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イッセー尾形の旅日記

イッセー尾形の旅日記その1

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 沖縄は那覇市国際通りに、「沖縄ジァンジァン」という小さな劇場がオープンした。1980年のことだ。その年僕は初めて一人芝居というものを客の前で演じた。東京渋谷のパルコ通りに「ジァンジァン」の本店(というのは当ってないけど)があり、井上陽水さんやダウンタウンブギウギバンドなどなどが次々とここからデビューしていた。渋谷の駅の方からNHKのある小高い丘に向かって登って行く道は、まだよく舗装されていなかった。
 そんな風に、沖縄にもジァンジァンを作って音楽や演劇を生み出そうと、オーナーの高嶋さんは希望を抱いていた。永六輔さん、おすぎさんとピーコさん、淡谷のりこさんといった皆さんの中に、デビュー1年目の僕を沖縄に呼んで下さった。まだ現場仕事をしながら芝居を作っていた。それも大爆笑なんかにけっしてならない静かなもので、渋谷でも客を戸惑わせていたものが、沖縄で当るはずもないのは高嶋さんがよくご存知だったと思う。

 25年間、ほぼ年に2回は沖縄に通ってきた。先日、当時を思い出しながらスケッチをしてみたら、覚えていることおびただしい。今の国際通りをねり歩く観光の方達と、あきらかにその地を離れることなく生活を続けている土地の人との大きな差があることに気づくのは、僕がそれなりの年齢を経たということなのかな。

 毎週末にはどこかの街で舞台に立っている僕にはその地その地の持つ個性の力、土の味、心の揺れ模様が手に取るように感じられる。どんなに大量に外側から人が来ようと沖縄がしっかりと自分を持っていることに救われる。

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