らしていたという。
 資料を見ると、興化は新石器時代には既に人が住んでいた歴史ある土地である。古くから運河が縦横に走り、水産物や米がよくとれる「魚米之郷」として知られたそうだ。ところが19世紀中頃、ある変化が起きた。それまで運河に頼っていた中国北部への物資輸送が海上輸送にと移行したのだ。それまで交通の要衝として繁栄してきた興化を含む蘇北一帯は、またたくまに商業都市としての活気を失った。それだけではない。運河がすたれたことで、政府が堤防の修繕を怠り、長江や准河の氾らんが多発した。結果として食糧不足や貧困が常態化していったという。上海一帯で蘇北が「貧困地域」と言われてきた背景の一つだろう。
 20世紀の初め、中国医学界で「興化医派」という流派が誕生した。興化では当時、それほど医学が盛んだった。チャンインの母方の一族もまた医者の家系だったそうだ。なかでも腕を見こまれて京城(今の北京)からお呼びがかかったのがチャンインの曽祖父だった。仕える先は光緒帝と西太后の君臨するあの清朝宮廷である。一族はもちろん、地元にとっても快挙であった。
 ところが、である。不妊症を患う皇女か妃の一人を治療していたある日、彼の身に恐ろしい事が起きた。薬草の処方を誤ったのか、あるいは予期せぬ何かがあったのか、とにかく薬を飲んだ患者が臥せり、そのまま帰らぬ人となったのである。彼は血の気が引いたにちがいない。なんといっても患者は「皇族」だ。不可抗力にしろ、医療ミスにしろ、斬首刑はまず確実であった。
 しかし、彼が絶望に打ちひしがれたか、と言えばそうではなかった。八方手を尽くし、集められるだけの金を集めた。俸給も家財もすべて手放した。そして、莫大な金をもって関係者を「買収」し、かろうじて死罪を免れたのである。それは生への執念であった。彼はその後、京城を後にし、帰郷。追跡を恐れて名を伏せ、世をはばかりつつ残りの生涯を過ごしたという。
 これが1世紀以上もの間、一家に語り継がれてきた曽祖父の「武勇伝」である。それにしても、この国にいるとごく身近にこうしたドラマが隠されていることが多い。偶然だろうか。
 次はこの宮廷医の息子でチャンインの祖父である「大かんしゃく持ちの寅年男」、シャオフォンさんの登場である。本人誕生まで、あと70年。

かんばやし・さなえ…1978年生まれ、奈良出身。京都外国語大学中国語学科卒業。上海在住7年目。中国人の夫と姑との3人暮らし。

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□連載

【おわびの極意】3月12日〜3月18日

朝日新聞 3月13日 朝刊 p.17 14版
「訂正」
 11日付のJリーグ関連短信「服部(広)がJ1連続100試合フル出場」で、下田崇の所属が「元広島」とあるのは「広島」の誤りでした。訂正します。

読売新聞 3月13日 朝刊 p.13 14版
「訂正」
 11日付情報ディスク拡大版の「アルファ147 スポルティーバ」の写真は「スポルティーバ」ではなく「TI」でした。

毎日新聞 3月13日 朝刊 p.25 14版
「おわび」
 1月6日朝刊「短大生事件 遺体一部切り取る」の記事で、死体損壊容疑で逮捕された次兄が「(被害者の)胸部などについて『流し台のディスポーザー(生ごみ処理機)で処分した』と供述している」と記述しましたが、そうした供述はありませんでした。ディスポーザーが使用された事実もなく、おわびして、この供述部分を削除します。

読売新聞 3月14日 朝刊 p.20 14版
「訂正」
 13日の朝青龍連敗の記事の写真説明で「行事」とあるのは「行司」の誤りでした。

毎日新聞 3月14日 朝刊 p.17 14版
「おわび」
 13日のプロ野球オープン戦、「中日・ソフトバンク」の成績表で、ソフトバンクのチーム合計が欠落していました。おわびして再掲します。
 【ソフトバンク】

33 11

北海道新聞 3月14日 朝刊 p.32 16版
「訂正」
 13日の「期限切れワクチン接種」の記事で、中富良野町の予防接種の実施日が「三月十六日」とあるのは「二月十六日」の誤りでした。訂正します。

読売新聞 3月14日 夕刊 p.2 4版
「訂正」
 13日夕刊「労働関連3法案」の記事中、「残業代の割増率を週80時間超の残業は50%に引き上げる」とあるのは「月80時間超」の誤りでした。

毎日新聞 3月15日 朝刊 p.3 14版
「訂正」
 14日朝刊、「NHK関連8社 来春2社に統合」の記事で、「NHK情報ネットワーク」は「NHKテクニカルサービス」の誤りでした。

