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こだわりの旭川散歩ー文学と自然と匠の街を歩く

北海道人・2006年6月28日特集


その3・インテリアの拠点で家具を楽しみ歩く―カンディハウス・コサイン・旭川家具センター

 木の街・家具の街である旭川には、市内に数多くの家具メーカーや工房が点在している。大規模なショールームを持つ「カンディハウス」「旭川家具センター」、女性を中心に人気の工房「コサイン」があるのは永山エリア。この界隈だけでも「家具散歩」が楽しめるが、神楽、神居ほかのエリアにも個人の工房が設けられ、中には公開しているところも多いのでチェックを。
 また、JR旭川駅から宮下通を東へ10分ほどの場所には、旭川在住の世界的イス研究家・織田憲嗣さんのコレクションを展示する「チェアーズ・ギャラリー」があり、これも興味深い。

カンディハウス

 “重い、大きい、暗い”と思われがちだった旭川家具が、そのイメージを脱ぎ捨てる先駆的存在となったのが、昭和43年に創業した「インテリアセンター」、現「カンディハウス」。創業者・長原實氏がドイツ研修で学んだ、本場ヨーロッパの技術・デザインを生かし、ハイセンスで軽やかな脚モノ家具(イス、テーブルなど)を中心に展開、また自社でショールームを持つなど、積極的に撃って出たのが業界の刺激となった。

家具イメージ

 旭川本社3階の2200平方メートルに及ぶショールームには、シチュエーションごとにコーディネートされた家具が、ミュージアムのように整然と展示されている。いつかこんな逸品が欲しい…と、うっとりしながら見て、さわって、回るうち、夢がどんどんふくらんでいく。この楽しさで、1時間はゆうに過ごせそうだ。
 近年は旭川家具組合が積極的に海外に目を向け、1月にはドイツ・ケルンの国際家具見本市に「旭川家具」として出展。また、3年に一度、旭川で国際家具コンペティションも開催しており、その入選・応募作の中から、今年カンディハウスの新作として登場する商品もあるそう。チェックしに行く価値、大いにあり、だ。


スライド式に広がるローテーブル

スライド式に広がるローテーブル。ケルンのショールームにも同じ商品が展示されている。


カンディハウス
関連情報

■カンディハウス
住所:旭川市永山町6丁目 電話:0166-47-9911
営業:10時〜18時、水曜定休
URL:http://www.condehouse.co.jp/asahikawa/

全国12拠点ほかサンフランシスコやケルンにもショールームがあり、国内外の最新情報をダイレクトにキャッチ。商品に反映させている。本社1階ショップでは、国内外のシンプルで質の高いインテリア小物の販売も。

■チェアーズ・ギャラリー
住所:旭川市宮下通11 蔵囲夢(くらいむ)内 電話:0166-23-3000
営業:10時〜18時(5〜10月)、11時〜17時(11〜4月)、月曜定休


カンディハウス

 インテリア雑誌に限らず、シンプルで機能性の高い小物を紹介するページで「cosine」の文字をよく目にするようになってきた。札幌や京都の雑貨店で、「お、いいね」と手にすると…「あ、コサイン」ということも多い。
 そんなコサインがカンディハウスの協力で産声をあげたのは、19年前。「スタート当時は同社の仕事をしながら、少しずつ自社の製品を開発していって…」と、星幸一社長。1988年、大型家具が主流の旭川では、生産時にどうしても「端材」が出てしまう。小さくても良質な木材たちが、捨てられたり燃料になってしまうのは「もったいない」。これを何とか有効活用しよう!と、コサインは社員3人で誕生したのだ。クラフトマンとしての木への愛情が、知恵と工夫とデザインを生み、時計やペン立てなどなど、暮らしの中に生きる商品を生み出し始めたのだった。

 今では端材を使う商品ばかりではないが、木への思いは変わらない。「100年生きた木の命で、100年使えるモノを作る。その中には、100年の気が宿るはず」と語る星社長は、「ぼくがしたいのはモノ作りより、コト作りなんです」とも言う。コト作りとは、「ストーリーを伝えていくこと」。この木が、こういう人によって、どんな思いで、こんなモノに生まれ変わった。それを知った人がモノを通じて別の人に伝え、そのモノを手にした人がまた…。人の思いの連鎖の中に、木の命が受け継がれてゆく。

