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「メルマガ北海道人」第10号 2007.03.15. -「北海道人」、なんもさ(北海道弁)-

 気づけば第10号、2桁の大台に乗ってしまいました、「メルマガ北海道人」です。
 北海道外にお住まいの皆さんにはよくわからない話題だと思いますが、北海道は数日前にまたしても真冬のような季節を迎えてしまいました。ほんのひと月前に雨が降ったほどの陽気はいったいどこ行ったんだ! さっさと桜の木の下でジンギスカンを喰わせろ! 七輪の火力調整を誤って合成樹脂性の敷き物に穴を開けさせろ! ―などと怒るのは野暮の骨頂。本場の北海道人ならばこれぐらいの冬将軍で機嫌を損ねたりはしないのです。
 寒くてすんませんねえ。なんもさ、まだ冬だも。「すんませんねえ」と言っているのが誰なのかは、ここでは追及めさるな。

となりの北海道人『私のお父さん』


■もくじ

連載「上海日記」
 お待たせしました、上林早苗さんの連載、第2弾! 前回、友人チャンインへの聴き取りに臨む決意を固めた筆者は、開始早々思わぬ事態に巻き込まれてしまいます。今後の連載の行方を左右しかねない“日中抗争”勃発か!

連載「おわびの極意」
 「おわび」「訂正」ダイジェストといえば「メルマガ北海道人」! なんだかわかりませんが、とりあえず今回も豊作です。

連載「どうでもいい話」
 まったく、どうでもいい話というのはどこにでもあるものです。というか、そんな話ばっかり聴いていてどうするのでしょうか。

連載「NEWSぱくりんこZ」
 突然思い立って椅子の高さを変えたぱくりンカー山崎達之。ニュースとは無関係の謎の行動ですが、そこはかとなく「Z」です。

連載「危機の時代に―鈴木邦男・和多田進 10年目の往復書簡」
 前回「民主主義」について根源的な問いかけをした鈴木邦男さんに、編集長・和多田進が答えます。ここに来て俄然深みを増してきた往復書簡。後半には葦津珍彦なんて名前も飛び出してきたりして、これは見逃せませんよ!

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□連載

上林早苗の『上海日記』第二回

「論争勃発!」

写真
駐車車両に書かれた「愛我中華(わが中華を愛す)」の落書き。上海市馬当路にて

 春節休暇が明け、祭りの後の脱力感が漂う上海である。さて、前回紹介したチャンインに関して、その後思わぬ事態が発生した。彼を知る40代の上海人知人にこの私的な企画を明かしたところ、激しい非難と反対にあったのである。
 「ああいう、よくない中国人のことを日本に紹介するなんて無責任じゃないか」
 彼は品も徳もある知識人で、中国で長年、報道の仕事にたずさわってきた人だ。チャンインに好印象は抱いていないが、特に恨みがあるわけでもない。
 彼が言うには、日本のメディアで一人の中国人について詳しく紹介するなら、それはそのまま日本人にとって中国人のイメージとなるのだから、それにふさわしい代表的な好人物を選ぶべきだという。それが本当の中国の姿に限りなく近いだろうし、結果的に日中の関係をよくするから、と。
 私は彼の話を聞きながら、映画『紅いコーリャン』を思い浮かべていた。チャン・イーモウ監督のこの映画は1989年に公開され、ベルリン国際映画祭で賞を取った名作だ。ところが、中国の農村の無法者を主人公にしたストーリーだったため、当初は「国辱映画だ」「どうして自分の国のこんな恥ずべき一面を外国に見せなくちゃいけないのか」と人々から批判の声を浴びたそうである。このことを知ったとき、私はまず中国の人たちの民族意識に驚嘆した。日本人としての自覚と誇りにいま一つ欠ける自分がその立場なら、「ま、いーんじゃない」となんとなく支持したか、あるいは端から無関心であったかもしれないからである。そういえば以前、列車に窓から乗りこむ人々を写真に撮っていて、車内で親しくなった隣席の青年から「中国の恥だから、そのフィルムを渡してくれ」と懇願され、はっとしたこともあった。
 今、目の前の知人はチャンインを「外」に知られたくない中国人だと言っている。それは彼が中国人の問題点を「身内」として憂えているからに違いなかった。私は自分が生来持ち合わせない感情を持っている知人が少しうらやましかった。
 しかし、かといって「では、やめましょう」という気になったかと言えば、そうでもない。彼の言うようにみながそろって心清く行い正しき人を紹介すれば、中国は聖人君子だらけのうす気味悪い国ということになってしまわないだろうか。百歩譲ってチャンインの価値観が少数派だとしても、その生き方が公開に値しないとは言えないと思う。それに第一、チャンインは確かにひとクセあるが、少なくとも私にとっては魅力的な人だ。そのパワーの来歴を知りたいからこそ、今回の事を企てた。まかりまちがっても誰かの揚げ足を取ってやろうなどという大それた考えからではないのである。
 話のかみ合わない議論は数時間におよんだ。彼の非難はいつからか要望に変わっていた。
 「話題性のある主流の上海人を何人か紹介するから思いとどまってくれないか」
 「(掲載前には)その文面を見せてほしい」
 思いがけない展開だった。彼は仕事柄、印刷前の検閲やテーマ選びのルールなど、第三者によるイメージ操作の実態と表現の不自由さを誰よりも知っているはずの人だ。内陸の純朴そうな青年が祖国をかばいたいあまりにフィルムを要求するのとは、ちょっとわけが違うはずである。この事態がどうしても飲みこめない私は、気心の知れたはずの知人を前に、ぼう然と言葉を失ってしまった。
 最終的に折れたのは彼のほうだった。半歩譲らぬこちらの頑固ぶりにあきれはてた末の「一時休戦」である。そして、この一件であまのじゃくの私はチャンインが重要人物だという思いをますます強くしてしまったのだった。
 そういったわけで、始まらないうちから物議を醸している「チャンイン研究」は、いよいよ次回からのスタートである。ちなみに、何も知らない当の本人であるが、いわゆる「少数派」である自覚など毛頭ない様子で、あろうことか「俺は中国の縮図だ」などと豪語している。私はそんな彼がやっぱり好きなのである。

