
私たちは中学生のとき、どのような本に出会っただろう。
宮沢賢治やモンゴメリーを卒業し、ヘッセや漱石に飽きたらず、いっぱいに背伸びした文学少年少女たちは、大江健三郎や三島由紀夫、中原中也やマルクスなどの文庫を鞄にひそませ、その本質の部分は知らぬままに、分かったように口角泡を飛ばしていた記憶がある。早熟な思春期のただなかで、おそらく「本」が、人生のあり様を変えたという子供たちが、昔は星の数ほどいたにちがいない。
いま中学生たちは何を読んでいるのだろう。
そもそも彼らは本を読んでいるのだろうか。
札幌市では1カ月に1冊も本を読まない「不読者」が、中学生で28%にもなるという。
書店の店頭から中学生の姿が消えた!−札幌の書店のオヤジが、このことに危機感をもった。
そこで自分で経営する書店の棚に、中学生向けの棚を作った。その輪は札幌に広がり、2004年には札幌の27書店が参加し、「本屋のオヤジのおせっかい“中学生はこれを読め!”」フェアを開催。昨年は道内62書店に拡大し、さらに全国に広がろうとしている。
本書は、そんな「本屋のオヤジ」の仕掛人・札幌市西区にある久住書房の久住店長ら北海道書店商業組合の面々が、北海道の書店員おすすめの120冊をセレクション、さらに500冊を「これ読め!」と薦めるブックレットである。
「ためになる」「勉強になる」の前に、「面白い」が大事というオヤジ(オバサン)たちの思いは、本書のセレクトにも見事にあらわれている。
たとえば、スペシャルお薦めの
◎『流星ワゴン』重松清
◎『正しい保健体育』みうらじゅん
◎『封神演義』許仲琳
◎『馬を洗って』加藤太一
◎『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キース
などは、どれもまさしく本を読むことが楽しくて仕方がなくなるような一冊である。
夏休み、中学生たちに本を!というおせっかいな大人になろう。
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