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森林,イメージ 北海道・森林の基本知識

原生林ってどんな森? 針葉樹ってどんな木? ここではそんな疑問にお答えします。
大切な森林についてよく知るために、基本的な言葉やしくみをご説明しましょう。

[森林とは]

一般的には、樹木が密生し、ある程度の広い面積をもっている場所を「森林」とよぶ。世界の森林は陸上面積の約3割。日本は温暖な気候に恵まれているため、国土面積の約7割(約2,600万ヘクタール)が森林でおおわれている。

また、1897(明治30)年に制定され、1951(昭和26)年に全面改正された「森林法」によると、「1、木竹が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木竹。2、前号の土地の外、木竹の集団的な生育に供される土地」と定義されている。

[北海道の森林面積]

北海道の森林面積は約558万ヘクタールで、北海道の面積の約7割。道民1人あたりの森林面積は約1ヘクタールで、全国平均の5倍にもなる。

[原生林]

いままで一度も伐採が行われたことがなく、人の手が一切入っていない森林。「原始林」ともいう。日本にはあまり残されていないが、北海道富良野市の東大北海道演習林や知床の国有林などにみられる。

[天然林]

原生林に対し、伐採など人の手が入っているものの、苗木を植えたり種をまいたりすることなく、自然の力でできた森林のこと。「天然生林」「二次林」ともいう。北海道は天然林の割合が高く、全国の天然林の1/4以上の面積を占める。

[人工林]

天然林に対し、人が木を植えるなどの手入れをして、人工的に育てている森林。北海道の人工林には、カラマツ、トドマツ、アカエゾマツなどが多い。

[樹海]

広大な地域をおおう大森林のことで、高所から見ると大海原のように見えるところからこうよばれる。国内では富士山北西麓の青木ヶ原や乗鞍岳、北海道では大雪山、富良野、日高などの樹海が有名。

[里山]

人が生活を営むうえで利用する、人里に近い自然(野山や雑木林など)のこと。たきぎや薪を集めたり、水をくんだり、遊び場などとして使われてきた。日本ではかつて原生林を「奥山」とよび、人が入ってはならない神の住む場所として「里山」と区別していた。

[鎮守の森]

神社や寺院を囲む森林のことで、社寺林(しゃじりん)ともいう。 日本には古くから森林そのものを神とする信仰や、大きな樹木に神が宿るという信仰があった。

[常緑樹と落葉樹]

常緑樹は、一年を通して葉をつけている樹木。ただしずっと落とさないわけではなく、古い葉を少しずつ落とし、新しい葉を出す。落葉樹は秋になると葉を落とす樹木で、落葉の前に赤や黄色に色づく。

[針葉樹]

葉の繊維が一方向にそろっていて、将来、種になる胚珠(はいしゅ)とよばれる部分がむきだしになっている裸子植物。細い形の葉をもつ木が多く、北海道を含め寒冷地に多くみられる。常緑針葉樹(アカエゾマツ、エゾマツ、トドマツなど)と、落葉針葉樹(カラマツ、イチョウなど)がある。

針葉樹 落葉樹

 

 

ハルニレ[広葉樹]

葉の繊維が網の目のようになっていて、種になる胚珠が子房(しぼう)につつまれている被子植物。平たく幅の広い葉をもつ木がほとんどで、常緑広葉樹(タブノキ、カシ、シイ、ツバキなど本州の天然林に広く分布する)と、落葉広葉樹(北海道の天然林に多いミズナラ、シナノキ、イタヤ、シラカバ、カツラ、ブナ、ハルニレなど)がある。

[混交林]

2種類以上の違う種類の樹木が混じり合ってできている森林。北海道の天然林に多い「針広混交林」は、針葉樹と広葉樹の混交林で、四季を通じて表情豊かな美しさをみせる。

[森林のはたらき]

森林には実に多様な機能があり、私たちの暮らしにも密接に結びついている。

環境保全のはたらき
●水をたくわえ、渇水や洪水を緩和する。このため森林は「緑のダム」とよばれる。
●植物が光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素をつくり、空気を清浄化する。
●土砂崩れや洪水などを防ぐ。強風、雪、砂ぼこり、騒音などを防ぐ。
●さまざまな野生生物の生活の場となる。

経済的なはたらき
●木材、薪、木炭などの燃料、製紙原料などの資源を生産、供給する。
●キノコや山菜などの食料を生産、供給する。

文化的なはたらき
●心が安らぐ美しい景観を保つ。
●人々の休養や健康づくりの場、レクリエーションの場として利用される。
●環境教育、体験型の教育の場として利用される。
●地域の歴史や風習、宗教と深い関わりをもつ。

[国有林・民有林・道有林]

