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日本一の動物園――旭山動物園

日本一の動物園――旭山動物園

旭山動物園イメージ画像

 

※旭山動物園は3月28日〜4月28日まで準備のため閉園します。
4月29日から、さらにパワーアップして開園しますのでお楽しみに!

 

 旭山動物園は1967年に開園した。 7月1日の開園式にむけて、旭川市からこんな案内文が出された。

 みなさんの動物園が旭山にできました。
 開園式をいたします。
 いろいろな動物たちもおまちしています。
 きっといい天気です。
  雨なら緑がかがやきます。

 それから約40年。数々の危機をのりこえて、旭山動物園の2004年度の入園者数は、この3月末で140万人を超えるという。新聞やテレビで旭山の名前を聞かない日がないほど、日本でいちばん北にある動物園が、日本一有名な動物園になった。日本一どころか、海外の新聞に「ペンギンの散歩」のようすが掲載され、インドからもファンレターが届くようになった。
 でも、この開園当時の温かいメッセージは、いまも昔も変わっていない。大人も子どもも、なんどでも、動物たちに会いに行きたくなる、みんなの動物園である。

 

 

「かわいい」より「怖い」が大事

 気温マイナス7度、冬のよく晴れた日に、旭山動物園のホープ・教育係の蓼原誠(たではら・まこと)さんに園内を案内してもらった。
 「教育係」というのは昨年春にできた新しい部門で、部員は目下蓼原さん一人。園を訪れる子どもたちを中心に、動物の説明をしたり、企画展の準備をしたり、人手の足りない動物の飼育係を手伝ったり、「とりあえず、なんでもする」という役どころである。
 子どものころから動物が大好きで、動物園で働くのがうれしくてたまらないという彼が、くわしく楽しく説明をしてくださった。じつは旭山動物園のことを書こう思うと、ホッキョクグマよりアザラシより、彼の姿を思い浮かべてしまう。

 それはさておき、旭山動物園の大きな特長は、動物の姿・形を見せるだけでなく、その動物がどんな動きをするか、どんな能力をもっているか、動物たちの「行動」を効果的に見せる工夫をしていること。これは「行動展示」とよばれ、他の動物園では見られないユニークな方法がたくさん取り入れられている。

 

プールのなかで、いろいろな動きを見せてくれるイワンとルル。 プールのなかで、いろいろな動きを見せてくれるイワンとルル。
プールのなかで、いろいろな動きを見せてくれるイワンとルル。

 

ほっきょくぐま館 まず大人気の「ほっきょくぐま館」に向かう。
 ここには現在、ロシア生まれの雄のイワン(4歳)と雌のルル(10歳)の2頭が暮らしている。ホッキョクグマ――英語でpolar Bearは、文字通り北極圏に生息するクマなので、当然、寒いほうが気持ちよく過ごせる。旭川の冬は彼らにとって、快適な季節にちがいない。私たちには少し寒いが、がんばって行こう。

 建物は2階建てになっていて、1階ではクマがプールで気持ち良さそうに泳ぐ姿を、2階からは陸上のクマをじっくり観察することができる。見る場所によって動物の印象がまったく変わるのがおもしろい。
 まだ若いイワンは、用もないのに(かどうかは不明だが)、ドブンドブンと勢いよくプールに飛び込み激しく泳ぎ回っていた。長い毛並みが水中になびいて美しい。
 分厚いガラス越しにイワンと目が合う。間違いなくこちらを見ているようだ。横を向いたときに、巨大でするどい犬歯が見えた。
 夢中でボール遊びをする姿はなんとも可愛いけれど、近くで見るとものすごく恐ろしい。蓼原さんにそう言うと、
 「そうでしょう。陸上最大の肉食獣ですからね。何年もエサをくれている飼育係のことでさえ、『いつか食べてやろう』って狙っているんですよ」
 蓼原さんはさらに続けた。
 「ぼくらは、お客さんがクマやライオンを見て『可愛い』と思うより、『恐ろしい』と感じてくれることを大事にしたいと思います。動物たちの『すごさ』とか『力』を感じてほしい。それを伝えられるのが旭山動物園ですから」

 

旭山動物園・教育係の蓼原誠さん。それぞれの動物について何を聞いても答えてくれる。

旭川市の東がわ、旭山にある動物園からは市内が一望できる。

 

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