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芽室町のじゃがいも

芽室町
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(※1)現在、全国のじゃがいも生産量の77%が北海道で作られている(平成13年度,農林水産省,統計情報部公表)。道内で最も生産量が多いのが、芽室町のある十勝平野。ここで北海道の約4割のじゃがいもが作られる。芽室町は全国でもいち早く、昭和40年代から本格的な機械化がはじまり、大規模なじゃがいも栽培が行われきた地域。カルビーのポテトチップス原料生産地としても名高い。

・芽室町のホームページ
 http://www.memuro.net/

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いよいよ収穫開始

 「農家の皆さん、早く堀りたくてウズウズしていますよ」
 連日の雨があがり、久しぶりに太陽がのぞいた日、十勝中部地区農業改良普及センターの笠原亮平さんが言った。わたしたちは、古くからじゃがいも栽培が盛んで、いまも収穫量日本一とうたわれる十勝の芽室町に来ていた
(※1)。いもの収穫は、9月から10月ころが最盛期となる。
 しかし降り続く雨のせいで収穫作業は延期され、わたしたちの気持ちも沈みがちだった。でも、もっとヤキモキ、イライラしていたのは生産者のかたに違いない。
 さて、今日はいよいよ収穫風景がみられそうだ。

 じゃがいも収穫のときに気をつけることは、いもの「切り傷」「皮むけ」「打撲」である。まるで人間のケガのようだが、収穫時にダメージを受けるとそこから腐敗がはじまり、まわりに伝染して品質低下が進んでしまう。
 また、収穫したあとは光に当てないように注意しなければいけない。光に当たるといもが緑色に変わって苦味がでてしまう。じゃがいもは見かけによらずとても繊細。優しく大切に収穫される。

 気温20度、風は少々、やや曇り。掘り上げたいもの表面が早く乾くので、風は少しあったほうがよい。コンディションは上々だ。さっそく畑に向かった。
 見渡すかぎりの広大な畑にポツンと1台、じゃがいも収穫機「ポテトハーベスター」が見える。近寄ってみると、とんでもなく大きな機械だ。十勝地方ではごくふつうに見かけるが、大規模な畑でなければ使いこなせない。
 これがじつに素晴らしい仕組みである。
 簡単に説明しよう。
 まず、ハーベスターの下部で、いもが土ごと掘り上げられる。次に水車のようなロータリーバスケットに順に送られ、ハーベスターの上部へ運ばれる。余計な茎や土は自然に下へ落ちていく。
 上に到着したいもは、表面に傷がつかないようにゴムで覆われたコンベアーに乗ってどんどん前方へ流れていく。そこで4人ほどの作業員が待ち構えていて、流れてくるいもをすばやく選別。土や石を除き、小さないもはクズタンクへ、大きないもは製品タンクへと振り分けていく。

収穫,じゃがいも この間、ハーベスターはずっと畝にそって走り続ける。トラクターで引っ張る形式が一般的で、走りながら下で堀り上げ、上で人間が選別し続け、製品タンクが一杯になると大きなコンテナにガバッと移す。
 「もっとスピード上げて」とか「そろそろ一杯だよ」とか、作業台のほうからトラクターの運転席に呼び声がかかる。リズムはピッタリ、熟練した人々の動きを見るのはとても気持ちがいい。
 ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…。
 丸まると育った「いもの行列」が、小さく揺れながらコンベアーの上をどんどん流れ続ける。周囲は土ぼこりが舞い上がり、髪も顔もあっという間にザラザラだ。目のなかにまで小さな砂が入ってくる。畑のわずかな傾斜によってハーベスターは大きく揺れる。
 そこで延々と立ったままの作業。これが10日以上も続くという。いくら機械化で効率化したとはいえ、たいへんな作業である。

 でも、今年のいもはなかなかの豊作。
 皆さんの笑顔はホクホクと明るかった。

 
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