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新世紀ビジネスの開拓者たち 新世紀ビジネスの開拓者たち The pioneers in the new century
北海道には、IT、バイオ、環境、新エネルギーなど、未来を拓く新ビジネスに挑戦する企業が数多く活躍しています。「可能性の大地」北海道から、新しい開拓者たちの物語をお伝えします。
  連載第2回
 
医薬品情報記述言語PMLで、北海道発世界標準をめざせ!!


【株式会社PML研究所】代表取締役社長 最高執行責任者 中橋 望氏 【株式会社PML研究所】
代表取締役社長
最高執行責任者

中橋 望氏
PML研究所は、元国立がんセンター研究所にいた中橋氏を代表に、PMLという医薬品情報記述言語を用いた医薬品情報管理システムを中心として、電子カルテや医療情報システム開発など、医療とかかわる情報システム開発をビジネス目的として2000年7月に設立された企業。2002年初頭に最初の製品「Spinosa」がリリースされる予定である。
全員が医療従事資格者でコンピュータのエキスパート

医薬品 情報 イメージ 札幌で開催された第二回三浦・青木賞の選考会場。ITベンチャーの卵たちを発掘し、世に送り出そうというこの賞にノミネートされた株式会社PML研究所代表取締役の中橋望は、少し照れたように会場の片隅にいた。
 すでにこのとき、医薬品情報の管理システムを開発する同社は、製薬会社から注目を集める存在となっていた。卵というよりは、孵化をしたヒナ鳥となっていた中橋は、卵たちの間で少し落ち着かなかったのかもしれない。
 三浦・青木賞は、予想通り社会人の部に中橋を選んだ。受賞あいさつに立った中橋はこう言って会場を沸かせた。
「すでにビジネスが始まっていることで反則だという声もありますが、応募した数ヶ月前は、本当にまだ立ち上がっていなかったんです」

【株式会社PML研究所】代表取締役社長 最高執行責任者 中橋 望氏 株式会社PML研究所は、札幌市のマンションの一室にある。
 ITベンチャーたちの多くがそうだったように、いわゆるマンションカンパニーである。
 社長である中橋の席にはモニターが並び、周囲には自作のパソコンや資料が散乱している。もうひとつの席は副社長の本寺隆行のもの。そしてもうひとりの副社長・岡田昌史は、筑波大学の大学院生でもある。この三人がPML研究所の全構成員。中橋、岡田は医師、本寺は診療放射線技師の資格を持つ。わずか三人とはいえ、全員が医療従事者の資格を持ち、しかもコンピュータのエキスパートというベンチャー企業は、他に例を見ない。

 同社の社名であるPMLとは、Pharmaceutical Markup Languageの略で、日本語にすると「医薬品情報のためのマークアップ言語」となる。たとえば<価格>1000</価格>というような印を付ける(マークアップする)ことで、価格が1000円であることを意味させるような決まり事がマークアップ言語と呼ばれるものである。インターネットのホームページ(HTML)もこの仕組みの簡単なものだが、中橋が開発のベースとしたのはSGMLというもう少し複雑な記述言語だ。
 PMLは、それまで人手をかけて管理・制作し、カンや経験で利用していた医薬品情報を構造的に電子化することで、医療現場でその情報を速く、簡単に入手できるようにした。また大量に出回る医薬品の相互作用なども、コンピュータでチェックできるようになる。
 製薬会社の現場では、医薬品の添付文書をはじめ、煩雑な印刷物の管理に追われていた。PMLは、ひとつの情報を管理するだけで、コンピュータ上での利用から何種類にわたる医薬品に関する印刷物を作るときにも対応できる。このようなかたちで医薬品情報を管理しようとしたのは、中橋が最初だった。
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