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ぜいたくな時を過ごす場所 2006年7月12日公開・北海道人特集

温かな部屋を持つ、都市のリゾートホテル ホテルオークラ札幌(札幌市)

ホテルオークラ札幌

ホテルオークラ札幌 ただいま、と言って戻りたくなる部屋である。優しげな色合いの木を多用した室内は、広々として、温かで、人が手厚くケアしていることを感じさせるぬくもりに満ちている。ベッドには、一つ一つ丁寧に折られたツル。窓辺と枕元にともるオレンジのランプは、よく見るとシェードが薄い木の板だ。灯の温かさに、木の生きたぬくもりが加わっている。

 街歩きや観光に心浮き立って戻る部屋が、ただ寝るばかりの、狭く味気ないものだとしたらこれほど興ざめなことはない。楽しい気分を持ち帰った旅人を、自ら喜んで迎えてくれるかのような部屋を持つ宿。都会でそんなリゾート的感性を望むのは無理だ…と思いきや、それが実際、ここ札幌の真ん中にあるのだから驚いてしまう。

 全147室。都市のホテルとしては極端に客室数が少ないが、部屋数を増やす計画はない。ゆったりと、長期滞在にも耐えうる居心地よさの“都会のリゾートホテル”であり続けたい、という方針だ。収容人数が少ない分、お客との距離は近い。よほどの繁忙期でなければ、お客の顔と名を覚えるのは基本。外出から戻れば、名を呼びかけて「お帰りなさいませ」と迎えてくれる。フロントでは、名のる前にキーが用意される。

木のあたたかさが生きた「スカンジナビアン・コンテンポラリー」がコンセプトの室内。

←木のあたたかさが生きた「スカンジナビアン・コンテンポラリー」がコンセプトの室内。大きな鏡がさらに広さを演出する。デスクはノート型パソコンが楽に置ける奥行きがあり、ここで手紙を書くのも、お土産を並べて見るのも、ゆったりお茶とお菓子を楽しむのも…何でもできるのがうれしい。

ランプのシェードは、薄い木の板。ぬくもりの通う灯りを投げかける。

←↓ランプのシェードは、薄い木の板。ぬくもりの通う灯りを投げかける。

ランプのシェードは、薄い木の板。ぬくもりの通う灯りを投げかける。

→ベッドにはゲストを迎える折り鶴。これを折った客室スタッフの責任者には、ホテル開業時にぜひにと望まれ、オークラ東京から移動してきたベテラン男性がいるという。行き届いたケアに納得だ。

ベッドにはゲストを迎える折り鶴。
穏やかな静けさに包まれたロビー。
“フロントのない”ホテルである。到着したお客を迎えるのは、ロビー片隅にしつらえられたデスク。

↑穏やかな静けさに包まれたロビー。遠来のお客をまず迎えるのは、ふんわりと体を包み込むソファ。リビングのような居心地よさの中、チェックインをすませる。

↑“フロントのない”ホテルである。到着したお客を迎えるのは、ロビー片隅にしつらえられたデスク。チェックインのためカウンターにずらりと人が並ぶ光 景は、ここにはない。名前などの記入は、ソファに座ってゆったりと行えばいいからだ。逆にチェックアウトは、待たせることのないよう簡略かつ迅速に、デスクに出現するカウンターで行う。近所のお店情報から道内観光情報、冬には周辺道路の凍結状況の情報まで、このデスクで提供してくれる。

 全国に冠たるオークラグループを貫く信条は、最上のACS(アコモデーション=施設、キュイジーヌ=料理、サービス)の提供。札幌にもその精神は濃く流れているが、東京ほか全国の同ホテルを知る常連客たちからは「まだまだお叱りを受けることもございます」とのこと。「札幌はこの程度でいい」と、客もスタッフも甘んじない。その緊張が、ホテルの質を高めていく。

 とはいえ館内に流れるのは、穏やかで上質な時間。団体客がいないので、あの観光ホテル独特の、押し寄せては引いていく慌ただしい空気がここにはない。一日中をホテル内で過ごしたとしても、都会の真ん中にいると感じるほどの喧噪はないかもしれない。
 夜、眠りにつくまえに一杯、美味い酒を楽しみたいときは、1階のバーに足を運べばいい。紳士のスポーツ、ゴルフをテーマにしつらえた店内には、ゴルフ発祥の地スコットランドにちなみ、芳醇なモルト・ウィスキーの銘酒がそろう。

ゴルフをテーマに2年前に改装した1階の「ゴルファーズバー ショットメーカー」。

↑ゴルフをテーマに2年前に改装した1階の「ゴルファーズバー ショットメーカー」。寝酒を求めて下りてくるゲストをはじめ、会合帰りに立ち寄る数人連れから一人でカクテルを楽しむ女性客まで、さまざまな人が集う。エグゼクティブルーム宿泊者とオークラクラブ・メンバーにはワンドリンクサービスあり。

5階にある茶室「関松庵」。都会のホテル内とは思えない風情をたたえている。
地階の広東料理レストラン「桃花林」。

↑5階にある茶室「関松庵」。都会のホテル内とは思えない風情をたたえている。イベントに利用したり、茶事・茶会を催したりするほか、事前に予約があればだれでも呈茶を楽しむことができる。

2005年7月にリニューアルオープンし、本店(東京)を知るゲストからも、「まるで本店と同じ味」と評判高し。

↑地階の広東料理レストラン「桃花林」。ゆったり落ち着いて食事ができる個室感覚で仕切られているが、閉塞感がないよう、仕切りにはやわらかなレースの布や竹林をモチーフにした仕切りを用いている。

↑2005年7月にリニューアルオープンし、本店(東京)を知るゲストからも、「まるで本店と同じ味」と評判高し。上質なスープとカニの卵をたっぷり使う「フカヒレスープ」は、コク深い逸品。「季節野菜と牛肉の炒め」は、上質の肉をやわらかく仕立て、「野菜の持つ、生きた色と食感を残す」がポイント。オイスターソースの旨みが効く。「大正エビのチリソース煮」は、ぷりぷりしたエビとしゃきしゃきネギの歯ざわりが快感。辛さは希望に応じて調節できる。

ホテルオークラ札幌ホテルオークラ札幌

住所:札幌市中央区南1条西5丁目
電話:011-221-2333
http://www.sapporo-hotelokura.co.jp/
チェックイン:13時から
チェックアウト:12時まで
宿泊費例:2名1室利用=「スイート」1室9万円、「エグゼクティブスーペリアツイン」1室4万3050円、「スーペリアツイン」1室3万4650円など(税込・サービス料別)
アクセス:■JR/新千歳空港から札幌駅まで約35分 ■車/JR札幌駅から約5分 ■地下鉄/南北線・さっぽろ駅から大通駅まで約2分、大通駅から徒歩1分


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