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北海道人特集−「となりの北海道人」
文/大藤紀美枝
写真提供/札幌市円山動物園
 

生みの親より育ての親だけど、とらえ方は自動餌出し機

私のお父さん in 円山動物園

鷹匠の資格を持つ飼育員・本田直也さんが笛を吹くと、雪原の上を音もなく白い鳥が飛んでくる。「わー、来た、来た!」「ハリー・ポッターみたい!」。来園者たちの歓声に迎えられたシロフクロウの名はセーヴェル。札幌市丸山動物園のシロフクロウのペアから生まれ、人工哺育で育ち、2007年に「猛禽類のフリーフライト」にデビューした期待のニューフェースだ。セーヴェルの育ての親である本田さんに、人工哺育のこれまでと、これからを伺った。

プロフィル
セーヴェルさん(1)=シロフクロウ、札幌市出身、札幌市在住
*セーヴェルの名は、ロシア語の「北」に由来。

猛禽類の狩りの習性を利用したフリーフライト

シロフクロウの雄は成長になるとほぼ純白に。
シロフクロウの雄は成長になるとほぼ純白に。セーヴェルの父親は、1995年神戸市動物園生まれ

−セーヴェルは飛ぶとき、まったく音を立てないですね。

「フクロウの羽毛は、すごく柔らかいので羽音がしないんです。そもそもフクロウは野生下では弱い存在で、命綱の聴覚を生かすには余計な音を立ててはいけないですし、獲物に気づかれずに近寄るためにも音を立てずに飛ぶことが極めて重要なわけです。シロフクロウに限って言えば、日中に狩りをするのも大きな特色で、これは白夜のある北極圏に棲んでいることと関係します。昼間動くということは、自分に相当自信があるわけで、フクロウの中では飛翔能力が高く狩りも上手です」

−セーヴェルは人工哺育だそうですね。

「ええ。円山動物園にはシロフクロウの雄と雌がいて、ペアリング・産卵・孵化まではこぎつけるけれど、雌が子育てをしないものだからヒナが死んでしまう。そこで、2005年6月に孵化した4羽を人工哺育することになり、僕が任されました。4羽のうち雄の2羽……神経質なセルゲイとホットな性質のセーヴェルが無事成長してくれたので、セルゲイをフリーフライトに出し、セーヴェルは園内の“こども動物園”で来園者との触れ合いに出すなどしていました。ところが、今年1月にセルゲイが急死してしまったため、現在はセーヴェルを再訓練してフリーフライトに出しています。興奮しやすいところも薄れ、優雅な飛行姿を披露しています。とは言っても、人間と猛禽類、つまり僕とセーヴェルとの間に信頼関係はありません。触ればカジるし、ただ飛ばしたのでは戻ってきません。だから常に獲物を狙って飛んでくる“狩りの習性”を利用してコントロールしているんです」

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