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個性ゆたかな美術館めぐり

アルテピアッツァ美唄

「アルテピアッツァ美唄」芝生の庭に大理石を敷き詰めたゆるやかな流路が走る。

■静かに息づく彫刻たち

 石狩平野のほぼ中心、札幌市から北東へ約60キロに位置する美唄市に、「アルテピアッツァ(イタリア語で芸術空間)」と名づけられた場所がある。美しい芝生と、山や森のある公園のなかに、美唄出身の彫刻家・安田侃氏が彫刻をほどよく配し(作品数は現在約40点)、静かな緊張感と安らぎに満ちた空間となっている。
 1992年にオープンし、その後も少しずつ整備が進められてきた。
 敷地内には、1階が幼稚園として使われている古い小学校の校舎があって、2階は安田氏の彫刻を展示するほか、市民ギャラリーとして使われている。丁寧に修復された木造校舎の温もりは、作品を鑑賞するのにも、時間を忘れてのんびり過ごすにも気持ちがよく、四季を通じて多くの人が訪れる。

 少し離れて建つ体育館は、天井がとても高いため、楽器の音がちょうどよく響いてコンサートホールにぴったりである。市民コンサートが毎週のように開かれるし、年に何回かアーティストを招いてスペシャルコンサートが開催される(最近では矢野顕子さん)。ツヤツヤに磨き上げられた床に、グランドピアノが一つ。そしてここにも、白くやわらかく輝く大理石の彫刻や、ブロンズの彫刻がたたずんでいる。彫刻たちは、ひっそりと呼吸する森の動物のようだ。

安田侃氏の彫刻
▲体育館に並ぶ安田侃氏の彫刻。

 アルテピアッツァにいくと、いつもニコヤカに迎えてくれるスタッフのかたが、次のようなメッセージをくれた。

message
水の広場
▲「水の広場」。夏の間は水遊びの子どもでにぎわう。

 「こんな場所があったなんて驚きです」
 初めて訪れたアルテピアッツァの印象を、興奮気味に言葉にしてくださる方がいます。「いつ、どんなふうに、どこから見てもため息が出るほど美しくて、すごい場所ですねぇ」と。
 ここには、炭鉱町として栄えた賑わいの記憶がしっかりと刻まれていて、その記憶を大切にしながら安田侃が彫刻を配し、空間そのものを丹念に創りあげています。いつ、どんなふうに、どこから訪れても、人々をやさしく包みこむ包容力を持ちながら同時に多くの刺激を与えてくれる場でもあります。
 美唄という小さな町には、そんな場所があるのです。

[関連情報]

■アルテピアッツァ美唄
住所:美唄市落合町栄町/電話:0126-63-3137
開館:水曜〜月曜、午前9時〜午後5時
休館:毎週火曜、祝日の翌日(日曜は除く)、12月31日〜1月5日
入場:無料
URL:http://www.kan-yasuda.co.jp/arte.html

■NPOアルテピアッツァびばい
URL:http://npoarte.blog.ocn.ne.jp/
■安田侃氏のホームページ
URL:http://www.kan-yasuda.co.jp/

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