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北海道人トップページへ 特集 唄と祭り 文・写真(※以外)/編集部
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 祭りは、さまざまな顔をもっている。
 神と交流する儀式。鮮やかな衣装を身にまとい、歌い踊る舞台。ご馳走を食べて酒を飲み、心を交わしあう場。日々の憂さを忘れ、力を得る源。ふるさとへの愛情――
 はるか縄文時代から、人々はすでに神に祈り、集ったといわれる「祭り場」があったことが知られている。また、『魏志』の韓伝には「常に5月になると種を播く、終わると人々が集まって酒を飲み飲食して踊る」という記述がある。
 祭りは、人がひとつの土地に集まって暮らし始めたときから、その欲求の根源的なところで必要とされてきたのだろう。それは地域に生きることをお互いに再確認し、結びつきを強める「装置」にもなっている。だからひとつの祭りが何百年も受け継がれるのだろう。個人の魂はなくなっても、地域の装置はもう次の世代へバトンタッチされているから、魂の連鎖によって伝承されていく。

 「北海道には伝統がない」といわれる。でも、はたしてそうだろうか。
 江差や松前など道南地方には数百年の歴史をもつ祭りや芸能が伝えられている。アイヌ民族の伝統文化も伝承され復権している。北海道にわたってきた開拓者たちは、ふるさとの母村の伝統文化をもちこみ、今に伝えている。
 こうしてみると、伝統への意識の薄さは、北海道のひとつの顔にすぎないことがわかる。
 しかし、また伝統に縛りがないからこそ、変化を楽しみ、新しい祭りを生み出そうとする力が生まれる。
 伝統の再生と、新生。
 それが北海道のエッセンスなのである。

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  ニシン漁から生まれた伝統の祭り 江差町「姥神大神宮渡御祭」
    歌声の向こうに、はるかなる北の海が見える「江差追分」
    新しいコミュニティの「核」として、広がり続ける祭り 札幌市「YOSAKOIソーラン祭り」
    今、新たに息づくアイヌの人びとの伝統