毎日新聞 3月15日 朝刊 p.24 14版
「おわび」
 14日朝刊の「ドラフト方法 白紙に」の記事で、「阪神の野崎勝義球団社長」とあるのは「取締役」の誤りでした。おわびして訂正します。

北海道新聞 3月15日 夕刊 p.1 6版
「おわび」
 14日の「延命治療中止 『呼吸器外し』も選択肢」の記事で、道立羽幌病院の医師が「逮捕、不起訴処分となった」とあるのは「書類送検、不起訴処分となった」の誤りでした。おわびして訂正します。

朝日新聞 3月16日 朝刊 p.32 16版
「訂正」
 15日付夕刊社会面「早大会見 『西武側が指示』」の記事で、西武側から選手本人への指示について「父親や出身高の関係者にも同様の指示があった」とあるのは、西武側からではなく「父親や出身高の関係者からも同様の指示があった」の誤りでした。訂正します。

毎日新聞 3月16日 朝刊 p.21
「訂正」
 15日「『学力テスト』であす2シンポ」の記事で、二つのシンポジウムが開かれる日付が「16日」とあるのは、17日の誤りでした。

北海道新聞 3月16日 朝刊 p.32
「訂正」
 15日の「『別亭』で石狩温泉PR」の記事で、そば・番屋料理「番屋別亭」の住所が「中央区北二東二」とあるのは「南二東二」の誤りでした。訂正します。

日本経済新聞 3月17日 朝刊 p.14 12版
「訂正」
 16日付「トイザらス経常益五二%減」の記事中、「期末の店舗数は十三店減の百四十九店」とあるのは「五店増の百六十七店」の誤りでした。

朝日新聞 3月17日 朝刊 p.23 12版
「訂正」
 2月17日付本欄「ちらしずし」の高野豆腐の作り方で、「砂糖40cc」とあるのは「砂糖40グラム」の誤りでした。訂正します。

北海道新聞 3月17日 朝刊 p.39 16版
「訂正」
 16日の「医療が危ない 車中で出産 一時低体温」の記事について、ご意見や情報をお寄せいただく医療問題取材班のファクス番号に誤りがありました。正しくは011・210・5592です。訂正します。

毎日新聞 3月18日 日曜くらぶ p.3
「訂正」
 4日の「今さら聞けないコトバ」で「左翼が生まれたのは1879年」とあるのは「1789年」の誤りでした。

(山崎達之)

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□連載

【どうでもいい話】第11回

017 『郊外の駅前を徐行する選挙カー』2007年4月7日午前、札幌市白石区

声…張りのある女性の声

 声「からありがとうございますタクシーの運転手さんありがとうございます知事候補高橋はるみ知事候補高橋はるみでございます住みよい北海ありがとうございます知事候補高橋はる沿道からありがとうございますありがとうございます知事候補高タクシーの運転手さんありがとうございます知事候補高橋はるみ高橋はるみでございます白石区の皆さまに最後のお願いお母さまありがとうございます知事候補高い所からありがとうございます知事候補高橋はるみでございまお車の中からありがとうございます知事候補高橋はるみ2期めをタクシーの運転手さんありがとうございます知事候補高橋はる」
どうでもいい写真

(小笠原 淳)

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□連載

【NEWSぱくりんこZ】第14回(2007年3月11日〜3月18日採取)

マレーシア北部の州でディスコが解禁に。男女が一緒に踊ることはできず、女性は顔と手のみ露出できる。(『朝日新聞』3月13日付朝刊)

500ml缶6本で計1万2000円の「富士山の地下水」が売れている。国会議員からの注文はまだない。(『朝日新聞』3月14日付朝刊)

安倍首相は3月14日、「83会」メンバーと昼食会。松岡農相の光熱水費問題に絡み、「東京の水道水はまずくない」との不満の声が。(『毎日新聞』3月15日付朝刊)

漫画家11人がネットに作品を無断配信した会社などを提訴。「作品は私達の子供。拉致しないで」と永井豪さん。(『北海道新聞』3月15日付朝刊)

北大博物館が入館30万人突破。30万人目の来館者に三葉虫の化石や捕虫網などが贈られた。(『北海道新聞』3月16日付朝刊)

6カ国協議は北東アジア安保部会を開催。北朝鮮は日本の経済制裁や米韓の軍事演習に反発も、「友人として暮らしたい」。(『日本経済新聞』3月17日付朝刊)

中国で茶への投機が異常過熱。主産地の雲南省思茅市は「プーアル市」に改名へ。(『毎日新聞』3月18日付朝刊)

(山崎達之)

