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ツインオッター
ツインオッター  島をむすぶ飛行機人々に愛され続ける「ツインオッター」

 「ツインオッター」の愛称で、世界中で親しまれているプロペラ機がある。
 本名「DHC-6-300」のカナダ生まれ。19人乗り。やや上向きに伸びた高翼と、元気に踏ん張っているような両輪、たくましく回る2つのプロペラが特徴的だ。どこか人間味をおびた愛らしい飛行機である。
 見た目だけではなく性能もすばらしい。短い滑走路で飛び立つことができ、離陸後に素早く高度を上げられるため、離島や極地での飛行に最適。ハワイの島々を結ぶにも、北極の氷河へわたるにもこの飛行機が使われてきた。
 日本でも1970年代から、沖縄の島々、北海道の島々をむすぶ便で活躍してきた。しかし年々数が減り、いま現役で飛ぶツインオッターは北海道だけとなった。

 現在、稚内−利尻線、稚内−礼文島、函館−奥尻島の航路を担っているのは、「エアー北海道」の2機、1970年生まれの[JA8797]と1974年生まれの[JA8799]である。どちらもかなりベテラン機だが、日々の整備・点検の賜物で故障が起きることはほとんどない。函館空港で、整備を担当するエアー北海道の山野辺さんにお話を聞いた。
 「函館と稚内に1機ずつしかありませんから、なにか不具合があったときは、次のフライトまでに必ず解決しなければなりません。修理は昼夜を問わずすべてが終わるまで業務を続けます。でも、大変だと思うことはないですよ。それが私たちの使命であり、誇りですから」
 空の安全を守るため、ツインオッターは今日もピカピカに整備されている。

 ツインオッターに乗るお客さん達は、島の住人、全国からやって来る観光客、休暇に島へ帰省する人、仕事関係の人…と実にさまざま。ただし数が少ないので、お馴染の人はすぐにわかる。同じく整備を担当する瀬田次長がこっそり教えてくれた。
 「毎週、平均2回くらいは乗ってくださるご住職がいるのですが、その方が乗ると、不思議とあまり天気が悪くならないし、悪くても回復するんですよ」

 函館−奥尻線に比べると、気象条件が厳しい稚内−利尻・礼文線のほうが欠航が多い。強風や霧、冬は猛吹雪に見舞われることもしばしば。悪天候の日はフェリーの定期便も欠航してしまう。
 そんななか、フェリーは出せなくても飛行機は大丈夫という日が時々ある。フェリーに乗る予定だった乗客と荷物が、急きょ飛行機へ変更となり、満員満載で飛び立つこともめずらしくない。
 北海道の空に、はじめてツインオッターが飛び立ったのが1974年。それから30年近くにわたって島の人々の生活を支えている。

 今年の1月末、沖縄の「琉球エアーコミューター」で使用されていたツインオッターが引退し、島の航路は後継機・DHC-8に引き継がれた。ラスト・フライトには200名を越えるファンから搭乗希望が寄せられたという。こうして、日本国内で飛ぶツインオッターは奥尻線、利尻線、礼文線だけになった。
ツインオッター  「めずらしいので、写真を撮りに来る方がたくさんいますよ」と山野辺さん。
 初めて乗るお客さんは、「こんなに小さくて大丈夫?!」とびっくりする人が多いそうだ。しかし、飛行中の揺れはそれほど大きくないし、翼が胴体の高い位置についているので、窓からの眺めもとてもよい。
 エアー北海道では、定期航路のほかに夜の函館を飛ぶ「遊覧飛行」も行っている。小回りのきく低空飛行が可能なので、美しい夜景を堪能できるうえ、あこがれのツインオッターに搭乗できるとあって人気は上々だ。

 島をむすぶ足として、まちの夜景の案内役として、われらが愛しのツインオッターの活躍はまだまだ続く。

 

エアー北海道のホームページ
http://www.d6.dion.ne.jp/ ̄adk/

運行予定

・8月13〜15日、17、18日
・9月14、15日、21、22日

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