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うつくしい北の島へ。海鳥の島、天売島 森の島、焼尻島
北海道,イメージ オンコ

 天売島の港から再びフェリーに乗って約20分、すぐ隣の「焼尻島」に到着。こちらも周囲は約12キロメートル、人口も約500人。大きさが同じでこんなに近くにある島同士だが、その環境は大きく違う。
 焼尻には天売のような断崖の岩場が少なく、ウトウなどの海鳥はほとんど渡ってこない。天売に棲息するマムシが、こちらにはいない。また、かつてニシン漁がさかんだったころ、天売では原生林のほとんどを木材として切り出してしまった(今ある樹木は後から植樹したもの)。それに比べて、焼尻は天然の自然林がたくさん残されていて、豊富な地下水をもたらしている。島を遠くから眺めても、こんもりと緑が茂る様子がわかる。
 そして、北海道でもめずらしい町営の「焼尻めん羊牧場」のある島として知られている。羊の飼育は昭和38年にわずか12頭からはじまり、現在は160頭ほどの親羊が飼育されている。牧場のすべてを取り仕切る、この道28年の大井さんに案内してもらった。
 軽トラックに乗ってなだらかな坂道を登ると、島のほぼ中央に羊たちの広い広い放牧地が続いていた。

 四方を囲むのは、青い海とさわやかな潮風。
 羊たちのなんと気持ち良さそうなことか。
 大井さんが「こーい、こいこい」と大きな声で呼びかけると、遠くに散らばっていた羊が一斉に集まってきた。手足と顔の真っ黒なサフォーク種である。顔がツヤツヤと光っていて、体の毛はフカフカと白く美しい。こんなに美しい羊はめったに見られるものではない。大井さんにそう言うと、ニッコリ笑って答えてくれた。
 「小屋に入らないで一日中外にいるから、汚れることがないんだよ。よかったなぁ、おまえたち、キレイだって」

 広い牧草地で24時間放牧されて育つ羊は、のびのびとストレスなく元気に育つ。また、潮風の中で育った牧草にはミネラル分が多く含まれ、その牧草を食べる羊は、フランス料理でも珍重される羊肉となる。焼尻産のラム肉のほぼ半分は、東京のフレンチレストランへステーキ用に出荷され、全国に名前を知られる存在となった。さらに、その年に生まれた子羊だけを出荷するので、肉の販売は初夏だけ。だから、この肉は島でもめったに食べられないのだ。もちろん今回も残念ながら諦めた。

 ただし、7月の13日・14日の島のイベント(※3)では焼尻産羊肉の網焼を食べることができる。大井さんいわく「ただ炭で焼いて、塩コショウをふって食べるのが一番うまいんだ。絶対にうまいから、一度は食べにおいで」。
 あっという間に、島の楽しい時間は過ぎてしまった。
 島を後にするフェリーに揺れながら、頭のなかでは、再びこの島を訪れる日を夢見ていた。

子羊の丸焼き(※3)「日本一の味覚!ウニ祭り」
焼尻島会場:7月13日(土)・14日(日)
天売島会場:7月6日(土)・7日(日)/8月3日(土)・4日(日)
◆問合せ:羽幌町観光協会(電話:01646-2-1211)
◆羽幌町のホームページ URL:http://www.haboro.tv

7月は、おいしい焼尻島へ!
羊
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