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2006年7月26日公開・北海道人特集

食と文化を愛する仲間が集う拠点

今となっては数少ないレンガ倉庫 今となっては数少ないレンガ倉庫

←今となっては数少ないレンガ倉庫

     

 さて次は、いつも新しいアートに出会える、魅力的な人々に出会える、とっておきの場所へご案内しよう。たとえ遠くから来た旅人でも、ここにいる間はみんな「十勝人」になれるはずである。いろいろな人を、すんなり気持ちよく迎えて、ドーンと受け入れる空気。この空気こそ、十勝の空気なのだ。

北のれんがを愛する人々

 帯広駅から東へ歩いて10分ほど、静かに歴史を刻む大きなレンガ倉庫が見えてくる。
 この倉庫と元・帯広第二尋常小学校の木造校舎、古い民家が残る一角を、人々が憩い、国内外の作家が作品を発表できる場にしたいと、2年ほど前から建物再生プロジェクトが進行している。2005年には有志によってNPO法人「北のれんがを愛する人々」が立ち上げられ、心地よい街角づくりを実践中だ。

改装した民家は、当時に戻ったような錯覚さえ覚える

↑改装した民家は、当時に戻ったような錯覚さえ覚える

 
落ち着いた雰囲気の店内

↑落ち着いた雰囲気の店内

 
北のレンガを愛する人々、代表の相原正美さん  

↑北のれんがを愛する人々、代表の相原正美さん

 

 レンガ倉庫は築およそ90年。かつてはリンゴ倉庫などに使われ、現在は、故・浦島甲一氏の写真ギャラリーとして公開している。保冷のために天井に張り巡らされたパイプや、温度や湿度を調整するための瓦、もみ殻の数10センチメートルにも及ぶ断熱材――レンガ倉庫には、いま、なお価値ある職人の「知識」と「技」が投入されている。
 彫刻家で代表の相原正美さんは、「古いものを壊すのは簡単なこと。長い月日を積み重ねてきたものや、当時を想わせる雰囲気もできる限り生かしたい」と再生への思いを熱く語る。
 2005年末、古い民家は「鍋と炙りの店・古季庵(こきあん)いろり」となった。これからは元小学校の建物の改修を手掛け、多目的に利用できるステージなどが誕生する予定。倉庫を核に、ゆっくり時間をかけて、多くの人々の手を経て、夢の街角を創り上げてゆく。今後の変貌ぶりに目が離せない。

[関連情報]

北のれんがを愛する人々
住所:帯広市東2条南12丁目2-1 電話:0155-28-7748
http://www.kitanorenga.com/

・浦島甲一 写真ギャラリー
11時〜18時、火曜定休

・古季庵いろり
昼11時30分〜14時30分、夜17時〜22時


カフェレストラン 絵麗

人気のカニパンとコース料理

↑人気のカニパンとコース料理

 

 閑静な住宅街に建ち、隠れ家のような雰囲気を持つ「絵麗」。オープンして30年、現在の場所に移転して10年になる。店内には画家でもあるオーナーの素敵な静物画などが飾られ、目を楽しませる。そのためか画家やカメラマン、陶芸家などもよく訪れ、「ここでなくては」と開店当初から通い続けるファンが多い。
 長年の人気を支える秘密の一つに、「カニパン」がある。カニの形が何とも愛らしいパンで、独特のやさしいほのかな甘み。喫茶店として開店した当時、他店との差別化を考えて手作りパンを販売したのがきっかけで、形もレシピも当時のままだ。
 食事は、東京や軽井沢のレストランで修業を重ねたオーナーの息子さんが腕を振るい、世界各地の味を提供する。自らの足で求めた地元食材も積極的に取り入れ、冬場には、十勝産のエゾシカ肉料理も登場する予定だ。


[関連情報]

・カフェレストラン 絵麗
住所:帯広市西18条南5丁目1-95 電話:0155-41-3181
営業:平日10時30分〜23時、日曜・祝11時〜21時、無休

カフェレストラン 絵麗

FLOWMOTION(フローモーション)

 帯広駅南口から西5条通へ歩くこと約5分、細い道を入ると、ひっそりと、まるで何かを待ちぶせするように「フローモーション」は建っている。古い民家を改装した空間で、雑貨と本の販売、アートギャラリーカフェを展開。洋書やデザインの専門書籍から、身近な生活に関するアートの本、道内で活動する作家のかわいい雑貨の数々…高坂光尚(みつひろ)オーナーの目利きで仕入れた品々が並び、つい時間を忘れ見入ってしまう。
 高坂さんは、2002年に「デメーテル」のボランティアスタッフとして参加したのを機に、自身も雑貨作りを手がけるようになった。その体験から、「現代アートといっても難しく考えることなく、身近に感じることができた。今の時代を一緒に生きている人が思い思いの作品を作り、披露する場を作りたかった」と話す。
 併設のギャラリーでは、不定期に写真、ポスター、絵画などさまざまな十勝の作家の個展を開催。また、さまざまなアートの企画を継続していこうと有志が立ち上げた「デメーテル学校」の活動にも使われる。「デメーテル」がまいた種はあちこちで小さな芽を出し、日々確実に育っている。

