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いろいろ迷うのもまた楽し 個性ゆたかなチーズケーキ ボーノボーノ 〜札幌市

「ポテトモンブラン」(写真右)と「チーズシュー」
▲北海道産のクリームチーズを使った「ポテトモンブラン」(写真右)と「チーズシュー」。

 もとは同じ牛乳なのに、そこから生まれるナチュラルチーズは不思議なくらい種類が多くて、奥が深い。好みのチーズを探す楽しみ、食べ比べる楽しみ、制覇する楽しみ…ナチュラルチーズはとても趣味的な要素の強い食べ物だと思う。

 さて、ひと昔前にチーズケーキといえば、真っ白なレアチーズか、黄色いベイクドタイプの2種類しかなかった。定番だけれど、華やかな主役にはなりにくいケーキ、というイメージ。その後、10年ほど前にスフレタイプのやわらかいチーズケーキが爆発的な人気をよんで、いまは少し落ちついてきたところだろうか。
 そんななか、12年前から札幌でチーズケーキ専門店を開いている田中佑子さんにお話を聞きに行った。店は、札幌でも洋菓子店の多い地区、中央区の円山にある。

 ショーケースには、いつも20種類以上のチーズケーキが並んでいる。
 クリームチーズをベースにしたものが多いが、それだけではない。イタリアのマスカルポーネ、リコッタ、フランスのカマンベール、ブルーチーズのケーキまである。姿かたちもさまざまで、このなかからいくつかだけを選ぶのは至難の技だ。常連のお客さんが多いのは、きっと毎回悩みぬいた末に、「今日はコレとコレ、この次はアレ」と次回のことまで考えるからだろう。

 「特別なことはしていないんですよ。少しずつ種類を増やして、いろいろなケーキを作っているうちに、ここまで来たという感じです」と田中さんはゆっくり話しはじめた。田中さんが当時ほとんどなかったチーズケーキ専門店をはじめたのは、たまたま知人に「やってみたら?」と薦められたのがきっかけだった。それまでは「料理好きのふつうの主婦」だったという田中さん。家族の食卓をととのえるような気持ちで、あたりまえのことを丁寧にやってきただけ、と控えめに言うけれど、その発想力と行動力はやっぱりすごい。

 いつも新作のチーズケーキを考えていらして、2005年の秋には、北海道産のジャガイモ(アンデスレッドという皮の赤い種類のお芋)と、クリームチーズを使ったモンブランが登場した。栗のペーストの部分が、甘味をおさえたジャガイモのペーストで、北海道産とオーストラリア産のクリームチーズをブレンドして使っている。
 「道内のチーズもいろいろ食べてみて、このケーキには、このクリームチーズがぴったりと思って選びました。味がとてもまろやかなんです」と田中さん。
 彼女の作るチーズケーキは、どれもシンプルな顔をしている。大げさな飾りや表面を覆い隠すようなクリームはあまりない。それだけに、微妙でやさしいチーズの色合いがよくわかる。その味わいもしかり。チーズ好きにはたまらない店である。

マスカルポーネを使ったミルクチョコのティラミス
▲マスカルポーネを使ったミルクチョコのティラミス

半熟カマンベールのチーズケーキ
▲とろりやわらかい半熟カマンベールのチーズケーキ

ゴルゴンゾーラのチーズケーキ
▲ワインが欲しくなるゴルゴンゾーラのチーズケーキ

ボーノボーノの定番「ケーゼ」
▲低温でじっくり焼いたボーノボーノの定番「ケーゼ」

田中佑子さん
▲田中佑子さん

北海道産の素材に注目! クリームチーズ
クリームチーズ

酪農王国北海道では、各地でいろいろなナチュラルチーズが作られ、生産量も種類も年々増えている。そのなかで、日高の門別町に本社のある北海道日高乳業は、道産の新鮮なモッツアレラチーズを全国に販売することで知られる。ボーノボーノでは、日高乳業のクリームチーズを何種類かのチーズケーキに使用している。まろやかで酸味が少なく、洋菓子などの材料に最適。

チーズケーキカフェ・ボーノボーノ

[関連情報]

■チーズケーキカフェ・ボーノボーノ

住所:札幌市中央区南6条西24丁目1-18 Y'S南円山1階
電話:011-552-5833
営業:11時〜20時
定休:火曜日

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