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連載【となりの北海道人】『私のお父さん』

第21回

*話すこともあまりなく、聞くことも少ないお父さんの話。でも、お父さんにまつわる話はおもしろいんです。

■121『ぼくはジャッカーでんげきたい』

経慎之助さん(4)=幼児、札幌市出身、札幌市在住

 ―写真、撮りますよー。ハイ。
 は〜い。もういっかい、もういっかい。
 ―じゃぁ、もう一枚撮るねー。
 かめんライダーデンオー!
 ―慎之助くんは、どんなヒーローが好きなの?
 じゅうけんせんたいゲキレンジャー、ジュウレンジャー、メガレンジャー、ヒカレンジャー、サイトレンジャー、その星のキングレンジャー! ねぇねぇあのさ、遊ぼうよ。
 ―えー、あとからねー。慎之助くんはお外で遊んだりするの?
 ぼく、ゆりがはらこうえんにいきたいんだよ。
 ―そうなんだ。百合が原公園の汽車が好きなのかな?
 うん。
 ―お出かけしたら、何を食べるの?
 おでかけしたら、アイスクリームをたべる。あっ、ソフトクリームをたべる。
 ―休みの日に、お父さんと何して遊ぶの?
 パパといっしょにあっかんべーとかしてる。へへっ。

(杉本真沙彌)

■122『誰とでも友達になり、もてなしていました』

向井和恵さん(63)=病院ボランティア・コーディネーター、留萌市出身、札幌市在住

 ―市立札幌病院はいつも花盛り。花を見に足を運ぶ人も多いのでは。
 そうなんです。外にも“いす”を置いてますから、お孫さん連れで花を見ながら休んでいかれる方もいらっしゃいます。花はボランティアの方々が育て管理し、病院や病院職員、患者さんなど、多くの方々が支えています。環境美化が医療の場から地域に広がりを見せているのは、本当にうれしいことです。
 ―病院における円滑なボランティア活動を図る調整役としてご活躍ですが、ご自身のボランティア活動の原点は。
 小学6年生のとき、歩行に障がいがある友達のかばんを私が持って登下校し、冬は私が押す“そり”に乗せてあげました。できる範囲でサポートしただけであって、私にとって特別なことではありませんでした。父と母の、今の言葉で言う「地域に根差した活動」を見て育ちましたからね。例えば父は、道端で友達になったと言って、顏も洗わず街を歩き回って施しを受けている人を家に招き、一番風呂、食事、泊まるときは新しいシーツでもてなしていました。誰に対しても同じように接するということも、ごく自然に身につきましたね。

(道産ヨネ)

■123『天国で見まもっていてね』

敦賀准平さん(8)=小学生、札幌市出身、札幌市在住

 ―お父さんが病気で亡くなって3カ月。今話そうと思ったのは、なぜ?
 インタビューに、こたえたかったから。それと、お母さんが、今のお父さんへのきもちを、なにかにのこしておいたらって、すすめてくれたから。
 ―お父さんとの一番の思い出は。
 いっしょに岩見沢のゆうえんちに行ったこと。登別温泉にも行った。ぼくが父の日とか、おたんじょう日に手紙を書くとよろこんでた。
 ―手紙に何て書いたの?
 早くよくなってかえってきてね。また、しょうぎやろうねとか。
 ―お父さんは将棋が得意だったんだ。
 うん。運転もじょうず。トラックの運転手さんだから。そうだ! トンカツ、すっごくおいしく作れたんだよ。世界一おいしかった。
 ―お父さんへのメッセージを。
お母さんのいうこと、きくんだぞって、お父さんとのやくそく、まもるよ。天国に行っても、ぼくとお母さんのこと、わすれないで見まもっていてね。

(道産ヨネ)

■124『日ハムと外国為替トレーディングにはまる』

平井渉さん(37)=会社員、胆振管内安平町(旧追分町)出身、札幌市在住

 ―現在は、夏期はゴルフ場、冬期はスキー場を経営する会社にお勤めとか。
 ええ、今の季節は年配のお客さん、冬は子どもたちが多いんです。子どもはなんかおごってとかまけてとか言って、とにかくいつも周りにくっついてきます。
 ―おごるんですか?
 僕はおごりませんね。ただシーズンの最終日とかには、「しょうがないないなぁ」と。
 ―お父さんは定年退職されたんですね。
 退職して4年です。退職したときに、母と妹と僕とで温泉旅行と日ハムの年間パスをプレゼントしました。それ以来はまったみたいで、レプリカユニホームまで買って着ているようです。あとは外国為替トレーディングですね。ニューヨーク市場が開く夜中に起き出してパソコンに向かったりしてます。母には使っていいお金を厳しく管理されているようです。パソコンにパスワードまで入れちゃって、儲かっているかどうかはおやじ以外は知らないんですよ。
 ―晩酌はなさるんですか?
 はい。普段はおとなしい人ですが、お酒を飲むと「世界についてどう思う」「原子力問題はどう思う」などと僕ら相手に語りだします。毎回、「また始まった」と思って聞いています。

(杉本真沙彌)

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