北海道人・特集バックナンバー HOME バックナンバー一覧

  北海道人トップページへ   特集 ふるさとのご馳走
  ファストだけどスローな食事 そば,説明

 
 
幌加内,北海道


そば,打ち


そば,打ち,山田博文
山田博文さん


そば,打ち,北村忠一
北村忠一さん


幌加内,そば,打ち
(※幌加内町役場提供)


幌加内,そば,打ち (※幌加内町役場提供)

 
畑も名人もお祭りも、日本一のそばの里
 雲ひとつない青空の下、車を北へ走とらせる。旭川から幌加内へ通じる、曲がりくねった江丹別(えたんべつ)峠。その坂を登りきると広大な雪原が見えてきた。とにかく広い。いまは雪におおわれているが、夏になると白く可憐なそばの花が咲き乱れる場所だ。
 幌加内のそばの歴史は約30年。稲作に比べ手間がかからず短期間で収穫できるため、稲の転作作物としてはじまった。その後そば生産農家がふえ、いまや日本一の作付け面積と収穫量を誇る。もちろん評価は全国でも最高レベル。気温の寒暖差が大きいことや、周りの山からわき出る清流が、旨いそばの実を育てるという。

 役場の細川雅弘さんを訪ねた。
 「1994年に、全国のそば打ち技術を向上させようということで、全国麺類協同組合の有段制度ができました。毎年そば産地で大会が開かれますが、幌加内はその第一回が行われたんです。そのせいもあって、幌加内は有段者がとても多いんですよ。いま最高資格の三段をもつ人が全国で92人、そのうち7人は幌加内ですから」
 聞けば、なんと全町民のほぼ一割の人が自分の家でそばを打つという。集まって腕を競い合ったり、お客さんが来たときにもてなしたり、もちろん年越しそばも打つ。「上手かヘタかは別にしてね」と細川さんが小さくささやいた。

 町内の製麺工場「ほろかない振興公社農産加工センター」におじゃました。中に入ると、大きな電動の石臼がゴゥゴゥと音を立てて粉を挽いている。通常の機械で挽くよりもずいぶん時間がかかるが、手打ちそばには昔ながらの石臼挽きのほうが香りがあると人気が高い。
 殻を取る前の真っ黒な実(玄そば)と、取った後のやや薄緑色の実、そしてサラサラになったそば粉を見せてもらう。実に香りがいい。
 「やっぱりここのそば粉が一番」と工場長の山田博文さんが胸をはった。その小さな三角の実に、たくさんの人のあふれる想いが詰まっている。




名人のもとで、そば打ち体験
 町の中に「そば道場」という看板を見つけた。ここでは名人の指導のもと、だれでもそば打ちができる。今日の講師は幌加内でそばを育てて20年、また「幌加内町新そば祭り」の実行委員長でもある北村忠一さんだ。約1時間後、北村さんの丁寧な指導のおかげで、不慣れながらもなんとかそばが出来上がった。

手打ちそば実演>>

 「どうぞお早めに」。さっそく打ちたてのそばを試食する。ざるに盛られた、太さがまちまちの不格好なそば。けっして粋とは言いがたいがなんとも愛おしい。味もコシもそば屋で食べるそれとは比べものにならないが、日本中どこに行っても食べられない、たった一つのそばに舌つづみを打った。

 北村さんたちが奔走する「幌加内のそば祭り」は、毎年9月はじめの土日に開催される。言い出したのは北村さんだった。
「せっかくここで育ったそばが、よその土地に輸出されるばかりで、産地幌加内の名前が知られていない」
 その想いが実って、最近では全国から大勢のお客さんが押し寄せるようになった。その日は町民よりはるかに多いお客さんの対応に、子どもから大人までいろいろな仕事を分担するという。
 「一杯500円のそばを食べに、ずいぶん遠くからお客さんが来てくれます。うれしいですねぇ」と北村さん。来年は第10回めを記念して新しいイベントも企画中だ。
幌加内,そば 祭りには多数のそば屋が出店を並べて、そばの食べ比べも楽しい。もちろん町内には地元の粉を使う店が何軒もあるので、いつもでも幌加内産そばが食べられる。家で打ち、店で食べ、年に一度は祭りで盛り上がる。
 幌加内のまちは、本当に隅から隅まで「日本一のそばの里」だった。



幌加内そばかりんとう 幌加内でみつけたお土産

・幌加内そばかりんとう
幌加内産そば粉に小麦粉、ゴマ、自然塩などを加えて揚げたかりんとう。香りはまさに、そばそのもの。香ばしく軽い口当たりでつい沢山食べてしまう/幌加内町民保養センター「せいわ温泉ルオント」にて購入。


リンク&情報

・幌加内町
 http://www.infosnow.ne.jp/horokanai/

・そば道場
 幌加内町字幌加内 幌加内町中央改善センター内(役場前)
 電話  01653-5-2525(要予約)
 http://www.infosnow.ne.jp/horokanai/soba/doujyou/

・幌加内町民保養センター「せいわ温泉ルオント」
 幌加内町字政和第一
 電話 01653-7-2070



2/4
<<目次に戻る