国有林は国が所有・管理している森林。日本の森林面積の約3割にあたる。民有林は国有林以外の森林で、個人や企業が所有する私有林と、都道府県や市町村が所有する公有林がある(道有林も民有林に含まれる)。

[演習林]

大学がおもに林学の教育実習や調査、研究に利用する森林。1895(明治28)年に東京大学が房総半島の清澄山周辺に設置したのが最初。北海道には富良野市の東大北海道演習林や、北大の天塩研究林・中川研究林・苫小牧研究林などがある。

[保安林]

森林の持つさまざま機能を活用するために作られる森林。森林法では17種の保安林が定められている。北海道には「防風林」や「防雪林」が多く、十勝の芽室町には日本一長い(約9キロメートル)カラマツの防風林がある。

[天然更新]

樹木が自然の力によって世代交替すること。一般的には種子が自然に落ちて新しい木の芽が芽生え、やがて親木になる。

[倒木更新]

天然更新のひとつで、倒れた木の上に種子が落ち、そこで発芽して新しい木が育つこと。植林した跡でないにもかかわらず、育った木が一直線に並んでいるのは、倒木更新が行われた証拠。北海道の天然林では、エゾマツによくみられる。

[凍裂]

低温や急激な温度の変化で、木が縦に裂けるように割れる現象。北海道ではトドマツに多くみられる。

[フィトンチッド]

植物が分泌する物質のことで、森林の樹木は独特の清々しい香りを出し、心身ともにリフレッシュされる。フィット(phyto)は植物、チッド(cide)は殺すという意味を持つ。消臭、脱臭、除菌、殺菌、空気の清浄化、精神安定など、さまざまな作用があるとされる。

[巨樹・巨木林]

環境省の調査では、地上1.3メートル地点で、幹周りが3メートルを越えるものを「巨樹」としている。また、巨樹が育成している樹林・並木などを「巨木林」という。北海道には、ニレ、イチイ、カツラ、クスノキ、イチョウ、スギなどの巨樹が多い。

[木炭]

木を蒸し焼きにし、炭化させて作った燃料。紀州備長炭などが有名。最近はその吸着性を利用して、水の浄化や湿度の調節用材としても使われている。

[木酢液]

木炭を焼くときに出る煙を冷却させて集めた液体で、酢酸などさまざまな天然成分が含まれる。消臭や殺菌、防虫効果があるとされ、消臭剤や植物の防虫剤などに使われている。

[木質バイオマス燃料]

木材として利用できない曲がった木や廃材から作る燃料のことで、林地残材、木材チップ、樹皮、おがくず、ブリケット、ペレットなどがある。

[間伐]

植林した木が生長過程で混みすぎないように、最終の伐採収穫の前に、本数を減らすため選んで切る(間引く)作業。良質な木材を生産したり、抵抗力の高い健全な森林を育成するために欠かせない作業。近年は、間伐材を有効に利用した製品も多く作られている。

[森林鉄道]

伐採した原木や、森林で働く人、生活物資などを運ぶために森林内に作られた鉄道。日本初の森林鉄道は1909(明治42)年の津軽森林鉄道で、北海道にも温根湯森林鉄道、置戸森林鉄道、芦別森林鉄道などがあった。1968(昭和43)年の定山渓森林鉄道を最後に廃止され、林道に変わった。

馬

[森づくりセンター]

いままであった「道有林管理センター」と「林業指導事務所」を統合し、平成14年度から全道17カ所に「森づくりセンター」を設置。森林の持つ機能や役割に応じた多様な森づくりを、道民の理解と参加のもとに進めている。

[森林サポーター養成]

道民が森づくりに参加したり、森林に親しんだりできるよう、地域の核となるリーダーを養成するしくみ。「森づくりセンター」を中心に行われ、3年間の講習でさまざまな知識や技術を習得する。

[森林インストラクター]

森林を利用する一般の人に、森林や林業に関する解説や案内、野外活動の指導などを行う人で、「森の案内人」ともよばれる。 「社団法人全国森林レクリエーション協会」が実施する資格試験に合格し、同協会に登録することによりこの称号が付与される。現在、全国で1412名(2002年2月)が活躍している。

◆北海道の森林についてもっと知るには…

道民の森
http://www.pref.hokkaido.jp/srinmu/sr-dmmkj/mori/top.html

北海道の森林・林業体験
http://www.pref.hokkaido.jp/srinmu/sr-dkkkr/homepage/katuyou/taiken/

水産林務部企画調整課
http://www.pref.hokkaido.jp/srinmu/sr-kcsei/index.html

北海道立林産試験場
http://www.fpri.asahikawa.hokkaido.jp/

北海道森林管理局
http://www.dokyoku.go.jp/

 

 

 

 

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