HOME > 連載【となりの北海道人】『私のお父さん』第15回

連載【となりの北海道人】『私のお父さん』

第15回

*話すこともあまりなく、聞くことも少ないお父さんの話。でも、お父さんにまつわる話はおもしろいんです。

■097『好き勝手に山に登っている姿が好き!』

小松芽意子さん(32)=主婦、札幌市出身、札幌市在住

 ―2歳10カ月と10カ月のお子さんがいらっしゃいますが、どんな毎日ですか。
 一日中、子どもにかかりきり(笑)。母と子がこういう密な時間を過ごせるのは今だけだと思うので、外にもどんどん連れ出してたっぷり遊んでます。子どもたちを車に乗せ、実家にもしょっちゅう行っていて、上の子は父とパソコンでゲームをするのがすごく楽しいみたいです。
 ―かわいいお孫さんと遊べるのですから、お父さんもすごく楽しいのでは。
 多分(笑)。父は同居している小学生の孫(姉の長男)がマラソンを始めたことに触発され、最近、20年近く控えていたマラソンを再開したんです。
 ―お孫さんが、お父さんのチャレンジ精神に火をつけたわけですね。
 父は物静かだけど、ポジティブに考えるタイプで、人工透析を19年続けていて一度も弱音を吐いたことがありません。何でも食べますし、お酒も飲みます。「飲み過ぎたから藻岩山に登って汗を流してくる」と言って毎週登ってますが、それってホントに健康的なことなのかどうか、ちょっと疑問です(笑)。

(道産ヨネ)

■098『交通事故より父が怖かった?』

大野由加里さん(45)=ブライダルサロン経営、札幌市出身、札幌市在住

 ―サロン(ユーブライダル)経営の他にもお仕事を?
 お店の定休日に専門学校でブライダルファッションの講義を。休みがなく大変だと思われがちですが、私はそうは感じません。仕事だと思っていないのかも。
 ―お父さんはどのような方だったのですか。
 とても厳しい人でした。特に門限。中学のとき、友人宅で遊んでいるうちに遅くなってしまって……。急いで走って帰る途中に車にはねられたんです。ポーンって。でも事故より父に叱られることが気になって、はねた人には「いいから早く家に帰して」と。事故のことは両親に内緒にしました。こっそり赤チンを塗っただけ(笑)。
 ―お父さんの性格を受け継いでるということですが。
 いやなところは似ちゃうんですよ。心配性なところとか厳しいところとか。娘に対しては私も同じですね。父はおしゃべりな人でもありました。親戚が集まるとよく話していましたから。父の葬儀がとても静かだったので改めて気づかされました。

(杉本真沙彌)

■099『「ベンツ」のペダル、今年初めて冬眠』

松田深雪さん(33)=会社員、新潟市出身、札幌市在住

 ―ご両親ともにものすごく健康だそうですが。
 健康。毎日散歩してるし、ふたりとも私よりよく食べますから。70歳過ぎてふつうにお肉とか食べてる。
 ―お父さんは、お仕事を引退してずいぶん経つ。
 いえ。先日73になったんですが、70まで現役で働いてました。証券マンだったんですけど、なぜか車の運転免許を持ってなくて、自転車で通勤してました。引退後も自転車で遠乗りしたり、買い物に行ったり。愛用の自転車を「マイベンツ」って呼んでて、それに跨ってどこにでも行く。
 ―ベンツ! 何万円もするような、スポーツタイプの自転車ですか。
 ふつうのママチャリ。真冬でも自転車に乗るんで、ずっと「危ないからそれだけはやめて」って頼んでたんです。やっと言うこときいてくれるようになって、今年の冬は乗らないで過ごしてくれたみたいですね。

(小笠原 淳)

■100『実家の農業「継げ」と10年以上』

柴山太一さん(30)=編集者、北見市出身、札幌市在住

 ―実家が農業を。「継げ」という話は。
 高校生のころから「継げ」「厭だ」のやり取りが10年以上続いてます。
 ―今も継ぐつもりはない。
 ちょっと揺れてる。父には何も言ってないけど。…実は父が3人いまして。
 ―えっ。
 1人目が、今話した農家の父。2人目がですね、ええと、外交官。3人目が、あー、起業家。4人目が、えー、大工。
 ―今、「3人」と。…2人目、なんでしたっけ。
 えー、外交官。
 ―嘘だ。なんか意味あるんですか。ものすごくわかりにくい比喩とか。
 最近、周恩来の本を読んだんですよ。あれは面白かった。
 ―それはどうでもいいんで。
 この犬の銅像、誰の作品なんだ。あ、こんな所に名前が彫ってある。
 ―えっ。
 まあ、嘘ですけどね。

(小笠原 淳)

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