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イッセー尾形が惚れた場所−札幌麻生コスモス作業所の話
北海道人特集

イッセー尾形が惚れた場所−札幌麻生コスモス作業所の話

文・写真/小笠原 淳

 俳優・イッセー尾形さんの公式グッズが北海道の小さな施設でつくられるようになったのは、7年前のことだった。
  札幌市内には、知的障碍をもつ人たちの小規模作業所が約40カ所ある。15年前に生まれた札幌麻生コスモス作業所も、そのひとつだ。裁縫や工芸などを手がけていたこの施設は、あるきっかけでイッセー尾形さんとの“共作”に取り組むことになった。

 工房の一隅には、イッセーさんが描いたイラストの原画や版画の原版がいつでも使える状態でたくさん保管されている。数は、作業場を切り盛りする林庸子さん(45)にも数え切れないほどだという。
  「新しい絵が欲しくなって、『イッセーさん、描いてよ』って催促することもありますよ」

工房は、古いアパートを改装して生まれた―壁の蛇口から突然水が出てきたこともあったという
ちょっとしたアイデアが人気アイテムを生む
「ここでは全部手づくり」とヨーコさん―手にする紙漉きの箱も自家製

 「福祉的就労」としてはずいぶんユニークなこの取り組みのきっかけをつくったのは、ほかならぬ「ヨーコさん」だった。
  「17年前だったかな、CMの撮影で初めてお会いしたんですよ」と、アイロンをかける手を休めずにヨーコさんは記憶を手繰る。
  「そのころ、イッセーさんの芝居とか、全然知らなくて。ただ仕事として現場に行っただけ」だったという。
  ヨーコさんの前職はヘアメイクアーティストだ。その世界で20数年も活躍したヨーコさんにとって、イッセーさんの所属する「森田オフィス」との仕事はカルチャーショックの連続だった。
  「お金がないので、商品券を公演チケットと交換して欲しい」と言ってきたお客さんに「森田オフィス」の代表である森田清子さんが「いいわよー、ちょうど百貨店でお弁当買おうと思ってたから」と笑って答えたのを、ヨーコさんは今も忘れることができない。
  楽屋でイッセーさん自身が衣裳にアイロンをかけている姿を見たこともあった。

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