HOME > 連載【となりの北海道人】『私のお父さん』第30回

連載【となりの北海道人】『私のお父さん』

第30回

*話すこともあまりなく、聞くことも少ないお父さんの話。でも、お父さんにまつわる話はおもしろいんです。

■156『地域と共に歩む道を示してくれました』

三橋文憲さん(60)=宮司、札幌市出身、札幌市在住

 ―豊平神社といえば、ご神木のハルニレ、あるいは骨董市(4月から11月までのほぼ最終日曜日)を思い浮かべる人も多いようです。
 このハルニレは樹齢200年を優に越えていますから、誰よりもこの地の変遷を知っていると思います。骨董市はいつも賑わっていますよ。神社の境内と骨董市って、雰囲気がぴったり合うでしょ。社務所はパソコンや詩吟の教室、青少年育成や老人クラブ、町内会の集まりにもご利用いただいています。
 ―いろんなカタチで地域の人に親しまれているのですね。
 神社は地域と共に歩むもの。ですから先代もそうですが、PTA会長、民生委員、保護司など、社会活動にも努めています。
 ―お父さんは豊平神社の3代目宮司。どんな人でしたか。
 敗戦後、神社を取り巻く環境が一変し、その中で宮司を務めた父は苦労が多かったと思います。軍国主義下で成人した父と戦後の教育を受けて育った私は、父と息子、上司と部下、両方でしばしば考えがぶつかりました。父は冷静な人でしたから私の話に耳を傾け、意見を取り入れてもくれました。現在、私と息子が同じような状況にあり、ことあるごとに父を思い出しています。

道産ヨネ

■157『年を重ねてわかった度量の大きさ』

市川純子さん(60)=フラダンス教師、札幌市出身、札幌市在住

 ―ご自宅でフラダンスを教えていらっしゃいますが、きっかけは。
 50歳を過ぎて少し体を動かした方がいいと思い、フラダンスを習いだしたんです。楽しみとして始めたけれど、なかなか上達せず、結構苦しみました(笑)。人に教えてもよいとのお許しが出たのは、一昨年ぐらいですね。介護を必要とする娘がいますし、夫の両親も同居していますから、自宅でできる範囲で教室を開くことにしました。
 ―何事にも前向きに取り組む姿勢は、どのようにして培われたのでしょう。
 父は優しくユーモアのある人でしたから、明るい家庭で、きょうだい全員のびのび育ちました。父は公務員で全道の鉱山の地図を作る仕事などに携わり、指導のためボリビアに行っていたこともありました。勉強家で家でも常に机に向かっていましたね。私は絵や作文をいつも父に見せ、「いいよ」と言ってもらってからでなければ安心して学校に提出することができなかったのですが、当時は「もう少し威厳のあるお父さんがいい」なんて思ったりして、勝手なものですね(笑)。今は父の凄さや大きさがよくわかります。

道産ヨネ

■158『何をするのも一緒だった』

佐久間佳彦さん(31)=会社員、小樽市出身、小樽市在住

 ―お父さんは長く身体を患ったとか。
 私が生まれたときには身体が悪かったから、長生きはできないと思っていたんじゃないかな。何をするにも一緒で、屋根に上って冬支度をするのも物心つく前からやっていたんですよね。男だからっていうのもあったんだと思います。「これはこうやってやるんだよ」と教えてくれました。接する時間が短いと思っていたからか、毎年、家族旅行にも行きました。
 ―長生きできない、ということをご家族はどのように。
 姉は、生きてるうちは嫁に行かないって。私は逆に、早く結婚して孫の顔を見せたいと思っていました。父は人工透析を受けていたので、週に3回会社を休まなくちゃいけない。だから給料もその分安くなるし。母親は夜10時、11時まで仕事をしてましたね。今思うと大変だったんじゃないかな。
 ―お姉さんはお嫁に?
 生きているうちは行きませんでした。亡くなってから4年後かな、結婚したのは。私は孫の顔を見せてあげられませんでした。残念です。

杉本真沙彌

■159『じいちゃんだけ好き!』

さとうともこさん(39)=主婦、夕張市出身、札幌市在住

 ―コンサドーレ札幌のボランティアスタッフを。
 2000年からやっています。2002年のサッカーW杯でボランティアをしたくて、経験があった方がいいなと思って始めたんですが、W杯は試合を見に行ってしまってできませんでした(笑)。いまはファンクラブブースにいます。スタッフもサポーターもコンサに勝ってほしい、という気持ちがいっしょなのでとてもいい雰囲気。
 ―お父さんもスポーツ好きだとか。
 若いときは卓球とかジャンプとかスキーを。運動神経が良かったみたいです。少年野球の監督もやっていました。ボーリングブーム世代なんですよね。298点を出したときの写真とトロフィーがあります。凝り性みたい。
 ―現在はお孫さんとスポーツを?
 父と同居しているんですが、3歳の息子にゴルフのスイングを教えたりトスを上げて野球のバッティングを教えたり。おもちゃの流し台や電子レンジなども父が作っています。設計図を書いて作るんですがかなり本格的。作るところも一緒に見ているので楽しいんでしょうね。「じいちゃんだけ好き」って言ってます。

杉本真沙彌

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