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本州の最北端、つまり北海道にいちばん近い下北地方にも、同じく5月の節句に作られる「べこもち」がある。
下北は明治に入るずっと前から北海道とつながりの深い土地である。日本海でニシンがたくさん捕れたころには、毎年春になると大勢の男たちが出稼ぎにやって来た。古くから開けていた道南の松前や江差には、下北をはじめ東北から移り住んだ人も多い。
たくさんの人が頻繁に行き来するなかで、日持ちのするべこもちをお土産に持ってきた人もいただろう。また、下北から嫁いだお嫁さんが、ふるさとを懐かしんでべこもちを作ったこともあっただろう。下北生まれのべこもちが、人々ととともに北海道に渡ったと考えることは想像に難くない。
ただし、下北で作られるべこもちは、北海道でよく見られる木の葉型ではなく、カマボコのように細長く成形し、それを輪切りにし、蒸し上げて作る。近年はとくに下北北部の大間町のべこもちが有名で、お土産としても人気が高い。
その最大の特徴は、美しい模様にある。ちょうど金太郎飴のように切り口からさまざまな模様が表れる。ピンクや緑、紫など、色ごとのパーツを棒状に作り、それらを微妙に組み合わせて模様にするという。もちろん作るには非常に手間がかかる。色あざやかで食べるのがもったいないくらいだ。
この下北式のべこもちを、カマボコ型に細長く成形するときに、牛(=べこ)の背のようにこんもりまとめていくことから、べこもちとよばれるという。なるほど、これなら牛のふせた姿に見える。
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| 大間町の婦人グループ「こすもす生活改善グループ」のみなさん手づくりの特製べこもち。 |
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美しい模様を作るには、かなりの技術が必要となる。地域の女性たちの腕のみせどころ。
写真提供:青森県東通村役場 |
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| 下北で古くから作られているべこもち。稲を束ねている模様で、「たばね」または「たばねのし」とよばれる。こちらもこすもす制作。 |
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