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□連載

【危機の時代に―鈴木邦男・和多田進 10年目の往復書簡】第09回

和多田進→鈴木邦男

「鈴木さんに教えを乞いたい」

鈴木邦男さま

前略
 民主主義に関する私の考えは、鈴木さんと10年前に議論した内容とほとんど変わっていません。まあ、私に進歩がないわけです。
 前便で私は民主主義の特徴に関して私の考えるところを3点挙げました。この3点は団子になって混ざり合っている「民主主義団子」ですから分離して考えるわけにはいきません。従って、前便で私が挙げた民主主義に関する3つの特徴を分離して論じてみても生産的な結果に到らないと思います。なにしろ、この3点は相互に深く関連・融合していますから、全体をひとつのこととして理解しなければ民主主義というものの立体的なイメージは結ばれないのです。
 鈴木さんとの対話を一冊の本にした『僕が右翼になった理由、私が左翼になったワケ』(晩聲社)の、たとえば80ページ、81ページにある私の発言を多少深読みしていただければ、さらに一層私の民主主義観をご理解いただけるのではないかとも思います。民主主義は必ずしも平和をもたらすとは限らない、民主主義は戦争も厄災ももたらすのではありませんか。民主主義に対するそういう一種の「不信」が私の考えの根底にあり、私の考えの出発点にあるのです。なにしろ、私たちの日本はいま、多数決という民主主義的制度によって憲法を改め、戦争ができる国家になろうとしているのですから。

写真
道9・東京都江東区(写真・WATADA)

 民主主義のそもそもから考えはじめるとすれば、アリストテレスあたりに行きつくのでしょう。そこまでいかなくても、フランス革命まではいかなければなりません。たとえばルソー。その前にロック、ホッブスでしょうか。それからアメリカの独立宣言。トクヴィル、ペインですね。そんな歴史の背後にあるキリスト教的価値判断――。こういうことの総体について理解しなければ民主主義について考えたことにはならないと私は思います。しかし、私はこうしたことについて解説する能力がありませんので、読者には適当な文献を探されるようお願いする他ありません。
 それで、日本における民主主義ということになるのでしょう。これについても、真面目にやれば福沢諭吉や植木枝盛、中江兆民、吉野作造といった人びとの著作に親しまなければなりません。なにしろ民主主義は輸入品なんですから。私は古在由重、家永三郎、湯川和夫、戸坂潤、それから多少は丸山真男の著作から民主主義というものについての基本、考えを学んだと考えています。もちろん、これらの人びとの著作も、民主主義を考えるほんの入口で、もっと多くの人びとの一見民主主義とは無関係に思える著作や日々の数知れない暮らしの体験から私は民主主義について学び、考えてきたのでした。ですから、日本の民主主義について興味ある読者のみなさんは、日本思想史上の原典にも直接当たって思索をめぐらしていただきたいと思います。
 前便でご指摘くださった私の「荒っぽい断定」は、右のようなことを専業的に学んでこなかったことに起因する私の弱点の現われなんです。そうではありますが、前便で述べたように、私は私なりに「民主主義団子」の特徴を3点にまとめるというようなところまではようやく考えをすすめて来たのでした。ここまで考えるのに45年かかっていますから、自分の脳味噌の貧弱を恨んでもいるわけです。
 それで、ようやく今日における民主主義の問題ということになります。いまから私の考えも述べ、鈴木さんの批判も受けたいと思いますが、まず鈴木さんが「尊敬する思想家」と考えていられる葦津珍彦のことからはじめるのがいいでしょう。私も葦津珍彦のことは端倪(たんげい)すべからざる人物だと考えています。特に彼の思考のプロセスには興味があり、現代の民主主義の危機を予見した人とも思います。
 そんなわけですから、鈴木さんは葦津の思想のどの点を「尊敬」され、注目しておられるのか、そこのところを教えてほしいのです。私に対する質問については必ず答えていきますが、民主主義をめぐって多少なりとも真剣なやり取りをしませんか。よろしくお願いいたします。

草々

2007年(核時代62年)4月3日
和多田進拝

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■次号予告

 次号はいよいよ通巻15号! フィフティーン! 全然関係ないけど小樽市から札幌市北区のメルマガ編集部に通う辣腕編集者のひとりは「ファーザー」という英単語をやけに正しく発声する! f、th、r! 無声摩擦音、有声摩擦音、顫動音!
 それはともかく、次号もよろしくお願い申し上げます。申し上げます! 鼻音、無声摩擦音、有声口蓋破裂音、鼻音、無声摩擦音! 時どき母音!

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■読者の皆様へ

 前号に引き続き、編集部では当メルマガへのご感想・ご意見などを募集致します。ぶっちゃけ、先週の呼びかけにはあんまり反応がありませんでした。やはりここは景品かなんか用意しなくてはならないのだろうかと思った次第ですが、今のところ予算がないのでやめておきます。タダで意見してもよいという暇な人、じゃなかった優しい方は、ぜひ忌憚のないご意見を。
 mailmag@mn.hokkaido-jin.jp まで、よろしくご送信くださいませ。「カブトムシの飼育法を教えて」というようなのは、くれぐれもご遠慮ください。北海道民ならクワガタムシだろう!

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