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| 「中華まんじゅう」と聞いて、何を想像するだろう。 ホカホカの白い「肉まん」や「あんまん」? それとも、細長い「どら焼き」のような、こしあんのギッシリ入った中華まんじゅう? 最近は見かける機会が減ったものの、北海道に住む人なら、きっと後者を思い描くことだろう。年齢が30代以上の人なら、「お葬式でもらったなぁ。なつかしいなぁ」としみじみ思い出すことだろう。とにかく、北海道人にとっては、とても親密なお菓子である。 |
![]() 北海道でも、作る店によって少しずつちがう中華まんじゅう |
東京などで中華まんじゅうの話をしても、たいていは肉まん・あんまんのほうと勘違いされ、説明しても「何それ? 知らない」と言われてしまう。そのため「中華まんじゅうは北海道のもの」と思い込んでいたが、これは大きなまちがいだった。 調べてみると、長野県の須坂市には、かつて須坂藩主の奥女中だった千代香さんが伝えたといわれる「中華饅頭」があるし、秋田県には白あんと黒あんの2種類の「中花」がある。東北などでは「中皮(ちゅうかわ)」とよばれるお菓子がある。名前や形が少しずつちがうけれど、北海道だけのものではないのだ。 そもそも「中華まんじゅう」の「ちゅうか」は何かというと、これはお菓子の生地に関係している。 |
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| それでは中華まんじゅうの歴史をたどってみよう。 おそらく、書物に残る最古の中華まんじゅうは、江戸時代の滑稽本、式亭三馬の『浮世床』(1813年)に登場する。行商の菓子売りの口上に、ようかん、最中、かすてらなどと並んで、「ちうか」の名が出てくるのだ。さし絵がないので形はわからないが、これが「中華まんじゅう」だろうといわれている。すでに名前を省略するほど一般的だったのだろうか。 |
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そのあと、『浮世床』の約40年後に書かれた菓子製法書『鼎左秘録(ていさひろく)』には、「中華饅頭」の名前で、材料と作り方がきちんと紹介されている。
○中華饅頭(ちうくわまんぢう) |
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卵、砂糖、うどん粉(小麦粉のこと)をよく混ぜ、銅でできた平鍋で焼いてあんを包む――まさしく現在の中華まんじゅうと同じ。さらに注目したいのは、「カステラの方の通り」という記述だ。遠くヨーロッパからやって来たカステラと、われらが中華まんじゅうは、材料も作り方もよく似ている。 時代をもう少しさかのぼり、室町時代の末に目を向けてみたい。 これまで「素朴なふるさとのお菓子」と思っていた中華まんじゅうだけれど、その歴史は江戸にまでさかのぼり、さらにルーツは南蛮文化と関係があるかもしれない…。そう思うと、いつもの中華まんじゅうが、どこかハイカラに誇らしげに見えてくる。 |