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オホーツク海 流氷入門

オホーツク海 流氷入門
南極や北極を含め、地球の海の約10%が凍りつく。そのうち、日本のまわりで凍るのは北海道のオホーツク海だけ。
流氷とは・・・
 流氷とは、海の上を流れ、漂っている氷のこと。英語では drift iceまたはpack iceという。また、海水が凍ったものを「海氷」、川の水が凍ったものを「河川氷」、湖の水が凍ったものを「湖氷」という。海氷も河川氷も湖氷も、さらに地上に積もった雪が海に流れ出してできる「氷山」も、海に漂っている氷はすべて、流氷とよばれる。

 

流氷ができるまで
流氷

 冬になると海水は、上層部にある水と下層部にある水が対流をくり返しながら少しずつ冷えていき、全体の温度がマイナス1.8度まで下がると凍りはじめる。当然ながら海はとても深いので、これにはかなり時間がかかる。

 

【蓮葉氷】英語で「パンケーキアイス」とよばれる円板状の氷。流氷のできはじめに見られる。

【蓮葉氷】英語で「パンケーキアイス」とよばれる円板状の氷。流氷のできはじめに見られる。

 

【蓮葉氷】英語で「パンケーキアイス」とよばれる円板状の氷。流氷のできはじめに見られる。

 また、マイナス1.8度になったからといって、すぐ大きな流氷ができるわけではない。最初は水面近くで小さな氷の結晶(氷晶)ができ、さらに寒さが続くと氷晶が増えてくっつき合い、しだいに水面をおおう薄い氷になっていく。薄い氷は割れやすいため、割れた氷同士がぶつかり合い、ふちの盛り上がった丸い氷となる。これを「蓮葉氷(はすはごおり)」という。

 さらに寒さが続くと氷は厚く成長し、やがて海が完全に氷でおおわれ、いつしか一面の流氷野となる。オホーツク海の氷がもっとも厚くなるのは3月の中旬で、40センチから1メートルほどになり、海全体の約80%が流氷でおおわれる。

 

  流氷の味は?
 海水が凍るときは、海水のなかの真水部分だけが凍り、ほとんどの塩水は海中に吐き出される。残りの塩水は濃縮され、細長い管状または細胞状になって氷のなかに閉じこめられる。濃縮された海水を「ブライン」という。さらに温度が下がると、ブライン内に新たな氷が発生する。ブラインは縮小し、塩分は凝縮されて濃くなっていく。やがてブラインは氷から抜け落ちていくが、完全にはなくならない。そのため、流氷の味はというと、ふつうの海水より塩辛くはないけれど、やはり塩味は感じる。

 

流氷の味は? 流氷にすむ「アイス・アルジー」のおかげで
 流氷を切り出してみると、底の部分が茶色くなっていることがある。これは流氷のなかに植物プランクトンの一種の小さな藻類がすんでいるためで、「アイス・アルジー」とよばれている(アルジーは藻類のこと)。アイス・アルジーは植物なので、流氷を通して届く弱い光を集めて光合成を行い、海水やブラインのなかの栄養分で生活している。かれらにとって、流氷は居心地のよい「すまい」だ。
 流氷の下にすむエビや小魚、アミなどの動物プランクトン、海底にすむウニやカニ、ホヤなどは、このアイス・アルジーをエサにして生活している。また、アイス・アルジーは流氷のとける春に爆発的に増殖し、海の生物のエサの基礎となる。そのおかげで、オホーツク海は豊かな水産資源に恵まれている。

 

 
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