かんばやし・さなえ…1978年生まれ、奈良出身。京都外国語大学中国語学科卒業。上海在住7年目。中国人の夫と姑との3人暮らし。

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□連載

おわびの極意 2月12日〜2月18日

読売新聞 2月12日 朝刊 p.20 14版
「訂正」
11日の米大リーグ・岩村の記事で、タンパ(米カリフォルニア州)とあるのは、(米フロリダ州)の誤りでした。

毎日新聞 2月15日 朝刊 p.1 14版
「訂正」
12日朝刊1面、「都道府県・政令市 政務調査費年183億円」の表で、仙台市の領収書添付状況が○とあるのは×の誤りでした。これにより添付義務づけがない自治体数は44が45に、また政令市で義務づけているのは8市から7市となります。

日本経済新聞 2月15日 朝刊 p.17 12版
「訂正」
14日付「KDDI、ドコモ、NTT そろって昨年来高値」の記事中、「販売奨励金の単価は下げない」とあるのは「販売奨励金の単価は上げない」の誤りでした。

毎日新聞 2月16日 朝刊 p.1 4版
「訂正」
14日夕刊「東京マラソン18日号砲」の記事と見出しで、用意されるバナナの数が「37万本」とあるのは、「3万7000本」の誤りでした。東京マラソン事務局が数を誤って発表し、15日に修正しました。

北海道新聞 2月16日 朝刊 p.32 16版
「訂正」
2007年交通死表で、昨年の死者数が14日に30人とあるのは26人、15日の31人は27人の誤りでした。訂正します。

毎日新聞 2月17日 朝刊 p.22 14版
「訂正」
16日朝刊「福島の不二屋食品が大福自主回収」の記事で、大福の製造時期が「昨年12月16日〜今年1月31日」とあるのは「今年1月17日〜31日」の誤りでした。

朝日新聞 2月17日 朝刊 p.30 14版
「訂正」
16日付「高裁、弁護士の懲戒請求」の解説「司法改革中の泥仕合に疑問」の中で、「東京高裁が東京高裁に提訴できる」とあるのは、「弁護士が提訴する先は東京高裁になる」の誤りでした。訂正します。

読売新聞 2月18日 朝刊 p.16 12S
「訂正」
11日の「湯川・朝永シンポ」の記事で、九後太一・京大基礎物理学研究所長の名字の読みは「くご」でした。

毎日新聞 2月18日 朝刊 p.23 14版
「訂正」
17日夕刊「感染症患者の腎移植」の記事で「梅毒ウイルスの反応が陽性の患者」とあるのは「梅毒の抗体の反応が陽性の患者」の誤りでした。

毎日新聞 2月18日 日曜版 p.3
「訂正」
4日の「スクリーンの向こうから」の写真説明で、「目の不自由な姫君」とあるのは「御中老」の誤りでした。

(山崎達之)

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□連載

どうでもいい話 第09回

015 『薬局の従業員』2007年3月12日午前、札幌市東区

薬…40歳代半ばの男性。白衣。薬剤師とおぼしい。

 薬「はいはい。はい。風邪。はい、風邪。どんな。どこが。はい、咽喉。はい、鼻。はい、関節痛い。熱は。わかんない? ああ、はい。えーっと、誰。ご本人。ご本人? あなた? あなたが風邪ね。あなたね、はい。えーっと、仕事中? あ、これから。はい。だったらこれ、えっ。何服んだ。何。ユンケル。そーれーはー、何分ぐらい前。うん、はい、問題ないです。はい。どうせ尿と一緒に出ちゃうから、うん。これ熱の調合しますから。はい、あとこれね。えーっと、ほんとはここで1回服めばいんだけど。服みますか。はい、服みますか。こっちこれ、あとこれ。これ粉、あっ粉だいじょぶ? 粉薬だいじょぶ? や、どっちにしてもオブラート付いてるからオブラートで服んで。はい、これあの、ユンケルみたいなもん、サービス。はーい、お湯で割りまーす、はーい、割りまーす。や、これ全部飲んで。全部全部。だいじょぶだから。ユンケル? だいじょぶ。こういうの飲み過ぎってことないの。尿んなって出てくるから。はい、2100円。どうぞお大事、あっ! 次8時ごろだからね! いやいや、8時ごろ。8時ごろ服んでね! オブラート付いてるからね!」

