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取材・文・写真/編集部

道産イチゴたっぷりのケーキ
  ▲道産イチゴたっぷりのケーキが勢ぞろい。

北海道で活躍するパティシェたち swing,swing!イチゴのケーキ スウィング・キッチン〜札幌市

札幌市東区の住宅街にある「スウィング・キッチン」。ゆったりとジャズが流れる店には、北海道の旬のフルーツをぜいたくに使ったケーキがならぶ。オーナーパティシェは、松浦抄織(まつうら・さおり)さん。自宅に開いたこの店で、ご主人の直樹さんと二人、アイディアあふれるケーキを作り続けている。
 まわりにフルーツの産地がある札幌は、「ケーキ作りに最適な場所」と松浦さんは言う。毎朝とれたてのフルーツが手に入るからだ。

松浦抄織さん
松浦抄織さん
  ▲松浦抄織さん

 スウィング・キッチンのケーキのなかで、圧倒的に多いのはイチゴ。ショートケーキ、タルト、ロールケーキなど多くのケーキに使われ、ケーキの顔ともいえる大切な存在だ。産地はおもに日高、新篠津、洞爺で、小粒でさわやかな甘酸っぱさのあるものを使っている。北海道産は、輸入物に比べ割高で、夏場は品薄になることもしばしば。しかし輸入物の甘さがなく味気ないイチゴとは違う、奥の深い味は、なにものにも変えがたい。
 松浦さんは、イチゴをモデルのように扱う。どうやって見せるといちばん魅力的か、イチゴひとつひとつに神経をつかう。そうして畑からやってきた素朴なイチゴが、ケーキになって生き生きと輝きはじめる。
 「見た人が思わず『わあっ、おいしそう!』って叫ぶようなケーキを作りたいんです」。そう言って松浦さんは子どものように無邪気に笑う。

洋ナシのコンポート

▲洋ナシのコンポート

 今年の秋は、ちょっと変わったお菓子が登場した。「洋ナシのコンポート」は、まるごと皮をむいた洋ナシを、赤ワインのソースで煮たもの。余市産の「ブランデー」という品種で、松浦さん自身が農家に足を運んで選んだ。ぽっこりとユーモラスな形に、ふんわり赤ワインの香り。食べると少し苦味を感じる、まさに大人のお菓子だ。

 余市産のフルーツはよく使っていて、9月になると種類もぐんと増える。たとえばデラウェア、ポートランドといったブドウや、プルーン、ネクタリン、リンゴなど。自家製のジャムも作っている。「ネクタリンのジャムなんて、もうやめられないくらいおいしいですよ」。そう言われると、想像して口の中がじわっとなってしまう。

 どれもフルーツの魅力があふれる松浦さんのお菓子。ケーキのうえで、フルーツたちが気持ちよくスウィングしている。

北海道の素材に注目! ひだかいちご

ひだかいちご

今回松浦さんが使用していたのは、日高地方の広域ブランド「ひだかいちご」として出荷されている「とちおとめ」。ほかに、北海道生まれの品種「けんたろう」などもある。
とちおとめは、1996年に栃木県の農業試験場で誕生した品種で、それまでのトップブランド「女峰(にょほう)」を超えるものをと開発された。比較的大粒で糖度が高く、鮮やかな色とツヤが特徴。2005年現在、栃木県を中心に作付け日本一をほこる。

パティスリー スウィング・キッチン

[関連情報]

■パティスリー スウィング・キッチン

住所:札幌市東区北21条東2丁目2-21
電話:011-743-5825
営業:10時30分〜19時
定休:日曜、第1・第3月曜(祝日の場合は営業)

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