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特集 収穫の大地 マッカリーナ
マッカリーナ,菅谷伸一

1958年、釧路市生まれ。和食の料理人めざして大阪の料理学校へ入るが、フランス料理とはじめて出合い、衝撃とともにその道へ進むことを決意。札幌や東京のホテル、札幌のフレンチレストラン「モリエール」のシェフなどを経て、1997年に「マッカリーナ」開店のために真狩村へ。いまは毎朝、自宅の菜園で畑仕事をして、その日の収穫物を持って出勤する。

説明文

 「畑のなかで料理するからには、地元のものを使わないと意味がないでしょ。それも、とびきり美味しくないと」
 という菅谷さん。彼のつくるフランス料理は、野菜の存在がとても大きく感じられる(もちろん肉も魚貝もすばらしいのだが)。
料理風景 たとえば、旬の野菜がたっぷり盛り込まれた前菜、トウモロコシのスープ、ゆでたてアスパラのマヨネーズ添え、トロリと蒸し焼きにしたポロネギ、ユリ根のプリン−−この味わいを文字でお伝えするのは非常にむずかしい。それは畑からやってきた野菜が、人生の晴れ舞台で自分の役を演じきって、気持ちよく幸せに幕をとじるようなイメージである。観客はしばらく余韻にひたる。感動が静かにおしよせる。それくらい、おいしい。

 店をはじめた当初、菅谷さんが近所の農家に「野菜を分けてください」と頼みに行くと、「なんだお前は?」とけげんな顔をされた。「何しに来た?」となかなか理解してくれなかった。
 それでも菅谷さんはあきらめず、畑をまわり、なんども説明し、いつか店にも食べに来てほしいと誘った。そのうち自分でも畑をつくるようになり、農家の人に野菜の育て方を教わったりするようになった。

 そして5年、様子はずいぶん変わった。
 「いちばん変わったのは、ぼくが農家さんと話ができるようになったこと」
 菅谷さんが「明日ブロッコリーをたくさん使うから、上等なのを10個くらいとっておいて」と頼むと、最高の株を用意してくれる。「こういう野菜がどうだろう」と相談すると、一緒に真剣に考えてくれる。
 逆に、「こんな野菜をつくろうと思うけど、一般的には売れるだろうか」と相談されることも多い。若い農業者が新しい野菜に挑戦するとき、まず最初にアドバイスを求めるのが菅谷さんなのだ。

マッカリーナ,菅谷伸一 村のお父さんお母さんたちは、農作業が一段落したころ、ちょっとお洒落してマッカリーナへ足をはこぶ。遠くから親戚が来たときや、家族の誕生日、子どもが結婚するときになどもやって来る。
 「ナイフやフォークに慣れていなかった人たちも、いまは喜んで来てくれます。それで、けっこう厳しい意見を言ったりする」 と笑う菅谷さん。

 畑とレストラン。つくる人と食べる人。食べる人とつくる人。
 それがくるくる回ってつながっている。

 

マッカリーナ,料理

美しい前菜の一皿。カスベの煮こごり、スモークサーモンのムース、サンマのマリネ、穴子とキュウリ・エビとブロッコリーのゼリー寄せに、クレソンやズッキーニ、カブなどの野菜を合わせ、トマトとクルミの2種類のソースでいただく。

マッカリーナ,インフォメーション

 

・真狩村のホームページ
http://www.makkari.info/