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新世紀ビジネスの開拓者たち 新世紀ビジネスの開拓者たち The pioneers in the new century
北海道には、IT、バイオ、環境、新エネルギーなど、未来を拓く新ビジネスに挑戦する企業が数多く活躍しています。「可能性の大地」北海道から、新しい開拓者たちの物語をお伝えします。
  連載第1回
 
DNA合成で国内シェア50%! インターネットの時代、もう北海道に地理的なハンディはありませんね。



【株式会社サイエンスタナカ】代表取締役社長 北本正男氏【株式会社サイエンスタナカ】
代表取締役社長 北本正男氏

 サイエンスタナカは、臨床検査、理化学機器・試薬などを取り扱う道内大手の商社であり、販売した機器のメンテナンスを行う技術部と研究開発のサポートを行う技術研究所を併設している。技術研究所では自社製品の開発をはじめ、遺伝子工学の研究に不可欠なDNAの依頼合成受託や遺伝子クローニングなどの受託試験を行っている。また、97年には米国メーカーと合弁で子会社を設立し、現在同社は国内有数の合成DNAの製造・販売会社に成長している。

※2001年12月1日より「株式会社フロンティアサイエンス」に社名変更
遺伝子研究のさらなる可能性を求めて

遺伝子 DNA イメージ画像 ある学者の対談を読んでいると、遺伝学と進化論についてユニークな規定があった。氏の見解によると「遺伝学は子供が親に似るのはなぜかという学問で、進化論は子供が親に似ないのはなぜかという学問だ」というのだ。
 実際、遺伝とはそれぞれの生物が持っている独自の体型や特徴といった形質が、子孫に伝わることをいう。そして、この形質を子孫に伝える役目をしているのが「遺伝子」であり、その中にはカエルならカエル、ヒトならヒトと、それぞれの生物を形づくるための設計図が入っている。
 遺伝子の本体とはDNA(デオキシリボ核酸)であり、これには働いてる部分と働いていない部分がある。遺伝子とは、このDNAの長い鎖の中に点在する働いている部分のことをいい、働いていない部分は遺伝子とはいわない。このDNAが巻きついてできたものが染色体である。そして最近話題の「ゲノム」とは、その生物を形づくるために必要な遺伝情報をもつ染色体の全体のことを指している。
 ヒトゲノム(全遺伝情報)関連の市場では、いまやDNA合成が大きな事業になっている。DNA合成とは、遺伝子研究機関などの依頼で、塩基配列の指示書に従い、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4塩基を人工的に合成して配列することをいう。
 もともと遺伝子に関する研究は、1865年に発表されたメンデルの法則を皮切りに、遺伝子物質であるDNAの研究へと発展、その構造が次々と明らかにされてきた。特に、人工的にDNAの分子を切断したり接合したりする技術が開発された1970年代以降、研究は飛躍的に進歩している。
 このような遺伝子研究の進展に伴い、その研究材料となる合成DNAの需要が高まってきたのである。特に1986年にはPCR法というDNA増幅法が開発され、特定のDNAを短時間で大量にコピーできるようになった。その影響でDNAを人工的に合成するビジネスは、ここ数年で大きく成長し、いまや末端価格で50億円市場とさえいわれている。石狩新港に生産拠点を構えるサイエンスタナカは、市場が急成長する以前からDNAの合成に着手し、道内の各種研究機関と取引してきた豊富な実績を持っている。
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