イメージ コサインの思いに共感してくれる仲間を増やそうと、3年前、小冊子「toil(といる)」を発行し始めた。社員とコピーライター&デザイナーによる女性3人チームの手によるそれは、自社情報ほか旭川のマチ情報をまとめたシンプルなもの。タイトルには、「木といる、あなたといる」という意味を込めた。愛読者を“といりすとさん”と呼び、ページから抜け出したような「といるギャラリー」を事務所1階に設置した。自社・他社問わず、イイものを大事に使って、心豊かな暮らしをと望む人々なら引かれずにはいられないアイテムが並ぶ。
 「売らんかなの精神で次々作るのではなく、必要なものを要るだけ作って、その背景にあるストーリーをきちっと伝えていきたいんです」。社長は真っ直ぐな目で、そう語ってくれた。


「コサイン」社長の星幸一さん。

「コサイン」社長の星幸一さん。いつも商品を扱ってくれている全国のショップを駆け回り、その様子がホームページのブログで人気になっている。「やりたいことはたくさんある! でも、今ある商品を輝かせ続けることも大事。お世話になっているショップを輝かせ続けることもね」とパワフルな言葉を聞かせてくれた。


オイルフィニッシュの製品には、植物性のオイルを使用。オイルフィニッシュの製品には、植物性のオイルを使用。最初は真っ白な木のイスやテーブルが、持ち主がまめにオイルを塗ったり、自然の陽光をあびることで優しいあめ色になっていく。それを知らず、「こんな白いのが欲しいんじゃない」と返品したお客さんもいたそうな。


いろんな形の端材をまとめ、「こっぱっぱ」として販売。

いろんな形の端材をまとめ、「こっぱっぱ」として販売。これを貼り付けて壁時計にデザインを施す講座を各地で開催している。創作欲が刺激され夢中になる大人も多いが、子供の方が斬新なものを作るそう。

工房内は、電話で予約すれば見学可。

工房内は、電話で予約すれば見学可。


コサイン
関連情報

■コサイン
住所:旭川市永山町6丁目 電話:0166-47-0100
営業:9時〜17時、工場稼働日のみ「といるギャラリー」オープン
URL:http://www.cosine.com/

カンディハウスの協力会社として昭和63年に創業。同社で得たノウハウを生かし、生活に彩りを添えるアイテムを制作。約20人のスタッフのうち半数は女性。技能オリンピックで女性初の優勝に輝いたスタッフもいる。


旭川家具センター

 ブースで仕切られた1000坪もの巨大な空間を、1000点以上の家具が埋め尽くす様は、まるで「家具の森」か「家具のテーマパーク」。インテリア好きにはたまらない。2フロアに分かれて約30団体の商品が網羅され、「ここを訪れれば旭川家具のほとんどすべてが分かる」と言えるほど。実際、観光バスが乗り付け、観光客がインテリア鑑賞を楽しんでいくケースも増えている。「旭川に来たら、動物園と家具は見なきゃね」という流れができたら、新たな展開として面白いと思う。

フィンランドの家具デザイナー、P・ミッコラのロッキングチェア

フィンランドの家具デザイナー、P・ミッコラのロッキングチェア。93年のコンペティション参加が縁で、旭川のメーカー「匠工芸」から商品化された。

 「旭川の家具の『価格は高めだけれど、その分モノがいい』というイメージは、もう定着しつつあります。今後も地道にアピールし続けることで、家具産地として広く認められていくことを願います」と、同センターのスタッフ杉本啓維さん。3年に一度開催してきた国際家具コンペティションの成果も少しずつ現れ、「参加作品やその作家の別のデザインが旭川のメーカーで商品化されるケースもある」という。場内で特別にコーナーを設けている「旭川工房家具の会」の商品も必見。市内9工房の個性的なイスやテーブルほかが並ぶ。


旭川家具センター
関連情報

■旭川家具センター
住所:旭川市永山2条10丁目 電話:0166-48-4135
営業:9時〜17時、無休
URL:http://www.asahikawa-kagu.or.jp/

各メーカーのオリジナル家具を一堂に展示する直営ショールーム。最新情報を提供するほかインテリアコーディネーターの資格を持つスタッフが、トータルコーディネートの相談に応じる。旭川家具を知りたければここへ。


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