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桜の国の北海道

北海道人・2006年4月特集

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石割桜。5年ほど前から樹木医が治療にあたり、肥料を与えたり、周りの木を切って光が当たりやすいよう配慮したり、細かな手入れが行われている。

△石割桜。5年ほど前から樹木医が治療にあたり、肥料を与えたり、周りの木を切って光が当たりやすいよう配慮したり、細かな手入れが行われている。

 副住職の木立真理(きたち・まり)さんにお話をうかがった。
 「石割桜は、蝦夷三官寺になってすぐ、2代め住職の鸞州(らいしゅう)が植えたものです。鸞州さんは江戸時代に寺の礎を築いた人です。みんなで力を合わせて、石を割るくらいの強靱な心をもってがんばろう、という気持ちを込めてこの木を植えたと伝えられています」
 約200年もの間、石のわずかな割れ目から養分を吸い上げ、力強く生き続けてきた石割桜は、くりかえす駒ヶ岳や有珠山の噴火など多くの苦労を乗り越え、人々を励ましてきたのだろう。
 「私は27年前に函館から嫁いできたのですが、桜の時期には本当にたくさんの方がお参りにいらしてびっくりしました。お寺の景色と、山の青い大木と、可憐な桜の花と。花はそんなに多くないのですが、歴史ある佇まいを楽しむ方が多いのだと思います」

善光寺・副住職の木立真理さん。「お寺にある多くの木や花は、寺の世話人をはじめ、たくさんのボランティアの方々に守られて育っています」。

△善光寺・副住職の木立真理さん。「お寺にある多くの木や花は、寺の世話人をはじめ、たくさんのボランティアの方々に守られて育っています」。

 寺の周囲は大きな公園になっていて、1000本を越す桜のほか、ミズナラ、カシワ、スギ、イチイ、イチョウなど、見事な大木が多い。
 また、春から秋までさまざまな草木があたりを彩る。早春のエンレイソウやカタクリにはじまり、5月になると桜と同時にやわらかな青葉が山全体を包む。その後、大きなボタン、燃えるような真紅のツツジが次々と咲き、初夏からお盆までは何百株ものアジサイが咲きほこる。秋になると黄金色のイチョウの葉が寺を染め上げ、やがて静かな冬がやって来る。

1988(昭和63)年に修復を終え、200年前の姿をいまに伝える善光寺本堂(写真左)と客殿(写真右)。夏季は一般開放しているので、内部の見学もできる。また、境内にある「有珠郷土館」には国の重要文化財に指定された貴重な品々が展示されている。

△1988(昭和63)年に修復を終え、200年前の姿をいまに伝える善光寺本堂(写真左)と客殿(写真右)。夏季は一般開放しているので、内部の見学もできる。また、境内にある「有珠郷土館」には国の重要文化財に指定された貴重な品々が展示されている。

■有珠善光寺(うすぜんこうじ)
桜の見ごろ:例年5月上旬から6月中旬 ※「有珠郷土館」の見学は事前に電話連絡が必要です。
住所:伊達市有珠町124
電話:0142−38−2007
交通:JR室蘭本線有珠駅から徒歩約20分、または道央自動車道虻田洞爺ICから約20分

■関連リンク

■おもな参考文献

  • 『善光寺資料総目録』(平成17年10月1日発行)

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