北海道人・特集バックナンバー HOME バックナンバー一覧

特集 羊とジンギスカン 特集 羊とジンギスカン 北海道人トップページへ
農園,イメージ 農園,イメージ 羊牧場をたずねて 井内観光農園(仁木町)
7月から8月は、大きくて甘味の強い「南陽」というサクランボが食べごろ 7月から8月は、大きくて甘味の強い「南陽」というサクランボが食べごろ

 札幌から西へ、JR函館本線の列車に乗って2時間半ほど行くと、仁木(にき)町につく。仁木は古くから果実の栽培がさかんで、7月から8月はサクランボ狩りの真っ盛り。駅に降りたとたん、ちいさな赤い実がたわわに実る並木が見えてきた。このまちで、果樹園のなかで羊を飼っているという、道内でもめずらしい「井内観光農園」を訪ねた。

 「羊を飼いはじめたのは23年前。知人に要らないか?と言われて、5頭だけもらったんです。それからどんどん…」
 いま農園には親羊が約30頭、この春生まれた仔羊が16頭いる。井内さんは仁木町で果樹園を営む4代目にあたる。かれの代から、訪れたお客さんにくだもの狩りを楽しんでもらう「観光農園」をはじめた。初夏のイチゴにはじまり、サクランボ、プルーン、ブドウなど多彩なくだものを求めて多くの人がやって来る。
 もともと動物好きだった井内さんは、農園に来る子どもたちを喜ばせようと思い、本格的に羊の飼育をはじめた。古いビニールハウスを改造し、そこを手づくりの羊小屋にした。雪は多いものの比較的温暖な仁木では、冬の間もビニールハウスのなかは快適な環境。寒いときは少しだけストーブをつける。

羊,農園 夏の間、羊たちは果樹園やその周りに放され、くだものの木の下草をモクモクと一心に食べる。頭上には、真っ赤に色づくサクランボと涼やかな木の葉がそよぐ。なんとも楽しい光景だ。
 羊はみんな顔の黒いサフォークで、大人になれば結構な大きさになるが、人なつっこく愛嬌をふりまいてくれる。よく慣れたお母さん羊なら、小さな子が背中にのっても大丈夫なほど。仔羊たちは、ぬいぐるみのような可愛いお尻を振りながら跳ね回っている。

 「雑草は羊がだいたい食べてくれます。私はできるだけ仕事を減らしたいので、羊に草刈りをしてもらうんですよ」とは言うものの、毎年春は親せき一同が集まって毛狩りをし、日当たりの少ない下草だけでは栄養が足りないので飼料を補う。か弱い仔羊には1頭ずつほ乳瓶でミルクをあげ、健康管理など細かい世話が欠かせない。「羊がいると夫婦仲が良くなります。いっしょに可愛がって育てるからね」と井内さん。

 そして、とっておきは井内農園スペシャルジンギスカン。井内さんは毎月2頭分の羊肉をとなりの余市町の肉屋に卸しているが、そのときに少しだけ農園用にとっておく。そして日程などの都合があえば、この肉でお客さんにジンギスカンがふるまわれる。かわいいけれど、やっぱり美味しい。この相対する気持ちを、しっかりと胸にきざんで農園を後にした。

羊,農園
「うちの羊は、みんな人なつっこいですよ」と話す井内邦明さん 「うちの羊は、みんな人なつっこいですよ」と話す井内邦明さん
   
 
関連情報
・井内観光農園
 北海道余市郡仁木町南町1丁目1
 電話0135-32-3223
 農園のサクランボ狩りは8月まで、その後はブドウ狩り、10月からはリンゴ狩りが楽しめる。団体予約の場合(約10名〜)は、杵と臼で「もちつき」もできる。

・仁木町のホームページ
 http://www.town.niki.hokkaido.jp/

 

 

前のページへ   次のページへ