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雪だるま そりと角巻 --北国のなつかしい冬 雪 北海道人トップページへ
子どもたちの雪遊び 雪 雪
雪だるま --そり・竹スキー・雪スケート
雪だるま 雪だるま ガチャガチャと雪上を悪童たちがゆく ◆雪スケート◆ ゴム長靴などにバンドで固定して滑る雪スケート    
   
 昭和30年代の悪童たちの冬遊びの定番に「雪スケート」があった。
 雪スケートは、金属製の歯を皮バンドで長靴に固定して滑走するもので、よく雪の上で滑って遊んだことから、こう呼ばれるようになったらしい。「機械スケート」とも呼ばれたり、また歩くとガチャガチャと金具が音を立て、ガチャ、とか、ガチャスケートとも呼んでいた。
 ゴム長靴に固定した雪スケートは、安定して立つのがなかなか難しく、上手に滑れるようになるまで時間がかかった。悪ガキでも運動神経が良く、雪スケートが上手な男の子は、けっこう憧れの対象だった。

 日本におけるスケートの発祥は、間違いなく北海道である。
 ロシアのラクスマンが根室を訪れたときの松前藩士の記録に、スケートで氷上を滑る絵が描かれていたり、ブラキストンラインで有名なトマス・ブラキストンが幕末に函館で滑ったという説もある。確実なところでは、札幌農学校に招かれた米国人教師ウィリアム・ブルックスが、明治10年にアメリカから持参したスケートで滑ったという記録がある。
 その後明治24年には、札幌農学校を出た新渡戸稲造が、アメリカ留学土産としてスケートを持ち帰っている。新渡戸が持ち帰ったスケートのひとつは、札幌ウィンタースポーツミュージアムに展示されているが、それはまさしく着脱式の「機械スケート」=雪スケートの原型だった。

 雪スケートが普及する以前は、下駄にスケートの鉄の歯を付けた「下駄スケート」が存在した。さらにさかのぼると、幕末の函館で子供の遊びとして記録に残る「げろり」がある。安政元年の箱館御役所から、げろり、そりで坂道を滑る子どもの遊びが危険なのでやめるようにという御触書が出ている。
 この「げろり」と「下駄スケート」を同じものとする文献もあり、従来その違いはよく分かっていなかったが、北海道開拓記念館の「雪と寒さと文化」展示図録(1998)では、「げろり」とは、下駄の裏に竹や鉄の棒を取り付けた下駄そりであり、下駄スケートは近代のスケートに影響された、スケートに類似した歯が取り付けられたもの、と区別している。
 いずれにせよ、足に道具を付けて雪や氷の上を滑るのは、いつの時代も元気な子どもたちの冬の遊びだった。



   
   
参考文献
さっぽろ文庫82『北の生活具』1997年(札幌市)
北海道開拓記念館『北海道の民具』1993年(北海道新聞社)
第46回特別展「冬の寒さと文化―北のくらしと技術」1998年(北海道開拓記念館)等
下駄スケート    
      下駄の裏側に、スケートの刃のような鉄の刃をつけた下駄スケート    
   
■札幌ウインタースポーツミュージアム
住所:札幌市中央区宮の森1274番地(大倉山ジャンプ競技場内)
電話:011-631-2000
営業時間:9:00〜18:00 (5〜10月)、9:30〜17:00(11〜4月)
休館日:毎月最終火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日〜1月3日)
入館料:大人600円、団体(30名以上)540円、中学生以下無料
http://www.sapporowintersportsmuseum.com/
       
   

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