さまざまな本が美しく並んだ店内。

↑さまざまな本が美しく並んだ店内。カフェでは香り豊かなコーヒーや、手作りケーキ、キッシュなどが味わえる

[関連情報]

・FLOWMOTION
住所:帯広市西5条南13丁目11 電話:0155-21-5506
営業:11時〜20時、火曜不定休
http://flowmotion.or.tv/

*北海道人の特集「大地のアート」でも、フローモーションの記事を掲載しています。
http://www.hokkaido-jin.jp/issue/sp/200509/sp_13.html


弘文堂画廊

 1965年、道東初の画廊として帯広市内の西2条通に開設された「弘文堂画廊」。現在は「六花亭」本店の3階に移り、アートを愛する人々や地元作家の強力な拠点となっている。
 「十勝と中央との橋渡し役を担い、双方の交流の場になれば」と語るのは3代目の小藤田直道社長。確かな目で展示作品を厳選し、十勝や帯広の作家の才能を広く発信する役目を、きっちり押さえている。また、「お客さまには深い静けさの中で癒しを感じていただきたい」というように、街の中心に位置しながら、安らぐ非日常空間の提供にも力を注ぐ。
 移設して1周年となる2006年9月1日には、道東出身作家の「赤穴 宏展」の開催を予定。今後も、地域のアート文化の発展に欠かせない役割を果たしてゆくだろう。

[関連情報]

・弘文堂画廊
住所:帯広市西2条南9丁目6 六花亭本店3階 電話:0155-23-4517
営業:10時〜19時(最終日は16時で閉廊)、水曜定休
http://kohbundo.jp/top.htm

弘文堂画廊のギャラリー。

↑弘文堂画廊のギャラリー。入口からも作品が見える

 
小藤田直道社長  

↑小藤田直道社長

 

寄り道グルメスポット

手土産に、散歩途中に、懐かしい味のおやきを

■高橋まんじゅう屋
住所:帯広市東1条南5丁目 電信通沿い 電話:0155-23-1421
営業:平日9時〜21時、日曜・祝9時〜20時、水曜定休(祝日の場合は翌日)

 「たかまん」の愛称で親しまれる、50年以上の歴史を持つ老舗おやき店。焼きたての皮はふんわり、あんはやさしい甘さでしっとり。良質の卵とバターをたっぷり使い、家族一丸となって変わらぬ味を守り続けている。「企業秘密」という独特のソフトクリームにはまる人も多い。

おやき(あん・チーズなど)各90円、いつまでも変わらぬ美味しさが嬉しい

↑おやき(あん・チーズなど)各90円、いつまでも変わらぬ美味しさが嬉しい


TOKACHIミニコラム エゾシカ

 北海道各地の森で、エゾシカの食害が問題となっている今、十勝でもエゾシカの有効利用が求められている。そもそも鹿肉は、フランスのクリスマス料理や、ノーベル賞授賞式に必ずお目見えするほどの高級食材。さらに、身体を温める作用や滋養強壮の効果を持ち、鉄分が多く、高タンパク、低脂肪であることから、ヘルシーな肉として注目を集めている。そこで、十勝でいますぐ手に入る、エゾシカ有効利用グッズを探してみた。

エゾシカハンバーグ(150g×6枚入り)1,418円、エゾシカ味付カルビ(500g)1,470円
美味しいと評判の「エゾシカハンバーグ」

■上田精肉店
住所:新得町1条南2丁目7番地 電話:0156-64-5107
営業:8時〜18時、日曜定休
http://www.ezodeer.com


↑エゾシカハンバーグ(150g×6枚入り)1,418円、エゾシカ味付カルビ(500g)1,470円 ※地方発送可

 独自のスパイスをきかせたハンバーグで、ふっくらと柔らかくジューシーで、驚くほどクセがない。新得町内で秋から初冬にかけて捕獲される、脂ののったエゾシカ肉のみを使用。子どもからご年配の方まで食べやすく、評判も上々。

十勝開拓者リュック34,800円

↑十勝開拓者リュック34,800円
※受注販売なので購入の際はお問い合わせを

十勝発の新しいブランド「十勝開拓者リュック」

■とかちアドベンチャークラブ(販売元)
住所:新得町屈足539−21 電話:0156-65-2727
営業:9時〜18時、夏季無休
http://www.tac-go-go.com/

■NPO法人コミュニティシンクタンクあうるず(企画)
http://www.netbeet.ne.jp/˜owls/


 こちらは肉ではなくエゾシカの「皮」を利用。きめ細かく柔らかな鹿革を正面と底部に使ってリュックに仕上げた。白井要一氏のデザインによるシンプルな形は、年代を問わず永く愛用できそう。売上げの5パーセントは森づくりの活動にあてられ、エゾシカによってダメージを受けた森の再生にも参加できる。

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