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「心でつくる」

次に求められるのは感性!『札幌ワークセンター』の挑戦

文・写真/大藤紀美枝

札幌ワークセンターは地域活動センターを併設。敷地内に直売店も↑札幌ワークセンターは地域活動センターを併設。敷地内に直売店も

作業の思い出を語らう川崎直美さん(左)、嘉津山美枝子さん(中央)、高山初江さん↑作業の思い出を語らう川崎直美さん(左)、嘉津山美枝子さん(中央)、高山初江さん

「ヒーリングアートフラワー」の豪華なコチョウランはギフトにも好適↑「ヒーリングアートフラワー」の豪華なコチョウランはギフトにも好適

高い技術と厳しい検品で高品質を堅持する縫製部門。熟練者も数多い↑高い技術と厳しい検品で高品質を堅持する縫製部門。熟練者も数多い

本物と見まがうカサブランカは「ヒーリングアートフラワー」の注目株↑本物と見まがうカサブランカは「ヒーリングアートフラワー」の注目株

光触媒を用いたアートフラワーに着目

 「この花、何だっけ?」「トルコキキョウ」「きれいだね。花はいいね」。花を囲むとおのずと会話が弾む。自分たちが手掛けたものだとなおさらである。
 札幌市清田区の札幌ワークセンター(社会福祉法人 北海道リハビリー)の一室で、川崎直美さん、嘉津山美枝子さん、高山初江さんが囲んでいるのは、見た目は造花のアレンジメントだが、ただのアートフラワーではないらしい。「ヒーリングアートフラワー」と命名されるもので、何でも空気を掃除してくれるというのである。
 アートフラワーが空気を掃除するというマジックの種は酸化チタンを用いた光触媒にある。酸化チタンは、太陽や蛍光灯などから発せられる紫外線を受けることにより、酸化分解作用を生じ、この作用で有害物質を分解するというもので、消臭、殺菌効果を発揮し、ホルムアルデヒドなど有害化学物質も分解してくれるという。
 札幌ワークセンターでは、この「ヒーリングアートフラワー」の材料を仕入れて仕上げて販売しており、その作業を利用者(主に軽作業班)が担当している。

造花を手にして最初はビクビク。慣れるにつれ面白みが

 札幌ワークセンターは、個室に暮らしながら衣料の縫製や軽作業を行う社会就労センター(旧身体障害者授産施設)である。現在、27人が入所しているが、20代から70代まで年齢層が幅広く、入所して1年の人もいれば30年を優に越す人もいる。片半身まひの人や手に障がいのある人は、細かい作業が難しい。そこで3班に分かれて身体機能や体力、技能に合わせた作業を行っている。
 A班は一般白衣、作業衣、ユニフォームなどを、B班は枕カバーやゼッケン、安全旗などを縫製し、軽作業班は「ヒーリングアートフラワー」のアレンジ、アイロンかけ、タオルたたみなどに励んでいる。
 「ヒーリングアートフラワー」は、平成17年から手掛けたもので、受注が減少ぎみの軽作業の活路を開く、いわば一つのチャレンジだった。卸業者から派遣されたアレンジメント講師の指導を受け、使う花(造花)の名前を覚えることからスタートしたが、初めて聞く名前は、頭の中を右から左に素通りしてしまう。花の長さを合わせて切る作業も手に障がいのある人には結構、難しい。花や葉物の長短や高低は微妙な差が全体のイメージに大きく影響し、見本どおりというわけにはいかない。初めてのことに挑戦すること自体が挑戦だったが、やってみることで面白みがわかり、完成にこぎつけることで新たな意欲もわいてきた。
 「ご家庭やオフィス、病院などでも注目されているようです」と控え目に「ヒーリングアートフラワー」をピーアールする鹿嶋忠幸施設長。傍らに置かれたカサブランカは本物と見まがう出来栄えで、そのことから話がさらに広がった。

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