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地域に根ざしたクラブ運営で スポーツ界に新たなうねりを --北海道バーバリアンズのもうひとつの戦い
NPO通信-2
取材・文/円子幸男--写真/編集部--写真提供/北海道バーバリアンズRFC
北海道バーバリアンズRFCイメージ画像

◆4歳から55歳までがラグビーを楽しむ
 4月とはいえ、まだひんやりとした体育館の空気を切り裂き、楕円形のボールを持った子どもたちが駆け抜けていく。ときおりコーチの吹くホイッスルで動きが止まるものの、すぐにまた次のプレーが始まる。汗ばむ体、弾む息。屋外で練習できない11月から4月までの間、北海道バーバリアンズの練習は小学校の体育館を借りて行われる。
北海  東日本クラブ選手権で2回優勝するなど、北海道ではズバ抜けた強さを誇るバーバリアンズが、幼児〜中学生対象のジュニア部門を設立したのは2年前。昨年春には高校生対象のアンダー19(U19)も発足させた。この日の体育館練習ではU19以下のメンバーが3グループに分かれ、それぞれの年齢や体力にあった練習メニューを次々とこなしていく。

北海道バーバリアンズジュニア部門
北海道バーバリアンズジュニア部門
北海道バーバリアンズジュニア部門
 なかで目を引くのは、女の子も交じる小学低学年のグループだ。腰に巻いたベルトの両側から札状のもの(タグ)を下げており、これを他の子供に奪われるとプレーは即時に中断される。タックルをする代わりにタグを取り合うタグラグビーと呼ばれるもので、体が激しくぶつかり合う心配はまずない。

 「10年ほど前からラグビーの導入ツールとして始まりました。タックルがないので、初めての小さい子でもやれる。ラグビーの底辺を広げるのに役立っています」と、クラブのゼネラルマネジャー平島英治さん。とかくラグビーは危険というイメージがつきまといがちだが、このタグラグビーを見て、これなら安心とわが子をクラブに入れる親も少なくない。今年2月には第1回北海道タグラグビー大会が開かれるまでになった。

■NPOプロフィール
北海道バーバリアンズRFC(ラグビーフットボールクラブ)
1975年、ラグビー経験のない若者5人によって創立。88年から複数チーム制。北海道選手権Aブロック優勝8回、東日本クラブ選手権優勝2回など、全国でも屈指の強豪クラブ。99年、子供から大人までラグビーを楽しめる地域クラブへの飛躍を目差し、スポーツ団体としては全国初のNPO法人認証を得る。道内各地のラグビーフェスティバルや大学に選手やコーチを派遣するなど、ラグビーの普及と向上に努めている。会員約160人。
URL:http://homepage2.nifty.com/barbars/

2003年東日本クラブ選手権(秩父宮にて)決勝戦の様子。この年はおしくも準優勝となった。
ゼネラルマネージャーの平島氏


 “ゆりかごから墓場まで”ラグビーを楽しむことができる地域スポーツクラブを目指してNPO法人となったバーバリアンズ。ジュニアとU19が誕生したことで、現在、4歳から55歳までのメンバーが勢揃いしたことになる。同一クラブ内に全国優勝を目標とするチームもあれば、35歳以上の大会に参加するベテランチームもある。はたまた初めてラグビーに触れる子たちもいる。

 まさに地域に根づいた生涯スポーツへの挑戦の始まりといえる。いま目の前で、行く先定かならぬラグビーボールに翻弄されている幼い子が、やがてバーバリアンズの主力となり、さらには多少おなかの出た体つきになってもラグビーを楽しんでいる姿を想像するのは、なにやら楽しくも素敵なことだ。春の体育館で元気に弾む子供たちの声と体は、豊かな秋の実りを予感させるに十分だ。



 
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