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北海道人特集−「となりの北海道人」
文/大藤紀美枝 写真提供/ばんえい十勝
139戦6勝でアイドルホースに

「私のお父さん」 in ばんえい十勝

 重い鉄そりを引き、力を振り絞って坂を越えていく“ばんえい馬”の姿は一も二もなく感動的である。力強さや勝負強さで、ばんえい競馬史に名を残す馬は数多いが、温厚さで全国に名をとどろかせた“ばんえい馬”は前例がない。2007年4月、帯広市発行の特別住民票に記された氏名は「ばんえいリッキー」。139戦6勝の戦績でアイドルホースとなったリッキーの血統と歩みを、世帯主である服部義幸調教師とリッキーおよび父・カゲイサムに騎乗した大河原和雄騎手に伺った。

プロフィル ばんえいリッキーさん(9)=馬、十勝管内足寄町出身、帯広市在住

状況を把握する能力はピカイチ、どこへ行っても人気者

2007年3月24日の引退レースで最後尾ながら懸命にそりを引くリッキー。ファンから大声援が送られた

2007年3月24日の引退レースで最後尾ながら懸命にそりを引くリッキー。ファンから大声援が送られた

―リッキーは特別住民票を首に掛けてもらった日、帯広市の特別嘱託職員として、ばんえいPR推進員に任命されたそうですね。

 服部「特別嘱託職員としての初仕事は、市立明星小学校の入学式に行って交通安全啓発活動をすることでした。リッキーは北海道ばんえい競馬調騎会のばんえいPR活動で2、3年前から保育所や幼稚園、小学校、養護学校などを訪問していますし、帯広氷まつりなど、いろんなイベントに顏を出しているんです。それですでに子どもたちの人気者なんですよ。“リッキー!”と声を掛けられながら顏をなでられていましたよ」

―そういうとき、リッキーはどうしているんですか。

 服部「静かに子どもたちの好きなようにさせていますね。相手が大人だったら鼻先をヒューッと動かしたりすることもあるんだけど、子どもが背伸びしてワーッと触っても動じないんです。車いすの人がリッキーの足元に行って顏や体をなでるときは、もっと静かにしています。相手の状況をちゃんと見ていて、受け入れている感じがしますね」
 大河原「今年3月に引退するまで、リッキーはレースに出場しながらいろんなPR活動にも使われていたんです。PR活動で自分ら騎手が手綱を持ったら、普通の馬ならレースを意識しちゃうんだけど、リッキーは初めからレースとPR活動の違いがちゃんと分かっていました。そういう馬はめったにいませんね」

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