どうでもいい写真

(小笠原 淳)

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□連載

NEWSぱくりんこZ 第10回 (2007年2月12日〜2月18日採取)

2月12日、原田政彦氏と大橋秀行氏を囲む会。「ボクシング界発展には和が大切」と原田氏。輪島功一氏と具志堅用高氏は欠席。(『朝日新聞』2月13日付夕刊)

北海道武蔵女子短大は2月12日、前期入試「世界史」の出題ミスを発表。「アフメト3世」を「アメフト3世」と誤記していた。(『読売新聞』2月13日付夕刊)

自民党の中川政調会長は2月14日、似たような会議の設置を批判。「おかしいですか」と塩崎官房長官。(『読売新聞』2月16日付朝刊)

(山崎達之)

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□連載

危機の時代に 鈴木邦男・和多田進10年目の往復書簡 第07回

和多田進→鈴木邦男

「「民主主義」について」

鈴木邦男さま

前略
 「〈手段〉が民主主義的でなかったからこそ、〈結果〉の民主主義が達成された」という意味のことを何かの折に私が申し上げたということ、実は私が驚いている次第です。そんな深淵なことを本当に私が言ったのだろうか、と。もし言ったとしたら、いったいどんな文脈でだったのか、しばし考え込んでしまいました。しかし、これは私が言いそうなことではあるのです。一種、弁証法的な論法なんですから。
 そこで正確な事実関係を知りたくて、私たちの対談を企画した出版社に人を介して問い合わせたところ、テープもそれを起こした原稿も「どこに行ったか分からない」ということでした。開いた口が…です。まあ、そういうこともあるんでしょう。で、頭に力を入れて思い出そうとしたのですが、幕末、明治維新の話を鈴木さんがされて、それに対応して私が前記のようなことを口走ったのかもしれません。しかし、コトの真相は不明のままです。
 それはそういうことですが、よい機会ですから「民主主義」について私の拙い考えを鈴木さんにもお伝えしておきたいと思います。今回だけでなく、あと1、2回、「民主主義」についての私の考え方に耳(目)を傾けていただけますでしょうか。

写真
道7・東京江東区(写真・WATADA)

 私は、これまでに何度か「民主主義は最後のものではない」という主旨のことを述べたり書いたりしてきました。従って、端的に言うと私は「民主主義」というものを疑っている、ということになります。これが「民主主義」に関する私の第1の考えであり、根本的な考えなんです。
 第2は、「民主主義」には2つの側面があるだろうという理解です。「民主主義」には内容としての民主主義形式としての民主主義とがあるということであります。思想としての民主主義と形式(手続き)としてのそれ、と理解されても結構ですが、「民主主義」のこの2つの側面――内容形式は、相互に不可分の関係を持たざるを得ないことは言うまでもないと思います。
 第3は、「民主主義」は床の間の置き物ではない、という理解です。「民主主義」は一種の理想ですから、もしその理想を実現しようとすれば、それを永遠に追求しつづけるということにならねばなりません。ダンテにおけるベアトリーチェでしょうかね。
 まあ、そういうことですから、「民主主義」というのは、それを求める動きそのものということになります。それを求める動きそのものが「民主主義」なのです。ですから、その動きが止まってしまえば、そのとき「民主主義」も止まる、終わる、死ぬということになります。
 大雑把に言えば私の「民主主義」理解は以上のようなことであります。そういうわけですから、鈴木さんの記憶に残った私の発言? が生じる余地が出てくるのですが……・。
 しかし、ここでの重大問題は、私が最初に挙げた「民主主義は最後のものではない」という考えです。次回、端倪すべからざる知識人・葦津珍彦さんの言われるところから学びつつ、さらに私の考えをすすめてみたいと存じます。とり急ぎ。

草々

2007年(核時代62年)3月5日
和多田進拝

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■次号予告

 次号、乗りに乗った連載群―田野城寿男さんの『楽譜のいらない音楽授業』は第2回、岩崎稔さんの『大陸人の時間』は第5回、大竹正枝さんの『新・自然真営道』は第8回を迎えます。すべて足すと15回、すべて掛けると80回です! とくに意味はありません、計算してみただけです!
次の配信日は「春分の日」翌日。冬は過ぎ去っているでしょう。鍋の季節も遠い昔、海開きも間近です。「メルマガ北海道人」次号(第11号)は、3月22日(木)配信です!

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