たとえば、ぼくらは2000年から札幌で「ショートショートフィルムフェスティバル」という映画祭を開催していますが、これは前年に東京で始まり、世界の優れたショートフィルムを上映するもので、函館、名古屋、大阪、福岡などでも開かれています。ショートフィルムとは文字通り短編映画のことですが、1分に満たないものから30分程度のものまでさまざまで、長編の劇場映画とはまた別の魅力があります。最大の魅力は、作り手の「ピュアな映像」が観られることでしょうか。
北海道では、毎年「北海道プログラム」というオリジナルプログラムを作っています。
これは地元で作られたショートフィルムを一般募集して、面白い作品をみんなでセレクトして、5本くらいずつ上映するというもの。監督や俳優がトークに出ることも多く、観客のみなさんも楽しみにしてくれています。そもそも映画は、作り手の気持ちを観客に伝えるコミュニケーションの道具ですから、身近な人が身近な場所で作った映画は、その伝わり方がとても親密なんですよね。
そんななかで、2000年には観客だった人が自分でショートフィルムを撮るようになって、その作品が次年度の公式プログラムに選ばれたんです。さらに2003年にはカリフォルニアの映画祭「California
Independent Film Festival」に招かれて、「ベスト・ミニ・ショートグランプリ」という賞まで受賞しちゃった。
北海道で生まれた作品が、東京をすっとばして世界に飛んでいったわけです。そのほかにも北海道からいい作品がたくさん出てきて、「北海道はレベルが高い」って評判になっているんですよ。これは本当にうれしいことです。
ぼくらが今やっていることは、いわば「土づくり」だと思います。コンテンツが生まれる土壌、コンテンツの価値が認められる土壌、それらをせっせと耕して、数年後か数十年後に立派な樹が育つことをめざして、続けていこうと思っています。 |