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本別町のいんげん豆

いんげん豆 いんげん豆

(※1)全国のいんげん豆生産量のうち、約94パーセントが北海道産(平成13年度,農林水産省,統計情報部公表)。その多くが十勝平野で作られている。十勝平野の東北部にある本別町は、特にいんげん豆の栽培面積が広く、ついで小豆、大豆が多く栽培されている。

・本別町のホームページ
http://www.town.honbetsu.hokkaido.jp/

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ひと粒の豆も大切に
豆刈り
朝早くからはじまる豆刈りの作業
脱穀
トラクターで行う脱穀作業。

 「ふるさと銀河線」という名前の可愛い列車にのって、帯広から約1時間半、「日本一の豆のまち本別町」を訪ねた(※1)
 本別は金時豆、花豆、うずら豆、とら豆などのいんげん豆のほか、大豆、青大豆、黒豆、小豆などたくさんの種類の豆を栽培している。この地域は、夏の気温が高く雨が少ないこと、秋に霜が降りるのが遅いことなど、豆づくりに適した条件がそろっている。
 豆の収穫は9月中旬の金時豆にはじまり、10月末まで続く。今まさに新豆の季節だ。今回は、豆づくりにたずさわって40年の大ベテラン、斎藤元一さん一家を訪ねた。

 収穫の朝は早い。天候によっては朝の6時前から作業がはじまる。なぜそんなに早いかというと、理由は朝つゆにある。
 まずは豆の収穫手順を説明しよう。最初に、黄色く枯れた豆の株を刈る。昔は刃のギザギザした「のこぎりガマ」で、今はエンジン付きの豆刈り機で刈ることが多い。作業車の前方に先のとがった長い刃がついていて、それを畝にそって差し込み、一気に刈り進む。刈ったあとはそのまま畑において太陽に当て、よく乾燥させてから、昔は唐竿(からさお)などで、今はトラクターにつけた脱穀機で、豆をサヤから出す脱穀作業を行う。そのあと選別機にかけて、余分なゴミや小枝などを除く。

 収穫時の豆は、サヤを軽く叩いただけでこぼれ落ちるので、豆刈り機で刈ると、機械の振動で畑に飛び出してしまうことが多い。そのため、せっかく実った大切な豆をできるだけムダにしないために、サヤが朝つゆに濡れているうちに刈る。サヤがしっとり濡れてれいば、少しくらい振動にあっても豆が落ちることがないのだ。

斉藤元一 文章

斉藤美智子
息子さんの一成さん

 この日は息子の一成さんが豆刈り機を運転していた。広い豆畑に、小さな豆刈り作業車が進んでいく。そのかたわらで、お母さんの美智子さんがせっせとカマを使っている。昔ながらのカマも、美智子さんの熟練のスピードをもってすればバリバリの現役のようだ。

豆刈り
昔ながらのカマを使った豆刈り

 「せまくて機械が入れないところは、やっぱりこれを使います。少し前までは畑全部を手で刈っていたんだから、大変でしたよ」と美智子さん。ニコニコ話しながらも、手は一向に休めない。カマを動かしながら、小さな雑草を見つけては抜き、畑に落ちた豆を拾い集める。
 「金時豆は、収穫時期に雨にあたると色が薄くなってしまいます。そうすると等級が下がるでしょう。だからお天気のときに一生懸命作業するんですよ」という美智子さん。金時豆のあとは青大豆、花豆、とら豆、小豆のほか、ビートや長芋の収穫作業がひかえている。ひと息つけるのは12月末だ。
 まだまだ元気な美智子さん。その元気の源は、栄養たっぷりのお豆をたくさん食べているからだろうか。

 
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